東北ツーリング 第5弾

8/13

 朝食をとり、下へ行ってみると自転車は組み立てられていた。足は昨日よりも痛み、休み半ばにして旅が終わったことを実感する。とりあえず休みの最後である17日まで入院することにする。問題は帰りの便だ。今持っているチケットは仙台を昼発の便で、これだと退院してから間に合わない。出来たら函館を夕方発の便にしたい。しかし盆休みの最後なので取るのは難しいだろう。それに荷物の問題もある。ここから全部寮に送って、身一つで帰った方がいいだろう。

 昼食前に院内の売店ではがきと暇つぶしのパズル雑誌を購入。昼食後に航空会社に電話すると、函館→大阪の便はスーパーシートのみあるが、17日当日に空港で購入できるのは明日の予約からだ。仕方なく明日にでもかけ直そう。

 病棟から聞くバイクの音を聞いたり、テレビでやっていた北海道のサイクル列車を見る度にやるせなくなる。それにしても入院中はとてもひまだ。

 車椅子で行動していて感じたのは、病院内でも車椅子で行動しにくい所があることだ。これが普通の場所だと、もっと行動しにくいだろう。早く足をなおしてまた旅を続けたい。



8/14

 今日も入院生活だ。今日からは松葉杖をついての移動だ。退院までずっと車椅子も楽だが、退院後のことを考えたらやはり早いうちから松葉杖をついた方がよいだろう。実際に使ってみると少し短いようで自分で長く調節するが、片方はちょうどよい感じだが、もう片方を一番長くしてもどうも短い。これ以外に松葉杖がないのであきらめて使うことにする。部屋に新しい人が2人来た。みんな見舞いや付き添いがいるが、私はいない。まあ当たり前のことだ。寂しさよりも帰りのことが心配だ。昨日空いていた飛行機の席も今日電話してみると満席だ。1時間ごとに電話してみるが、全く状況は変わらない。

 保険証を持ってこなかったので寮長さんに電話してFAXで送ってもらう。汚い部屋に入られるのはイヤだが、この際そう言うことも言ってられない。もしも保険証がなければ膨大なお金を取られそうだ。1割負担の保険証の効果はとても大きい。

 主治医の先生に見てもらうと、どうやら膝に血がたまっており、注射で抜くとのことを言われ、恐怖を覚える。献血で注射は慣れておりべつに注射には怖くはないのだが、膝に注射針を差すとなると初めてのことなのでどれだけ痛いかわからない。聞くと麻酔も無いようだ。以前の手術での腰椎麻酔では、背骨に麻酔の注射を打つときに注射用の麻酔をしてから注射したのであまり痛くは無かったが、今回は未体験ゾーンの恐怖が頭の中をよぎる。しかしいざやってみると、皮を突き刺すときに献血の注射くらいの痛みがあり、あと中で注射針を動かしたので痛かったが、思ったよりも我慢することが出来たと思う。しかし注射針が動いたときに神経に触ったようで思わず声を上げてしまった。血を見る限りどうやら骨折は無いようだ。

 旅行中の日記を読み返してみるものの、もうだいぶ前の話のように実感がない。ほんの数日前の話だというのに。脇野沢からは来年にでも行けばよいだろう。

 テレビでは北海道の局が入り、気分だけでも北海道のYHでテレビを見ている気になろう。まあ神戸の寮からだと北海道もここ大間もあまり代わらない。周りは東北弁で看護婦さんも神戸とは違ってすれておらず、親切だ。



8/15

 生活は昨日と全く同じだが、とてもよいことがあった。それは飛行機のチケットを予約することが出来た。函館16:40発関空行きの便だ。おまけに函館空港では手持ちのクレジットカードで購入することが出来る。ダイエーのカードだが、持ってきていてよかった。なんせ手持ちと銀行から引き出せるお金を足しても入院費用、荷物の送料を考えてみたらやばいかも知れない。今年の6月にカードを作っておいてよかった。

 夕方には再び膝から血を抜く。血を抜いたら少しは足の曲げも楽になる。昨日は骨折の心配は無いと言われたが、今日はもしかしたら骨折かもしれないと言われ、心配になる。早く完治して旅が出来るようになりたい。

 食堂でテレビを見ると、NHK教育で自転車ツーリング、それも大畑→大間崎をやっており、ここまで来て本州最北端の地を踏めないことへのもどかしさを感じる。来年こそは走破したい。この調子だと日本一周まであと何年かかるのだろうか?残すところ脇野沢から松阪までだけと言うのに。今世紀中に完成させる目標も怪しくなりそうだ。



8/16

 誕生日からちょうど半年たつ(後ちょうど半年だ)が、昨日と全く同じ入院生活だ。そう言えば今年の30歳の誕生日にスノーボードで怪我をして痛めた肩がまだ治っていない。どうやら今年は怪我が多い。


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