気胸 9/05 '02

8月13日の夜。うちの社長(当時の)と織ちゃん(制作担当の女の子?おばはんかも^^)と南京街の「ちから」で飲んでいた。10時を過ぎたぐらいの頃、急に息苦しくなった。まるで今食った皿そばが気管に入ったように・・・。
その時は背中の右側が痛いのと息苦しいのとで「皿そばが気管に入った」と本気で考えていた。
苦しいし痛いけど我慢できないほどでもなく、その日はそのまま寝てしまった。ただ、体の右側を下にして寝る事は痛くて出来なかったが・・・。
明けて14日、朝起きても痛かったが、「皿そばが気管に入った」ぐらいで、そのうち治るだろう・・・とまだ、たかをくくっていた。
ただ、あまり気管の奥の方で詰まっていたら嫌だなあ・・・と思いポートアイランドにある神戸市民中央病院に行く事にした。そう言えばおばあちゃんはここで死んだんだっけ・・・^^;

レントゲンも撮って、呼吸器科の診察室に行くと
気胸ですね」
「なんすか?ききょうって?」
「空気の気に胸と書いて気胸です。要するに肺がパンクした状態です。」
「はあ・・・・・」
「じゃあ、丁度ベッドも空いていますし入院してもらえますか?」
「え?今日からですか?」
「そうですよ。今から手術します。」

なんだ?「皿そばが気管に入った」のではなく肺に穴が開いただとぅ〜?、で即手術、即入院だとぅ?一度病院の外に出て会社に電話する事にした。
「なんか、肺に穴が開いて今から手術するらしいので、今日は多分休むわ」
「手術終わったら連絡するわ」・・・て終わったら連絡できないだろう・・・

手術が始まった。胸に穴をあけて空気を抜いて、ドレーンを通す手術。
担当医は30過ぎた位の男の医者。やっと研修医から人並みに扱ってもらえるようになった感じがする担当医。
何故か二人の女学生の研修生が手術を見ている。おいらは実験台か!?・・嫌な予感がする
あ!今日はまだ煙草吸っていない!このまま煙草を止めるのは嫌だ!
胸に麻酔注射を打つ。腕に筋肉注射の麻酔を打つ。これでラリってくるはずだ。胃カメラの時は知らずに打たれてラリっていた。
メスが胸を切り裂く、麻酔を打つ、切る、打つ。ドレーンを入れる。痛い!!麻酔をまた打つ!ドレーンがうまく入らない!何故か筋肉注射をもう一本打たれる。
看護婦が「まだ打つんですか?」と聞いている
「1本打って大丈夫!」と医者が言う。
でもドレーンはうまく入らない。またメスで切る。麻酔を打つ、
プシューと音がする
「ほら、開いた」
「・・・てまだ空いて無かったのかぁ?」
胸でゴリゴリ音がする。
「おらおら研修生!ちゃんと見とかんかい!!」と心の中で叫ぶ!! 
筋肉注射は痛い上に2本も打って全然効かない!ラリってこない。すべて覚えている。

やっと研修医から脱却できたような担当医の焦りが伝わってきた。
研修生の前で下手な事は出来ない・・・
とりあえず、何でもいいからドレーン通してしまえ・・
・・・なんて聞こえてきそうなシュチエーションだった。
3度目の正直でやっとドレーンが通った。

とりあえず手術終了・・・
病室へ運ばれる・・・
運ばれている最中にラリって来た・・・・・


社長も会社の人間も何人か来てくれていた。
誰かが見舞いに来てくれているけど・・・話しながら寝てしまっている。
見舞いに来ている人の前で、その人と話をしている夢を見ている……同じシュチエーションの夢を・・・完全にラリって来た・・・・・。でもなんだか気持ちがいい…究極の気持ちよさかもしれない

しかし、気持ちの整理もつかないまま、禁煙に突入させられてしまった。あ〜煙草を吸っていれば良かった。1本でも吸っていれば諦めがついたのに・・・・などとラリりながら考えている時に、さっきやっとこさドレーンを入れて研修生に馬鹿にされたかもしれない担当医がやって来た。

「手術後撮ったレントゲンを見るとちゃんとドレーンが入っていなくて、肺に刺さっているような感じなのでちょっとだけ抜きますね。」
「さっき手術の時痛がっていたのはそのせいかもしれませんね」と再手術が始まった。
本来なら文句の1つでも言うところではあるが、ここに来て筋肉注射2本分が効いてきた・・。
また、研修生連れてきている・・・今度は一人か・・・これだけ覚えている・・

・・・で、再手術はさくっと終わった。

右胸からなんか管が出ている・・・・
誰かが見舞いに来てくれているけど・・・話しながら寝てしまっている。
見舞いに来ている人の前で、その人と話をしている夢を見ている。同じシュチエーションの夢を・・・完全にラリって来た・・・・・。
そして究極の眠りについた
その日何十年振りかに9時に寝た。

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