95年GW 日本海ツーリング その6
舳倉島灯台に登って
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朝、5時頃目が覚める。トイレの後寒い(12度)ので再びシュラフに潜り込む。5:40頃再び起きる。6:00頃からラジオを聞きながら食事、手紙を書く。クロスバイクと一緒に再び朝食にする。フリーズドライをガスで調理してもらったり、コーヒーを沸かしてもらったりする。絶対ガスが欲しい。ふと海を見ると、七つ島がきれいに見える。テントを撤収し写真撮影、住所交換する。その後私は朝市を見学する。人が多い。3年前は来なかった。ここで甘エビを売っていたので実家に送る。やはり安い。そして一匹試食させてもらう。うまい。東尋坊で食べたものと同じだ。輪島港までの道を尋ねると、おじいさんも近くまで行くとのことで途中まで話をしながら自転車を押す。
輪島港で島までの往復の切符を買う。港にそれらしい船があったのでそちらの方へ行くと、「お客さん、そこじゃないですよ」と係の人に言われ、乗る船の方に案内してもらう。船で自転車の料金を払う。船自体は110人ほど乗れる。まあ、小さな船だ。今まで色々な有人島に行ったが、おそらくこれまで行った中で一番小さい島だろう。船の中を見ていると、舳倉島灯台の頂部まで33mあり、石川県内で一番高い灯台だそうだ。おまけに灯台見学をさせてもらえるらしい。あとで行ってみるとするか。へぐら航路で聞いたところによると、舳倉島のスタンプは灯台にしか無いそうだ。デッキに出てみると自転車、その他の荷物にはシートがかぶせられている。乗務員に「航行中外に出てもよいか」と聞くと、「気をつけて下さい」とのことだ。七ツ島が見えたら出てみよう。ふと、カメラの残りのフィルムを見ると、20枚を割った。おそらく島では売っていないだろう。
8:40定刻通りに輪島港を出港。船室にいてもおもしろくないのでデッキに出て七ツ島を見る。デッキにはあと2人女の人がいた。みると、七ツ島にも木が生えている。9:20ごろ七ツ島のそばを通る。結構大きな島だ。おまけに灯台まである。しかし人は住めそうにない。七ツ島を通り過ぎても舳倉島は見えてこない。デッキは結構寒いので船室に戻り寝る。放送がかかり、起きてみるともうすぐ舳倉島だ。結局海から舳倉島が近づいてくるのは見えなかった。帰りに遠ざかる島を見よう。
10:20定刻通りに着岸。いよいよ未踏の地、舳倉島だ。島で唯一と思われる公衆電話(カード式だった)があったので実家に甘エビの件ならびに現在地を連絡する。次に10:35灯台に行ってみる。白くてきれいだ。まずは島を左回りに一周してみる。売店があったのでパンを買う。また店のおばさんと話す。すると、春と秋は鳥を見に来る人が、夏は釣りの人がよく来るそうだ。冬になると5世帯くらいしか島に残らないそうだ。また、島には売店が3件しかない。海岸線を走り、しばらくしたら出発地点に戻ってしまった。じっとしても仕方がないので再び左回りに島を一周する。
11:36別の売店でパン、ジュースを買い、小学校の校庭で昼食にする。しかし本当に鳥の人が多い。次にお待ちかね?の灯台見学だ。11:55〜12:09。係の人に頼み、灯台の鍵を開けてもらう。そして舳倉島のスタンプを日本地図、2.5万図に押す。125段の螺旋階段を上り、灯台の外に出てみると島全体が見渡せる。なんと小さい島なのだろう。しかし今日は晴れていて能登半島が見えない。まるで絶海の孤島だ。案内の人に南鳥島の話を聞く。どうも一級小型船舶免許をとっても民間人は行けないようだ。しかし絶対に足跡を残したい!!必ず夢は叶えてみせる!!
しかし、本当に島じゅう至る所に鳥の人がいる。「ヤマショウビン」という珍しい鳥がいたらしく、みんな同じ方向に大きなレンズを抱えて歩いてゆく。与那国島や飛島で舳倉島のことは聞いてきたが、これほどまでに鳥の人が多いとは。おそらく島外のほとんどの人が鳥の人じゃないのだろうか。彼らが珍しい鳥を見ることは、私が色々な所を走ったり、色々な島を制覇するのと共通点がある。
港の近くにポストがあり、そこから手紙を出そうとしたが収集が6/1〜9/30だ。また、島には信号、個人の車、個人のバイクというものが全く無い。信号が無い島は珍しい。たいていは教育用にあると思うのだが。その代わりにおばあさんの三輪車は大変多い。坂が無いので楽だろう。
その後、今度は右回りに一周する。今度は少し坂があるように思われた。すぐに終わったので今度もまた右回りに一周する。今度は全く止まらずに一周できた。距離は3.37kmだった。港に着くと、観光客らしい人がいたので「鳥の人じゃ無いですよね」と話しかける。JRであちこちまわって、島も結構好きだそうだ。そろそろ乗船手続きの時間が来たので自転車を預ける。船室に行き、しばらく観光客と話す。結構人が乗っている。やはり今日が帰りのピークだ。と言ってもまだ座れるスペースがある。船室にいてもおもしろくないので2人でデッキに上がって写真を取る。しかし今度は大変揺れる。おまけに波しぶきをもろにかぶってしまう。仕方なく船室へ戻るが揺れまくって気分が悪い。
窓から外を見ると波をかぶりまくっている。これだけ揺れた船は初めてだ。今まで揺れた船と言えば冬のおがさわら丸、波照間、竹富への船、手売、焼尻への船などがあったがおそらくはそれ以上の揺れだろう。仕方なく横になって寝る。半分寝たような状態で輪島港に着く。彼に別れを告げ、朝市の場所に行ってみるがやはりひっそりとしていた。しかしまだ気分が悪い。スーパーで食パン、ハチミツなどの食料を調達する。途中の寺で夕市をやっていたのでのぞくと、どうやら朝市の残り物のようだ。
キャンプ場に戻ると、カップルのMTBがいたので挨拶し、隣にテントを張る。昨日テントを張ったところに行ってみると、4サイドのランドナーがいたので話しかけると日本一周中だ。東京をスタートし、沖縄に行って、これから北海道をめざしているそうだ。私のテントの場所を教えると、近くに来た。再び買い物をする。フィルムと空揚げを買う。キャンプ場に戻ると夕日がきれいだ。そのうちに隣のテントの人が戻ってきたので話をする。福島のオートキャンプのカップルだ。男の人は昔ヒッチハイクをやって、旅人と話をするのが久々でうれしそうだ。ビールを進められたのでいただく。この旅で初めての酒だ。また、ランドナーがやってきたので挨拶する。埼玉の人で輪行して3泊4日だそうだ。そのうち、4人で話し出す。夕日の写真を撮り、他の3人は自炊だ。そのうちまたビールをもらい、カップ焼きそばまでもらう。そのうち、コンロで牛タンを焼きだしたのでいただく。写真撮影し、一時テントに入るがカップルのコーヒーの差し入れをもらい、外を見るとランドナーが飲んでいたので色々一緒に話しながら飲む。22:30頃テントに入り寝る。ランドナーの卒業旅行のパタゴニアの話はとても印象的だった。しかし次の夏の北海道の前に絶対にガスを手に入れたい!!!
本日の走行距離 18.8km