真の日本最北端「弁天島」



8/11 旅のゴール地点 (稚内〜宗谷岬)

 朝8時頃起きて、歯磨き。しかし昨日はシュラフカバーだけでもそんなに寒くなかった。たぶんシュラフも使っていたら暑かっただろう。みんなに見送られて9:40出発する。しかし歩道は道がガタガタで滑りにくい。踏切を渡り、まずは百貨店でジュースを3本ボトルに詰める。ちょうど開店前なので人が結構並んでいる。ちょっと恥ずかしいのでそそくさと退散する。そしてR238に10:10入る。ここから宗谷岬まで27kmだ。ひたすら滑りにくいタイルの歩道を滑って行く。結構足にくる。

 空港まで5km、宗谷岬まで24kmの看板に10:34。そして10:48声問のセイコーマートで留守伝を聞く。稚内空港を11:18通り過ぎる。少し雨が降り出してきた。しばらく滑っていると本降りになってきた。宗谷岬まで16kmの看板のところで後ろを振り返ると、利尻富士が見えた。川尻の集落の民宿あるめりあに12:00着。そして少し走って12:16GPSで現在地を調べる。セイコーマートで12:40昼食にする。ブーツ、パッドを脱ぎ、店の前に荷物と一緒に置き、乾かす。店でスパゲッティを買って店の前で食べる。出発する前に親子連れに話しかけられ、中学生くらいの子供はレールの上に飛び乗ってインラインのストリートみたいなことをやっており、聞いてみるとやはりストリートをやっているとのことだ。

 宗谷の集落に13:47、大岬8kmの看板に13:56、オンコロマナイ橋に14:05それぞれ着。ここで写真を撮っていると前の方で止まっていたベンツのオープンカーがバックしてきてそばに止まり、色々話しかけられた。一見、怖そうなカップルだったが話してみるとそうでもなかった。

 宗谷岬まであと3kmの所くらいから歩道が無くなり、海側をゆっくりと滑って行く。間宮林蔵出港の地に14:27着。ここらからあこがれの真の日本最北端の地、弁天島が見えてくる。しかし観光客がここにもバスで乗り付けてきているが、実際の所、弁天島を気にかけている人はいないようだ。観光協会も弁天島を表に出したら宗谷岬が最北端では無くなるのでそのことを恐れて表に出さないのだろう。実際、6年前に初めて宗谷岬に来たときには私も弁天島のことを知らず、ほとんど気にもかけずに「最北端に来たなあ」と思っていた。しかし5万図で弁天島を見たとき、一度は絶対に行かねばならないと思った。実際、観光船など出ておらず、民宿「最北の宿」で連泊したら連れていってもらえることしか情報は無い。しかしおそらく満室だろう。宗谷漁港で漁船をチャーターしようと思ったが、人はおらず、いつの日か島に上陸することを心に誓い港を後にする。

 そして14:33やっと宗谷岬の建物が見えてきた。しばらく走ると山側に歩道が見えてきた。島の写真を数枚撮ってから歩道へ渡る。しかしもう一つの島である平島は本当に平べったい。今にも沈みそうだ。歩道に乗り上げ、駐車している車をよけつつ、やっとゴール地点の宗谷岬に15:10着。人はやはり多い。さすが通称日本最北端。しかし実際は違うぞ。なぜか歌はかかっていなかった。うっすらとサハリンの島影も見える。記念碑には写真待ちの行列ができている。インラインをはいたままでちょっと恥ずかしい気もするが、とりあえず私も荷物を下に置いて記念碑に上り、写真を撮ってもらう。そういえば、2年前にここで撮った写真の年賀状がサイクルスポーツ誌に載ったこともあった。もしもうまいこと撮れていたら年賀状の写真にでもしようと思う。それから柏屋の前でブーツ、プロテクターを脱いで、サンダルに履き替える。間宮林蔵の像では、変な写真を撮っている人もいる。たぶん疾駆北駆に投稿するのだろう。柏屋で旗、到達証明書を買う。記念碑の北側へ行き、GPSを見ると、45度31分12秒を指している。本当は14秒だが、あまり気にすることはないだろう。

 最北端のバス停に行ってみると人はおらず、少し寂しい気もするがここで書き物をする。前来たときには旅人が結構いたのに。しかし観光バスまでやってくるとは、さすが最北端の地、しかし北海道三大がっかりの地でもある。さて、今日はどこに泊まろうか、ライダーハウス、いいのかわからないが芝生でテント、それともバス停?とりあえず、明日は大岬郵便局で100円貯金をしようと思う。しばらく歩いているとバックパッカーがいたので話をすると、ヒッチハイクだ。聞いてみると中学生だ。そのうちもう一人バックパッカーに会う。彼はJRと徒歩でキャンプをしている。いつもはライダーだそうだ。3人で流氷館に行く。半袖、半パンでは寒い。それから外に出て、ここの芝生で3人でテントを張ることに決める。

 暗くなりかけてからテントを張ると、やはり待ちかまえていたかのように他のライダーたちも張り出した。そしてライダーが一人こちらの方へ来て、一緒に張った。食事の用意をしようと思ったら雨になり出してきたので記念碑の裏へ行き、ここで食事をする事にした。ここなら結構雨や風を防ぐことができる。それに表からは見えない。まさに最北端食堂だ。さっそく4人で色々作る、とは言ってもレトルトがほとんどだが。私は旅が終わりなので残っていた米を全て炊いて4人で分ける。さすがに4つもバーナーがあれば色々調理できる。私はレトルトを持っていても仕方がないのでみんなで分ける。中学生バックパッカーは食料がほとんど無いので私の食料をあげる。炊いていた米は水具合が悪く、下の方は焦げてしまった。コーヒーの味がする。

 しばらくすると、ライダーが3人やってきて酒をもらう。そして色々馬鹿騒ぎをする。しかし夜は記念碑をライトアップしており、きれいだ。しかし写真を撮ろうと思ったら電池が切れてしまった。ライダーが富磯のセイコーマートに行くと言うので買ってきてもらう。なんとか電池を置いていた。それから3人で碑に上り、「日本最北端の地」の黒い石をテーブル代わりにしてビールを飲む。人が来たらのいて、来なければ飲む。碑をたたいたら中は空洞だった。初めて知った。しかしよく考えてみたら全部石だったら相当重いし、工事費も相当な物になるだろう。どうせなら扉を付けて碑の中に入ることができるようにしたらおもしろいのにと思った。12時をすぎても数人写真を撮りに来ている。私も10枚くらいライトアップされた記念碑の写真を撮る。結局寝たのは1時を回ってからだ。

 本日の走行距離 29.8km


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