意味なし特別編2
「謎の人型兵器『ミハルギア』に関する報告」
近年、日本のきらめき市に謎の人型兵器が出現したという情報を入手。
しかし、その兵器の存在については、日本国内で最も優秀であるといわれる情報機関「SAOTOME」においても、確認されていなかったため、我々FOX HOUND 情報部は、日系人であるマクドネル・ミラー(サバイバル教官)を調査員として日本へ派遣した。
調査中、偶然にも「ミハルギア」の被害者の一人、くすひろし(仮名・性別:男)氏とコンタクトを取ることができたが、彼は人格が崩壊していたため、全容をつかむことは不可能であった。
被害者からの聞き取り調査の結果・推測される開発者・今後の対応策について下記のとおり報告する。
なお、この兵器のコードネーム「ミハルギア」については、被害者の言葉「ミハルちゃ〜ん」から命名した。
○被害者からの聞き取り調査結果
被害者の証言から推測すると、外見は一般的な女子高生と見分けが付かないものと思われる。
1998年2月28日、きらめき市の海岸に出現した2体のロボットとは大きさが違うので、別の兵器と推測されるが、関係は不明。
被害者の人格が崩壊しているためと思われるが、証言の途中で「みはりんかわいい〜」という意味不明の発言を連発していたことを特記しておく。
「ミハルギア」の武装(攻撃方法)については、4種類ある。しかし、直接的に目標を破壊するといったものではなく、精神的ダメージを与えるものばかりである。
(1)体当り
「私立きらめき高校」校舎内の廊下でぶつかってくる直接的攻撃。
肉体的ダメージは全く受けないが、何回か攻撃を受けると、投げやりな態度をとるようになってしまう。
(2)間違い留守電攻撃
目標の家の留守番電話に、意味不明のメッセージを吹き込む、情報撹乱を狙った攻撃。
普段は女性の声によるメッセージだが、97年7月に一度だけ「留」と名乗り男性の声でメッセージを吹き込んだこともあるらしい。
(3)人違い攻撃
女の子と待ち合わせをしている被害者に、いきなり声をかけ、「人違いでした」と言って去る。(2)と同様、情報撹乱が目的と思われる。
(4)222(仮称)
「ミハルギア」の武装(攻撃方法)では最強と思われるが、詳細は不明。
被害者がこの攻撃の話になると、「オイラは『222』で壊されちゃったよ〜ん」、「ミハルちゃ〜ん」、「師匠のM山君(←人名らしいが不明)まだ見てないんだってぇ」、「あれはマジで泣けるっスよ」、「み、み、ミハル姉さん!!」と錯乱状態に陥るところから察するに、彼はこの攻撃を受け、現在のような人格崩壊者になってしまったものと思われる。
また、別ルートで入手した情報によると、この攻撃で人格崩壊者になった被害者は、かなりの数に及ぶらしい。
ちょっぴりマッドな美少女科学者(笑)
元「私立きらめき高校」科学部員。現在は某一流企業勤務。
・すぐれた頭脳と科学力を持ち、世界征服を企んでいた
・「私立きらめき高校」での「ミハルギア」出現回数の多さ
・彼女の「私立きらめき高校」在学期間(1995年4月〜1998年3月)と「ミハルギア」の出現時期(1995年4月ごろ〜1998年2月ごろ)とが重なっている
以上の点から、開発者の推測に彼女の名も挙がる。
しかし、「SAOTOME」からの情報によると、彼女は破壊的なものを好むらしく、精神的ダメージを与える武装(攻撃方法)のみ装備している「ミハルギア」を開発するとは考えらない。
また、彼女の開発したロボットのデザインは、もっとメカっぽいとの情報もあり、結局、彼女が開発者であるという可能性もなくなった。
彼女については、前述の海岸に出現した2体のロボットとの関係を調査すべきである。
惑星シリウス6の連合軍が対NEB社用に開発した、「スクリーマーズ」が進化した「タイプ5」という説も挙がるが、あれは西暦2078年のお話しだし、だいたい「スクリーマーズ」を観た人がどれくらいいるのか不安なので、この説については早々に切り上げることとする。
日本有数の財閥。
家長は「私立きらめき高校」の理事長もしており、その孫伊集院レイも、紐緒結奈と同様に1995年4月〜1998年3月まで同校に在学していた。
伊集院家は私設軍隊を所有しており、その財力をもってすれば、軍備の一部として「ミハルギア」の開発も可能と思われる。
また、性能テストのため、自ら経営する「私立きらめき高校」に一般生徒として潜り込ませたと仮定すれば、「ミハルギア」の外見が一般的な女子高生と見分けが付かない点、並びに「私立きらめき高校」での出現回数の多さについても十分説明がつく。
○今後の対応策
今回の調査で「ミハルギア」について判明した部分は、ごく一部であり、「いつ」、「誰が」、「何のために」開発したのかは依然謎に包まれたままである。
最後の目撃から、すでに数ヵ月経過しており、このまま放置しておけば、世界を恐怖のどん底に落とす「第2のメタルギア」となる可能性が高く、調査の継続、特に「私立きらめき高校」及び「伊集院家」についての重点的な調査が必要であると思われる。
調査を進める途中で戦闘が起こる可能性も否定できないため、人員をきらめき市に派遣する場合は、単なる調査員ではなく、正規隊員の派遣が望ましい。
「ミハルギア」の攻撃力は高く、「SOLID SNAKE」(「OPERATION INTRUDE N312」任務完了後引退)や「GREY FOX」(現在消息不明)の様な優秀な隊員を派遣することを提言する。
「謎の人型兵器『ミハルギア』に関する報告:続報」
先の1998年○月×日付指令に基づき、「FOX HOUND」隊員「KILLER KOALA」をきらめき市へ潜入させたが、1998年12月25日、「伊集院家は『ミハルギア』とは無関係。俺はソトイのアニキ一筋に生きていく」との報告を最後に消息を絶つ。
新たなる人員を選出する必要有り。
※各製品の名称等は、各社の登録商標または商標です。