紀伊半島一周自転車旅行 その9

二見浦の夫婦岩

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 朝7時ごろ起きる。相変わらず風は強い。今朝はテントの中の荷物がないせいか広々としている。とりあえず自転車を停めているところに生き、昨日買っておいたパンで朝食にする。その後テントをたたむ。テントの撤収は風が強いので大変だ。荷物をまとめ、みんなに挨拶する。その後出発する。

 しかし今日は風が強い。公園から出ようとしたら外国の女性のMTBキャンパーが数人走っていた。しばらく一緒に走る。どうやら神戸、大阪から来ているそうだ。彼女らは鳥羽駅から輪講して帰るそうだ。とりあえず別れて私はひたすらこの向かい風の中を走ってゆく。まずは小学生以来の二見浦の夫婦岩を見に行く。R167の二見浦の直前に海側に歩行者、自転車用のトンネルがあったのでそちらの方へ入ってゆく。トンネルを抜けてから自転車を立てかけ、岩を見に行く。20年ぶりの印象は「小さくなった」だ。やはり私が大きくなったからだろう。昔の印象は山のように大きかったが。しかし観光地だからだろうか、人がやたらと多い。写真を数枚撮る。また風のせいか波が高く、しぶきがかかってくる。

 その後、食堂があったので食事にする。看板には「名物伊勢うどん」とあり、ガイドブックにも載っているのでこれを注文する。しばらくしてから伊勢うどんがやって来た。ガイドブックの通り、つゆが全くかかっていないように見える。また、麺はやたらに太い。しかしつゆは下の方に大変濃いものが溜まっている。味もまた濃い。食べてみるとこれがまたうまい。

 食後、二見浦の記念スタンプを探すが、結局どこにもなかった。仕方なく出発する。途中のJR二見浦駅で聞いてみると、スタンプがあったのでさっそく日本地図に押す。これで一体スタンプは幾つになったのだろうか?

 R167からR23へ入ると、向かい風がものすごくなって来た。おそらく10m/s近くはあるだろう。こんな向かい風の中、今日は一体どこまで走ることができるのだろうか?大変心配になってくる。はっきり言って全く進まない。嫌気がさしてくる。ペースは半分、疲労は2倍だ。こんな風は宗谷から稚内、竜飛、萩以来、いやそれ以上だろう。行部でバンダナが飛ばされてしまう。仕方なくバンダナを追いかけて来た道を引き返すがなかなか追いつくことができない。時速30kmは出ているのに風が止まって感じられる。300m位走ったところでガードレールに引っ掛かり、何とか無事回収することができた。ここで疲れたのでしばらく休憩する。もう走る気になれない。もういやだ。風に負けたのは今までの旅の中で初めての経験だ。

 その後何とか嫌々ながらも走る。なんでこんなことをやっているのだろうか、という疑問も出てくる。松阪から津まで15kmもある。今回はもう松阪で終わりにしよう。本当に疲れた。やっぱり自転車にとって体力的に最もつらいのは向かい風だ。雨だと一度濡れたら後は一緒、上りは必ずピークの後に下りがやってくる。しかし風はいつ終わるとはわからない。そういえば、去年の輪島のキャンプ場で出会ったランドナーは、卒業旅行でパタゴニアを走ったそうだがやはりそこは風が大変だそうだ。この調子だとパタゴニアなんて夢のまた夢だ。

 そして11:56に松阪市街に入る。そして12:35何とか疲れながらも松阪駅に到着。予定通りに進まなかった。しかし島を9つも走ることができた。これで50島は越えた。さっそく駅前で自転車を分解してパッキングする。最初、JRで帰ろうと思ったが、聞いてみると近鉄の方が早く、また安いので近鉄で帰ることにする。とりあえず近鉄の特急で難波まで行き、そこから地下鉄、JRで三宮に帰ろう。駅構内でスタンプを押し、松阪牛の駅弁とお茶を買う。そして特急に乗ってみると、なんとそこは喫煙車だった。これはまいった。最初から確認しておくべきだった。たばこは苦手だ。しかし我慢する。また疲れているのでしばらく寝る。八木駅で乗り換え、難波の手前の鶴橋からJRに乗り換える。環状線は何とか乗ることができた。大阪駅では輪行袋、ザック、フロントバッグを持っての移動は、結構歩かねばならないので疲れた。それから一路三宮、そして地下鉄で西神中央に戻る。さあ、明日からは仕事だ。夏までロングはできないがそれまで小さな旅でもできたらいいが。

本日の走行距離 42.0km

トータル走行距離 682.4km



 旅の記録

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