年越し南北大東島 その6
12/31
朝6:30頃起きる。外に出てみると寒さを感じる。トイレと歯磨きをした後に朝食の準備に取りかかる。米を洗ってすぐに炊きあげたせいだろうか、ご飯が堅かった。やっぱり米は30分くらい水に浸しておいてから炊いた方がうまい。食後ラジオを聴くと、各地の年越しの風景をやっていた。今まで小笠原、えりも岬、石垣島などで年越しをやっていたが、ここ3年は北海道だった。去年の年越しは富良野でちょうど0時には外で初詣に出かけていたなあ。今年の初詣は南大東神社になるだろう。天気予報では九州沖縄地方で初日の出を見ることができるのはここ大東島だけらしい。
食後に後かたづけ、そして荷物をまとめてパッキングする。しばらくしたら大鍋を積んだトラックがやってきて下ごしらえを始めた。どうやらここで年越しの行事が行われるのだろう。誰かに「今日は泊まっていくの?」と聞かれ、「南大東島へ行きます」と答える。泊まっていけば祭りに参加できそうだったが飛行機の便があるので辞退する。ここはゴミ箱がないので出したゴミをまとめて荷物に入れる。南大東島で捨てるところがあったらそこで捨てよう。テントの跡が周りと色が違う。
荷物を自転車につけて出発する。たまたま持っていた官製はがきを自分宛に出し、ポストに投函する。まずは西港の方へ行き、商店を見たら開いていたのでお菓子を買う。久々に重い自転車に乗ったので足が疲れてしまう。それから今日も島の南側を通り、南大東島を眺めながらゆっくり空港に向かっていく。畑はサトウキビの緑、そして土の赤茶色のコントラスト、それに緩やかな丘のような感じが美瑛を彷彿とさせる。こんな静かな島なら犯罪も起きないだろう。いつかこういうところにすんでみたいと思う。それにしても今日は肌寒い。
11時頃空港に到着する。16時の出発までだいぶ暇がある。それにしても人が全くいない空港はとても寂しい。新聞が数紙置いていたので読んでみるとどれも昨日の新聞だ。それもそのはず、この島に荷物が初めて来るのは次の飛行機だからだ。どうしても情報が遅れてやってくる。小笠原など週1便の船なのでもっと遅れてくるのだが。インターネットなどの情報が整備されていたら情報も都会と変わらないスピードで入ってくるのでネットワークをインフラ整備したらいいと思う。
新聞によると気温は沖縄だけが20度を越えており、石垣島なんかは25度を越えていた。またスキー場の積雪情報を見るが、今年は暖冬のため雪不足みたいで、約半分しかオープンしていないようだ。富良野も60cmほどで、去年と大違いだ。沖縄にして正解だった。特に今年の沖縄は暖かく、3日位まで暖かいそうだ。
次の南大東島のキャンプ場では人はいるのだろうか?結局この2日間は私一人のキャンプとなった。まあ年間20人くらいしか観光客はこない島でキャンプする人などいないだろう。
しばらくすると2階の食堂が開いたようなので上って沖縄そばの昼食にする。受付が始まり、一番に受付を済ます。どちら側が景色がよいかを聞いてみると、飛行機は風上に向かって飛び、今日は風が東から西へと吹いているので右の窓側にしてもらう。前は5−A、今回は3−Kなので多少は前の席ではねもじゃまにならないかもしれない。超過料金は15kg分の1950円を取られた。思ったよりも安く済んだのでよしとしよう。
これで大東諸島は制覇したので今度は行っていない宮古諸島に行ってみたい。また、沖縄本島を一周ならびに周辺の島々も旅してみたい。八重山の行っていない島(西表、小浜、黒島、新城)も行ってみたい。あと5,6回くらい来たらおそらら全有人離島は制覇できるかもしれない。宮古諸島は今回のように9連休くらいあればすべて制覇できるだろう。まあ多良間〜水納島がチャーターせねばならないのできついかもしれないが。あと有名な島もこれで伊豆七島、母島、屋久島種子島、奄美大島、隠岐と少なくなってきた。もっとも有人離島は400以上もあり、すべて制覇が目標なのだが。
ふとフィルムの残りを考えるとあと36枚取りが2本と少なくなってきた。大東島でリアラAは手に入らないだろう。いざとなれば別の感度100のフィルムをどこかで買えばいい。景色は感度100がいいと思う。昔、何も知らなかった頃は感度が高い方がきれいな写真が撮れると思い、風景に1600を使って失敗したことがあった。人間学習が大切だ。
南大東島では土産物屋があるのだろうか?ここ北大東島では全くなく、記念スタンプも空港にはなくて結局役場まで行って押してもらった。なんせ観光パンフさえも役場まで行かねばない島だ。おそらく南大東島にはいろいろあるだろう。そういえば昔訪れた波照間島では、正月にも関わらず土産物屋(モンパの木)が開いており、Tシャツや絵はがきを買った記憶がある。とにかくスタンプと絵はがき、そしてTシャツは是非ともほしい。それに食料もほしい。レトルトだけだとあまりおもしろくない食生活になりそうだ。しかし考えてみたら肝心の米が残り少なくなってきた。さて、どうしようか?外食できるところがあるようなら外食もいいだろう。それにキャンプ場には誰かいるのだろうか?
