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歴史系 最終更新07/08 '09

「賢者は歴史に学ぶ」と言ったのはドイツの鉄血宰相ビスマルクだっけ…

賢者は歴史に学び、愚か者は体験に学ぶ
(原文は「賢者は他人の体験に学ぶ〜)

宮城谷昌光氏の著作が多いのは、このコンテンツを思いついた時に丁度マイブームが氏の作品だった為。

三国志 吉川英治著 最終更新04/20 '09


1939.05刊行。
これを抜きに僕の東洋史は語れない。
中国の後漢末から三国時代の歴史物語を『三国志演義』に基づき、氏独自の解釈を加えて発表。
それまでの湖南文山版に代わって日本の三国志物のスタンダードともいうべき作品となった。
何度、読んだか…何度読んでも新鮮な面白さがある。これをきっかけに中国の歴史に興味を持ち始めた。
サラリーマン時代、担当していた会社の社長は大抵読んでいた。話題に困ったらこの話が出来ると助かる事もあるかもしれない。
兎に角、登場人物が多すぎて1度読んだだけでは把握しきれないかも…そういう人は横山光輝の三国志を読む事をお勧めする。これは吉川英治氏の三国志を元にした漫画なので、判りやすい。
こちらも何度も読んでいる…^^;

面白さ
東洋史好きへのお勧め度
通りすがりへのお勧め度
★★★★☆
★★★★★
★★★★☆

侠骨記 宮城谷昌光著 最終更新04/20 '09


1991.02刊行。
初めての宮城谷昌光…
全く内容も作者も知らないまま…タイトルに惹かれて買って読んだ本。なんで、惹かれたのかも、もう忘れた。
内容は文化は一級ながら軍事は二級の大国魯の話。何度か読んだが2年ほど経つと完全に内容を忘れて新鮮な気持ちで読める。
流石にこの頃は、途中で思い出すが…^^;

面白さ
東洋史好きへのお勧め度
通りすがりへのお勧め度
★★★☆☆
★★★☆☆
★☆☆☆☆

孟嘗君 宮城谷昌光著 最終更新04/20 '09


1995.09刊行。
孟嘗君とは中国・戦国時代の政治家。戦国四君の一人。
氏は田、諱は文。諡が孟嘗君である。斉の威王の孫に当たる。
東洋史…特に中国史が好きだと豪語しておきながら、春秋戦国時代は余り興味が無かった…。
この時代まで遡るとほとんど作り話か、単なるフィクションのような気がして率先して読む気にはならなかった。
そもそも、史記を斜めに読んで、読んだ気になっていた事自体に問題はあったのだが…。
陳舜臣と吉川英治を読んだら中国史は充分」と暴言を吐き、驕りたかぶった態度を悔い改めさせてくれた一冊。
一気に春秋戦国時代が面白くなった。本当の中国史のダイナリズムはこの時代にあるのではないか?と思えるほどの時代だ。
孟嘗君よりも周りの登場人物へ注目が移りそうである。 それぐらい多士済々な登場人物が物語を盛り上げてくれる。

面白さ
東洋史好きへのお勧め度は
通りすがりへのお勧め度は
★★★★☆
★★★★☆
★★★☆☆

重耳 宮城谷昌光著 最終更新04/30 '09


1993.02刊行。
重耳は中国・春秋時代の晋の君主、文公の事である。
姓は姫、諱は重耳(ちょうじ)、諡は文。
世継ぎ問題の内紛から諸国を19年間放浪したのち、帰国し君主となり天下の覇権を握った。
君主の公子として生まれながら、艱難辛苦を舐めた苦労人の物語。大器晩成の見本のような人。
人生なんかどうなるか判りませんよ。最期まで希望を捨てず頑張っている人に、天も見放さないと言う事です。
重耳の物語なんだけど、じーさん称の時代の方が面白かったりする。19年間放浪していたのは大変だと思うが、物語中ではそれ程苦労を感じていない鈍感な男にも見える。
お涙頂戴的な心理描写をするのが著者が嫌いなお陰なのか、脇役にスポットを当てて話を進めているお陰か、その辺はあっさりと書き込まれているので、19年間の放浪の大変さより、波乱万丈な面白さが中心の感があるが、それは著者の意図した事であるのかもしれない。
僕的には、もっと重耳の葛藤をもっと書き込んで欲しかった。前半に比べて後半が文章に勢いがなくなった気がするのは、僕の読書力がない為か…。

面白さ
東洋史好きへのお勧め度は
通りすがりへのお勧め度は
★★★☆☆
★★★☆☆
★★☆☆☆

子産 宮城谷昌光著 最終更新04/30 '09


2000.10刊行。吉川英治文学賞受賞作。
間違っても子作りの本でもお産の本でもない。
子産は春秋時代の鄭に仕えた政治家。姓は姫、氏は公孫、諱は僑、字は子産。
宮城谷昌光氏の歴史小説は親子2代或いは3代に及ぶものが多い…何故だろう…
また、主人公の人生はそれはそれで読んでいて面白いが親の方も面白かったりする…何故だろう…
北の晋、南の楚という超大国に挟まれた小国の悲哀がたっぷり味わえる。
目先の利益に追われてしまって、大志を忘れた経営者にお勧めの一冊かも知れない…。
子産という人は宰相としての業績もさることながら、中国史上初の成文法を定めた偉い人でもある。そんなに偉い人なのに全然名声がない。
そういう人物にスポットライトをあて伝統的レアリズムから逸脱したユニークな文体で中国を書ききった(渡辺淳一氏評)と言うことだが、確かに独特な文体かもしれない…。
まさに、無名な新人俳優だった三船敏郎を一気にスターダムに引き上げた黒澤明監督作品を観るかの如く、子産という人物が一気に自分の中に入ってくるのが判る…それ程面白い歴史小説だった。

面白さ
東洋史好きへのお勧め度は
通りすがりへのお勧め度は
★★★★☆
★★★★☆
★★★★☆


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