意味なし特別編2


発−「FOX HOUND」情報部
宛−ロイ・キャンベル「FOX HOUND」作戦総司令官
提出日−1998年X月Y日
分類−他見無用

「謎の人型兵器『ミハルギア』に関する報告」

 近年、日本のきらめき市に謎の人型兵器が出現したという情報を入手。
 しかし、その兵器の存在については、日本国内で最も優秀であるといわれる情報機関「SAOTOME」においても、確認されていなかったため、我々FOX HOUND 情報部は、日系人であるマクドネル・ミラー(サバイバル教官)を調査員として日本へ派遣した。
 調査中、偶然にも「ミハルギア」の被害者の一人、くすひろし(仮名・性別:男)氏とコンタクトを取ることができたが、彼は人格が崩壊していたため、全容をつかむことは不可能であった。
 被害者からの聞き取り調査の結果・推測される開発者・今後の対応策について下記のとおり報告する。
 なお、この兵器のコードネーム「ミハルギア」については、被害者の言葉「ミハルちゃ〜ん」から命名した。

○被害者からの聞き取り調査結果

  1. 出現時期並びに出現場所
     出現時期は、1995年4月ごろ〜1998年2月ごろまで
     出現したのは、きらめき市にある「私立きらめき高校」校舎内の廊下が最多。体育祭では、2体同時に出現との噂もある。
     「私立きらめき高校」以外に、きらめき市内各所(きらめき中央公園、ショッピング街、遊園地、映画館、海 等)にも出現。特に遊園地には、日曜祝日には必ず出現しているとの噂もある。
     被害者の証言「『宝石箱』(←意味不明)見たら、他のところでも会えるみたいなんだけど、オイラは会ったことがねぇんだよぉ。」

  2. 全長・全高・全幅・重量…不明
     被害者の証言から推測すると、外見は一般的な女子高生と見分けが付かないものと思われる。
     1998年2月28日、きらめき市の海岸に出現した2体のロボットとは大きさが違うので、別の兵器と推測されるが、関係は不明。
     被害者の人格が崩壊しているためと思われるが、証言の途中で「みはりんかわいい〜」という意味不明の発言を連発していたことを特記しておく。

  3. 武装(攻撃方法)
     「ミハルギア」の武装(攻撃方法)については、4種類ある。しかし、直接的に目標を破壊するといったものではなく、精神的ダメージを与えるものばかりである。
    (1)体当り
     「私立きらめき高校」校舎内の廊下でぶつかってくる直接的攻撃。
     肉体的ダメージは全く受けないが、何回か攻撃を受けると、投げやりな態度をとるようになってしまう。
    (2)間違い留守電攻撃
     目標の家の留守番電話に、意味不明のメッセージを吹き込む、情報撹乱を狙った攻撃。
     普段は女性の声によるメッセージだが、97年7月に一度だけ「留」と名乗り男性の声でメッセージを吹き込んだこともあるらしい。
    (3)人違い攻撃
     女の子と待ち合わせをしている被害者に、いきなり声をかけ、「人違いでした」と言って去る。(2)と同様、情報撹乱が目的と思われる。
    (4)222(仮称)
     「ミハルギア」の武装(攻撃方法)では最強と思われるが、詳細は不明。
     被害者がこの攻撃の話になると、「オイラは『222』で壊されちゃったよ〜ん」、「ミハルちゃ〜ん」、「師匠のM山君(←人名らしいが不明)まだ見てないんだってぇ」、「あれはマジで泣けるっスよ」、「み、み、ミハル姉さん!!」と錯乱状態に陥るところから察するに、彼はこの攻撃を受け、現在のような人格崩壊者になってしまったものと思われる。
     また、別ルートで入手した情報によると、この攻撃で人格崩壊者になった被害者は、かなりの数に及ぶらしい。
○推測された開発者
 被害者からの聞き取り調査の結果から分析すると、「ミハルギア」は、外見は通常の人間と変わらない、非常に高性能な兵器と思われる。
 このような兵器を開発するのが可能な人物又は組織については、次の4者が候補に挙がったが、いずれも決め手に欠けるところがあり、開発者を特定するには至っていない。
  1. ペトロヴィッチ・マッドナー博士
     東側の科学者で、ロボットロジーの専門家。核搭載重歩行戦車「メタルギア」の開発者。
     1995年、武装要塞国「OUTER HEAVN」から、FOX HOUND隊員(当時)「SOLID SNAKE」により救出(別添「OPERATION INTRUDE N312」報告書参照)された後は、○○○○(ネタバレ防止規定により削除。以下「削除」)の○○○○○○○○○○(削除)で、○○○○○○○○(削除)について研究中。
     その研究内容から「ミハルギア」も彼の開発であると思われたが、潜入中のアメリカ情報員○○○○○○○(削除)からの、○○○○(削除)が実用段階に到達していないという報告により、その可能性はゼロに等しくなった。

