95年GW 日本海ツーリング その5
やっと日本縦断完成!!
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今日も朝6時頃目が覚める。テント内の気温は12度だ。寒い。まだだれも起きていないようだ。外を見ると曇りだ。所々雲が切れている。海岸へ行ってみると、サーファーが波乗りをやっていた。朝早くから元気だ。しかし、波が小さいせいかなかなかうまく波に乗れないようだ。
今日はついに東尋坊で日本縦断の完成だ。天気は少なくとも午前中は持つとのことだ。あと10数キロで7年がかりで日本縦断が完成できるのだ。89年秋の九州北部一周、いや、その前の山口県西部一周から始め、自転車旅行にはまり、日本中をあちこち走り、知らないうちに日本縦断まであとわずかとなってしまった。いつの頃からか自力での日本一周が自分の夢となり、その半分が現実のものとなるのだ。それから日本の有人島全てに自分の足跡、できることなら轍を残したい。
しかし、こういうキャンプ場は人が多く、全て自分のペースで行かないのはまあ仕方がない。テントをたたみ、MTBと一緒に写真撮影のあと8:35キャンプ場を出発。少しアップダウンを越え、国道305号線を北上、MTBの後に着く。九頭竜川の橋を越えたところで9:13MTBと別れる。そしてついに9:25東尋坊着。駐車場の入り口で一瞬迷ったが何とか無事日本縦断を完成!!
東尋坊は3年ぶりだ。そういえば本州縦断の皮切りとなった3年前のスタートもここ東尋坊だった。人混みの中、出店を見物しながら自転車を押す。東尋坊への下りの階段を自転車をかつぎ、看板の前で写真撮影。土産物屋で絵はがきを買う。しかし切手は売ってなかった。ついでにホタテの串焼きを買う。うまい、だか串を捨てるところが見つからない。再び人混みの中を串を持ちながら自転車を押す。大変危ない。駐車場に着くと、バイクが数台並んでおり、そこの近くに立てかける。売店で串を捨ててもらい、再び出店を見物する。今度は自転車を押していないので大変楽だ。日本縦断を完成したのに結構冷静でいられる。真の感動は日本一周完成まで取っておこう。東尋坊の奇岩を見物し、断崖に座り、注意深く住所録を取り出し、今まで住所交換した200人以上の旅人のこと、そしてこれまでの旅の事を思い出す。みんなあれからどうしているのだろうか?稚内から与那国、波照間、小笠原までで会った人は、住所交換する前に会った人たちはいったい今どうしているのだろうか?30分くらい岩に座り、波しぶきを眺めている。これまでの旅の思い出に浸り、そしてこれからの旅に思いを寄せて。
再び店をぶらつく。魚屋みたいなところで甘えびが一皿500円で打っている。聞けば刺身用でこのまま食べられる。小振りの車エビほどはありそうだ。小樽で食べたボタンエビを少し小さくした位だ。見た感じ15〜20ひきはありそうだ。おばさんが食べ方を教えてくれ、さっそく買う。しかしこれだけ500円はあまりにも安すぎる。自転車を立てかけた駐車場に戻ると、車が入っており、私の自転車は別の所に立てかけられていた。近くにいたライダーのグループに挨拶したが返事もない。まるでパック旅行のツアー客だ。彼らを無視して昼食にする。今日の甘エビを主食に、そして今朝の残りのパンをおかずにする。道端に座り、水を飲み昼食にする。甘エビは大変うまい。結構身もあり、メスの卵もうまい。もしも一心太助で食べたらおそらく2000円は下らないだろう。そういえば、3年前はタワーでカニ定食1500円か何かを食べた。その時も結構カニが多くて驚いたが今回はそれ以上の驚きだ。また、今回はメチャ安、メチャうまだ。
11:45出発。次は前回行ってない雄島だ。雄島までの橋を渡っていると、おじさんに「タイヤ細いね」と言われる。まあ、いつものことだ。自転車を倒して11:54島一周スタート。反時計回りに歩く。多くの人は時計回りに歩いているようだ。途中で東尋坊のような岩があったり、弓(自由にやってよい)があったり、おそらくは野生のニワトリがいたりした。ここから東尋坊が見えるのだが、あのスケールは遠すぎてわからない。結局12:13島一周終了。いったいいままで幾つの島を歩いたのだろうか。おそらくまだ30までいってないが。