そして搭乗手続きを取り、待合室に入ってゆくが、ゲートの電源が入っていないようだ。おまけに手荷物も自分で持ってゲートをくぐる。さすが小さな空港ならではのことはある。しばらくテレビでメジャーリーグの試合を見ながら飛行機を待つ。そして機内へ入ってゆき、いよいよ念願の南大東島への短いフライトが始まる。飛行機は最初、北方向へ向かって進んでいったが、急に左へ旋回していった。これでは右側から南大東島が見えない。ちょっとショックだ。
20分弱のフライトで、いよいよ機は南大東空港へと到着。空港は今年の7月くらいにできたばかりのとてもきれいな建物だ。この新しい空港ができるまでは島の中程にある空港で、19人しか乗れないセスナが運行していた。それ外までは39人乗りになり、荷物制限も緩和されて自転車を持ってこれるまでになった。自転車の旅の好きな私にとってありがたいことだ。
手荷物を受け取るときに北大東でもそうだったがタグを記念にもらう。そのうち両方ともパウチして飾りにでもしよう。空港の中には土産物屋があり、お菓子や土産物、おまけにTシャツまで売っていた。2300円は高いがTシャツを買う。しかしスタンプはどうやら空港内にはないようだ。売店の人が言うには、今日は大晦日なので神社でお祭りがあるらしい。後で行ってみよう。観光パンフをもらい、外で自転車を組み立てて早速反対側にあるキャンプ場に向けて出発する。
空港から島の中に向かうと、最初は下りがしばらく続く。中にはいると360度周りが高い盆地にいるので、自分が今、島にいる気がしない。こんな島は初めてだ。集落は工場や役場、それに店などもあるようだ。なぜかコインランドリーまであったのには驚いた。集落をぬけ、いよいよ目的地のキャンプ場への上りとなる。看板に従い、最後の海へと向かう下りを少し下ったところに工場があり、そこを左に入っていくと炊事棟が見えてきた。誰かが炊事をやっているようだ。キャンプ場に到着。ふと見るとテントも4張ほどある。
キャンパーに挨拶。どうやらもうこの時期に人が来るとは思っていなかったようだ。キャンプ場は相当広く、おそらく数百張りはいけるのではなかろうか。設備は炊事棟、トイレ(水洗)、シャワー室(数室)、外灯で、草の上のサイトだ。シャワー室は入り口がダイトウオオコウモリの大きな張りぼてがあり、屋根がちょうどコウモリの羽になっている。また外灯にコウモリの人形がかかっている。炊事場にはコンセントまで付いている。ビデオカメラを持ってくればよかったと後悔するが、そんなことはわからない。次に来たときにはビデオカメラも持ってこよう。
今年最後の夕日を見に行くが、雲に隠れて見えなかった。みんなはステーキを焼いている。聞くと地元の人が差し入れてくれたらしい。私も米だけ炊いて肉やら野菜やら色々もらう。ついでにビールもいた
だく。
食後、地元の人が車でやってきて液晶テレビを持ってきてくれた。本来、衛星放送しか入らないが、島の中で地上波に変換しているので普通のアンテナででも視聴できる。今はNHKの2局だけだが、そのうちに民放の衛星放送が参入するそうなので民放も見ることができるようになるらしい。日が沈むと急に寒くなり、震えながらみんなでテレビを見る。そのうちシュラフを持ち出し、シュラフにくるまって紅白を見る。「さとうきび畑」ではここのサトウキビ畑を思い起こし、色々な思いにしんみりとふける。小林幸子は今年も衣装がド派手、また美川憲一は空を飛んだり今年もおもしろかった。去年は富良野YHの建物の中でぬくぬくと見ていたが、今年は沖縄のキャンプ場で寒さに震えながらと対照的な紅白だ。
キャンパーが0時ちょうどにフラッシュが光るようにカメラを仕掛け、記念写真を撮る。明日は地元の人の車で東側に初日の出を見に行くので早く寝る。なにせ6時起きなのだから。
本日の走行距離:17.4km