  2. 紐緒 結奈
     ちょっぴりマッドな美少女科学者(笑)
     元「私立きらめき高校」科学部員。現在は某一流企業勤務。
    ・すぐれた頭脳と科学力を持ち、世界征服を企んでいた
    ・「私立きらめき高校」での「ミハルギア」出現回数の多さ
    ・彼女の「私立きらめき高校」在学期間(1995年4月〜1998年3月)と「ミハルギア」の出現時期(1995年4月ごろ〜1998年2月ごろ)とが重なっている
    以上の点から、開発者の推測に彼女の名も挙がる。
     しかし、「SAOTOME」からの情報によると、彼女は破壊的なものを好むらしく、精神的ダメージを与える武装(攻撃方法)のみ装備している「ミハルギア」を開発するとは考えらない。
     また、彼女の開発したロボットのデザインは、もっとメカっぽいとの情報もあり、結局、彼女が開発者であるという可能性もなくなった。
     彼女については、前述の海岸に出現した2体のロボットとの関係を調査すべきである。

  3. 連合軍
     惑星シリウス6の連合軍が対NEB社用に開発した、「スクリーマーズ」が進化した「タイプ5」という説も挙がるが、あれは西暦2078年のお話しだし、だいたい「スクリーマーズ」を観た人がどれくらいいるのか不安なので、この説については早々に切り上げることとする。

  4. 伊集院家
     日本有数の財閥。
     家長は「私立きらめき高校」の理事長もしており、その孫伊集院レイも、紐緒結奈と同様に1995年4月〜1998年3月まで同校に在学していた。
     伊集院家は私設軍隊を所有しており、その財力をもってすれば、軍備の一部として「ミハルギア」の開発も可能と思われる。
     また、性能テストのため、自ら経営する「私立きらめき高校」に一般生徒として潜り込ませたと仮定すれば、「ミハルギア」の外見が一般的な女子高生と見分けが付かない点、並びに「私立きらめき高校」での出現回数の多さについても十分説明がつく。
 現時点では、伊集院家開発説を最も有力な説と判断する。

○今後の対応策
 今回の調査で「ミハルギア」について判明した部分は、ごく一部であり、「いつ」、「誰が」、「何のために」開発したのかは依然謎に包まれたままである。
 最後の目撃から、すでに数ヵ月経過しており、このまま放置しておけば、世界を恐怖のどん底に落とす「第2のメタルギア」となる可能性が高く、調査の継続、特に「私立きらめき高校」及び「伊集院家」についての重点的な調査が必要であると思われる。
 調査を進める途中で戦闘が起こる可能性も否定できないため、人員をきらめき市に派遣する場合は、単なる調査員ではなく、正規隊員の派遣が望ましい。
 「ミハルギア」の攻撃力は高く、「SOLID SNAKE」(「OPERATION INTRUDE N312」任務完了後引退)や「GREY FOX」(現在消息不明)の様な優秀な隊員を派遣することを提言する。


発−「FOX HOUND」情報部
宛−ロイ・キャンベル「FOX HOUND」作戦総司令官
提出日−1998年A月B日
分類−他見無用

「謎の人型兵器『ミハルギア』に関する報告:続報」

 先の1998年○月×日付指令に基づき、「FOX HOUND」隊員「KILLER KOALA」をきらめき市へ潜入させたが、1998年12月25日、「伊集院家は『ミハルギア』とは無関係。俺はソトイのアニキ一筋に生きていく」との報告を最後に消息を絶つ。
 新たなる人員を選出する必要有り。


ジョナサン「メリル、その紙は何なんだい?」
メリル  「昔『FOX HOUND』の倉庫で見付けた、報告書の切れ端よ・・・」
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