最初、福井駅まで戻ろうかと思ったが芦原温泉駅の方が近いので芦原温泉駅めざして再び走り出す。水族館を越えたら急に反対側車線の車が渋滞して、全く動かない状態だ。こちら側の車線も道は狭く、車が私を追い抜きにくそうだ。13:01コンビニでパン、ジュースを買い2度目の昼食。どちらも結構うまかった。13:15呉服屋で「切手あり」とあったのでさっそく50円切手を購入。助かった。13:18芦原温泉駅着。駅前で自転車を分解、パッキング。13:46全て終了。自分でテント、マットを背負うと輪行袋が軽く、移動しやすい。ひとつ賢くなった。しかし分解の途中でプラスチックのエンドにはさむパーツが折れてしまった。仕方がない。
この調子だと、今日能登島へ行くと輪島のキャンプ場には夜遅く鳴ってしまうので急遽予定を変更して先に舳倉島へ渡ることにする。そう言うわけで輪島までの乗車券と金沢までの特急券を購入。へぐら航路へ電話を入れると、明日の島行きの便はすきそうだ。しかし帰りは明日がピークだが自転車は積めるそうだ。
14:08発の雷鳥の自由席はガラガラだ。福井まで戻らなくてよかった。次の停車駅で4席分空いたのでそちらへ移る。足が伸ばせて楽になった。金沢駅着。最初、和倉温泉行きのサンダーバードに乗ろうと思い特急券を買ったが急行の輪島行きの方が乗り換えなしなのでいいことに気づき、結局急行券に買い直す。まあ、サンダーバードは帰りにでも乗ってみるとしよう。金沢駅構内では、放送の合図に琴の音がしていたのはさすが加賀百万国。しかし音が結構大きい。切手も手に入ったのでさっそく手紙を書く。少し離れた4番ホームから急行は出発する。駅員さんに「輪島までどちらのドアが開くか」と聞き、閉じている方のドアに自転車を置く。途中で、前の車両が輪島、後ろの車両が蛸島までと分離されるのに気づき、急いで自転車を前の車両のデッキに移しかえる。結局、喫煙できる車両に座ってしまった。禁煙車を見ると、結構人が乗っており、座れそうにない。まあ、仕方がない。これも何かの試練と思おう。
車窓から景色を眺める。しかしタバコが臭い。七尾駅には3年前来た。その時は七尾のビジネスホテルに泊まった。確か雨の中七尾から富山のYHまで走った。今回はキャンプで全く金がかからない。おまけにその土地の名物も食べてないのでほとんど金がかからない。右手に国道160号線が見える。3年前に走ったはずだが覚えていない。和倉温泉駅ではサンダーバードが止まっている。帰りに乗ろう。
穴水駅で3分停車。そのすきに幕の内弁当とお茶を買う。店員さんに「輪島駅前にスーパーがあるか?」と聞くと「この電車でも間に合う」とのことだ。ラッキーだ。前に来たときは輪島塗の会館だけ見てあとは通り過ぎただけで能登の田舎という印象しかなかった。穴水をすぎると車掌さんが切符の回収に来た。駅には駅員さんがいないとのことだ。
輪島駅に着く。10分くらいで組み立て、テント、マットをくくりつけたままのザックをそのまま背負い、キャンプ場めざして走る。途中の店でパンを買い、電池を自動販売機で買う。小雨がパラついてきたので急いで袖ヶ浜キャンプ場へ向かう。19:00頃キャンプ場着。テントが多い。また昨日みたいなのか?おそらくホテルからの照明だろうか、結構明るいのでテントが楽に張れる。テントを張り、荷物を入れた後、外に出てみるとランドナーのカップルがいたので話しかける。車にランドナーを積んできたそうだ。波照間島にも3月に行ったことがあるそうで結構話が弾む。テントに戻ろうとすると、ビアンキのクロスバイクの人が顔を出したので挨拶をする。金沢から来ているそうで今日から走り始めるとのことだ。彼の提案でひさしの付いた所に移動する。まずは自転車をかついで持っていく。柵を越えたり大変だったが何とか持っていく。次に荷物、そしてテントをそのまま持っていく。下はコンクリート、上は屋根付きで雨がしのげそうだ。まあ、砂の方は人がたくさんいてうるさくてかなわないのでこちらの方がいいだろう。撤収もしやすそうだ。2人で飲み始める。色々旅の話をしているうちに隣のテントのライダー4人が帰ってきて一緒に飲む。途中、もう一つのテントの親父が「うるさい」と怒ってきたので静かに話す。一緒に飲めばいいのに、と思う。22:00頃終了。そして寝る。明日は舳倉島だ。晴れて欲しい。しかしガスがほしい。夏の北海道までには絶対買おう。
本日の走行距離 33.2km