95夏・北海道 初のキャンプツーリング その8
畑には入らないように
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朝5時過ぎに目が覚める。まわりの車がうるさくてよく眠れなかった。何せ札幌駅の前だ。まわりはみんな寝ているので静かに起き、荷物をまとめる。今日は本屋、アウトドアショップで買い物だ。サイクリング部の人たちも起きてきて、彼らは6:50札幌駅を出発していった。朝は結構肌寒く感じる。しかし日差しはきつい。まずは時計台へいく。時計台は休館しており、フェンスで全て囲まれており見えない。平成9年9/30まで休館だ。
次にローソンで朝食を買い、大通公園で食べる。日差しはきついが風は冷たい。次に赤れんが道庁へ行ってみる。通勤の人がやってきたのでそそくさと退散する。札幌駅に戻ってみると、江差で一緒にイカを買った人と再会、彼もここで駅寝していた。いろいろ話し、別れる。山梨のスクーターの人と話をする。一緒に朝食に行く。刺身定食をおごってもらう。色々話を聞くと、北海道がもう30回位来ており、その他日本中を旅されたそうだ。トカラ列島も旅されており、トカラに行ったことがある人に初めて出会った。その他色々な所の話を聞く。しかし、本当に旅人の体験談はためになる話だ。彼の話によると、今年の北海道ではロバを連れて旅している人がいるらしい。一度会ってみたいものだ。
彼とも別れ、シックホックを買うべく紀ノ国屋に行く。どうやら旅行関係はオーロラタウンの方にあるらしく、そちらの方へ行ってみる。しかしまだ入荷してない。アウトドアショップの住所をメモっている時にボールペンが間違って本に触れてしまった。しかたがないので1800円出してその本を買う。痛い出費だ。結構大きいのでじゃまになる。まあ、仕方がない。アテネ書房に行き、「とほ」を買う。その後、ICIに行こうと思い、北12西3へ行くと、まず「秀岳荘」が目に付いたので入ってみる。品揃えは豊富だ。さっそくガソリンストーブの掃除針を探す。あることはあったのだが他のパーツと一緒で1600円だ。欲しいのは掃除針だけだのに。店員さんに「荷札の細い針金で代用できますか」と聞いたら「できます」とのことだ。結局買わずに輪行の手荷物の荷札の針金で済ますことにする。そろそろEPIガスが切れそうなので250gのカートリッジを買う。
再び駅の方に南下し、駅近くの公衆電話でシックホックが入っているかを紀ノ国屋に聞くが品切れで来週になるとのことだった。結局あきらめ、駅の北口で分解、パッキング。その後旭川までの特急に乗る。12:00発スーパーホワイトアロー9号だ。天気は快晴、こういう時こそ走っておきたい。何とか自由席に座れた。電車内で「とほ」を読みながら、ふと車窓の風景を眺める。早すぎるが風を全く感じられない。電車では、たとえどんなによい風景があったとしてもそれは単に風景を見ているのであって風景を感じているのでは決してない。やはり自転車で風景を感じるのが好きだ。肩がよくなったらカヌーでツーリングをやってみたい。父島や能登島で漕いだときの風景は自転車でみる風景とは全く違うが、とても印象に残った。寿都あたりで「バイクは風景が逃げてしまう。自転車は風景が逃げてゆかない。徒歩は風景がのいてくれない。」と言うことを考えたのをふと思い出した。
旭川で乗り換える。階段の上り下りはきつい。美瑛が近づくにつれ、何かしら緊張し出してくる。旭川から2両編成の一番後ろのドアから入ってしまい、美瑛までの全ての駅で前の運転手の横のドアしか開かなかったので心配した。しかし、美瑛では全てのドアが開き、無事車外へ出ることができた。
久々の美瑛だ。3年ぶりだろうか。前回は半日くらいしかいることができなかったが今回は連泊しよう。駅の観光案内で観光マップをもらう。かしわ園キャンプ場の事について聞くと、町役場に申し込まなければならない。自転車を組み立て、まずは郵便局で100円貯金する。次に町役場へ行き、かしわ園の申し込みをする。それから美瑛の丘に行く。丘を上がる途中で、携帯食がないことに気づき引き返して色々買う。
再び丘を上り、まずはかしわ園に行き、テントを張る。長期滞在者も結構見られるようだ。荷物をテントに入れ、カメラ、アメ等だけをフロントバッグに入れ丘を巡る。やはり美瑛、期待は裏切らなかった。美瑛は日本一の風景だ。しかし観光客が多い!!観光バスまでも入ってきている。おまけに車も多い。3年前はバスなど入ってこず、また車も少なかったのに。ふと見ると、畑の中に建物が建っており、おまけに「ゆうパック」ののぼりまで出ている。3年間でだいぶ変わってしまった。そういえば、美瑛町も同じ屋根の建物が並んでいた。
しかし、立入禁止にもかかわらず畑の中に入って写真を撮っている人、また作物の麦を手にとって入る人もいる。アホか。マナーくらいわきまえろ。非日常で浮かれるのもかまわないが日常の鉛直線上にあると言うことを忘れるな!!私の旅と奴等の旅行の違いを感じとることができる。旅は苦しい事も受けるのが当たり前、しかし奴等の旅行は金を出したから楽しいことだけを受け、苦しいことなど受けないのが当然、と感じている!!金を出したら何をやってもいいのか?と行っても私も他人からどう思われているのかわからないので注意しよう。いくら観光地になったとはいえ、やはり美瑛は日本一私の好きなところだ。
フィルムが切れ、入れ替えてカメラのふたをしてもフィルムを巻き取ろうともしまくなったので故障と思い町へ戻って写真屋へ行く。するとそこで症状を説明しているうちに直ってしまった。なぜだろう?まあ、気を取り直して丘に戻る。そろそろ日も傾き始めてきた。美瑛の丘は、時間によっても刻々とその顔を変えていく。3年前の風景は良く覚えていないが、それから感じる印象は全く同じだ。今回、美瑛に来たのは、同じ風景を同じ手段で来て見ても感じ方は同じか、というのを知りたかった。本州で一番好きな妻籠は、自転車で行ったときは感動したが電車で立ち寄ったときはそれほど感動しなかった。これは交通手段の違いによるものだろう。今回は輪行で来たが同じ自転車での旅なので感動も同じだ。やはり、私は自転車しかない。そのことをもっと強く感じるべくバイクやパックツアーも経験してみたい。また、徒歩の旅も経験してみたい。苦しみが多い分、感動は大きいだろう。もしかしたら自転車よりもすばらしいかもしれない。また、スケートも同じだろう。苦しんだ分が多ければ多いほど達成したときの喜びは大きいものだ。
キャンプ場に戻る。夕焼けがきれいだ。食事を作る。バーナーのノズルを掃除すると、何とか直ったようだ。今日はスパゲッティ、カップめん、トムヤムクンスープだ。しかしレギュラーガソリンはすぐにノズルがつまってしまう。今度からはガスストーブにしようか。プリムスのチタンバーナーは軽いのでそれにしようか。
隣の自転車に話しかける。豊田から来てMTBでのツーリングだ。自転車はまだ浅いがキャンプは結構されているそうだ。ランタンのガスが切れるまで話す。
テントに入って書き物をしていると強烈に眠くなってきた。そして寝る。
本日の走行距離 39.9km