年越し南北大東島 その7


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 今日でいよいよ1998年が始まる。朝6時頃起きてしばらくすると地元の人が迎えに来てくれた。キャンパー5人で反対側の東側へ初日の出を見に行く。牽引車に乗って行くが、狭い中5人はちょっときつい。約15分のドライブで東側までやってきた。初日の出は下が雲にかかってはいるもののきれいに見ることができた。周りには数十人くらいいるだろうか。

 これまで初日の出を見たのは、5年前にえりも岬YHで年越しをしたときにみんなで海に見に行ったくらいだろうか。小笠原で年越しをしたときは中央山へのバスがあったのだが寝過ごしてしまい、結局は見ることができなかった。

 今年は写真を10枚くらい撮るが、三脚を持ってこなかったのでコンクリートの上に置いてセルフタイマー撮影で撮る。小さな三脚はなにかと便利だ。ランタンをつるしたりする事もできる。今度から三脚は忘れずに持ってこよう。また、今度はビデオを持ってこようとも思う。

 再び牽引車に乗ってキャンプ場まで戻る。今日の朝食は正月にふさわしく、ちょっと贅沢にしてみよう。私が那覇で買った山羊汁、中身汁のレトルトを鍋でわかし、他のキャンパーが持っていた野菜、鶏肉、豚肉、カニ缶をそれぞれの鍋に入れ、鳥ガラスープ、みりん、コーレーグスを入れて30分ほど煮込む。するとどちらも色々な味が合わさってとてもおいしくなった。山羊汁はコクが出ており、もう一方の中身汁はさっぱりとした中にうまみがある。各人が炊いたご飯に汁をかけると、とてもうまく、正月ならではの贅沢料理となった。

 食後、キャンパーと大東神社へ初詣に出かける。キャンプ場から自転車で10分くらいのところにあり、周りは南国の植物の中に神社がある、何とも不思議な光景だ。これが本州だったら杉か何かの中に神社があるのだが、さすが南国沖縄を感じさせる風景だ。狛犬を見ると、最初シーサーかと思ったのだが普通の狛犬だった。お参りをしている人は皆スーツを着ていて、どうやら村長さんをはじめとする島の偉いさんたちの集まりらしい。御神酒をもらうがやっぱり泡盛だった。別に日本酒もありそちらももらうが、日本酒は泡盛を飲んだ後だろうか、どうも薄い気がしてならない。初詣を無事に済ませた後、キャンプ場まで戻る。

 キャンプ場に戻り、しばらくすると子供たちが車に乗ってやってきた。デビルスティックを披露すると、とても喜んでいた。それにしても今日は風が強い。

 一人のキャンパーが島を出ていく。とりあえず挨拶してから島の探検に出かける。ここ南大東島は島一周道路が内側、外側の2カ所にあり、とりあえずは外側の道路を反時計回りに南へと走ってゆく。ちょっとアップダウンがあり、1/4周ほどすると日の丸展望台に到着。本によるとここからは島が見渡せるところだ。お茶とカロリーメイト、そしてカメラを持って展望台の一番上につくまで景色を見ずに登り、展望台の一番上から島の北側を眺めると、そこは島が見渡せる絶好の展望台であった。北側は海は見えないが、一面サトウキビ畑が広がり、島の周りを高台がぐるりと取り囲んでいるのがよくわかる。遠く北には小さく灯台が見える。おそらく北大東島だろう。西側から南側にかけては海が見える。見渡すと、集落には建物があるが他には建物は見あたらない。地元の若者がやってきて写真を撮っていた。私もあたりの写真を撮る。こういう広い風景だと、ビデオを持ってくればよかったとしきりに後悔する。一度自転車ツーリングでビデオカメラも持ってこようと思う。おそらく自転車では誰も持ってこないだろうが、いい思い出になる。宿でみんなで見たりすることもでき、何かと便利だ。多少は重くてかさばるが、一度持ってツーリングをしてみようと思う。

 30分くらい展望台にいた後に空港まで走ってゆく。空港に行き、展望デッキで見ているとちょうどキャンパーが飛行機に乗り込もうとしているところだ。指笛を吹き、挨拶する。ここの展望デッキは2階と3階の2カ所あり、3階に上ると別のキャンパーも見送りに来ていた。一眼レフで写真を撮っており、私はカメラを自転車のフロントバッグに入れたままだったのでカメラなしで飛行機を見送る。キャンパーは地元の人の自転車で来ていたので一緒にキャンプ場まで戻る。

 キャンプ場へ戻る途中にJAで休憩していると、2人組の旅行者が通りがかり、挨拶して色々話す。どうやら3日の朝便で那覇に戻るとのことだ。ジュースを飲んだりしてからキャンプ場に戻る。

 キャンプ場に戻り、夕食用にスパゲティをゆでてレトルトをかける。夕食後に小さな液晶テレビを見ていると、いつも来る地元の人が大東寿司やら焼き魚を差し入れてくれた。大東寿司はまだ食べていなかったのでおいしくちょうだいする。昔、小笠原で食べた島寿司に似ているがわさびがないようだ。サワラを醤油などにつけ込んでから寿司にしたものでとてもうまい。名前を池田さんといい、昔自転車で旅をされていたそうだ。色々旅の話などを聞く。中でも一番印象深かったのが沖大東島の話だった。そこは米軍の射爆場となっており、島には1本だけ木があったり、建物の上に雨水をためてからそれを濾過して使ったりするそうだ。そこは釣り天国で大物がうようよいるとのことだ。私も機会があったら一度は行ってみたいところだ。

 寿司や魚の残りをクーラーボックスに入れて、テントに戻って寝る。

本日の走行距離:20.9km




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