第1幕

第1場

《目的地に向かう恒星間旅客機》
(その機内 客室)

機長

Patria号は、Terra周回軌道に到着しました
御乗船の皆様は、降下艇に移乗して下さい
Port-Luminorium到着は、定刻通り2005。5番ゲートの予定です

(惑星近影)
Attention please. Patria arrived at circular orbit around Terra...

機長

大気圏に突入します
シートに着席しアブソーバの固定を今一度確認してください

(宇宙船降下音)
《夜の東京 衛星写真》

Rolfe

3世紀ぶりだな。我々の血族が故郷に帰るのは

Eliot

ああ…




《タイトル画面》




第2場

(整備された未来都市 人々のざわめき)

Rolfe

さすがはTerraの中心都市だな。賑やかなものだ

Eliot

近傍惑星系で最も発達した星だからな
Cityだけじゃない。この星の都市環境は全て人工的に構築されたものだ
立ち入りが制限されたごく一部の保護地帯を除いて、
Terraの大部分は高度な科学技術で開発された居留区が占めている
(空を見て) 夜だというのに…


Eliot

街並みが、変わってきたな

《古い街並み やや暗い》

Rolfe

なあ、こっちでいいんだろうな?

Eliot

Cityの再開発地区の北側に旧市街地区がある
このあたりのはずなんだが

Rolfe

まるで、時代に取り残されたようだ
移民時代のフィルムと大して変わってないじゃないか
どうなっているんだ?

(街の喧騒) でも、それなりに賑やかだぜ

子供1

兄ちゃんたち、旅人だね。どこから来たの?

子供2

ねえ、このディスク買っておくれよ
Terraの観光案内だよ

Eliot

…なあ、今日は何かあるのかい?
随分人出があるようだけど

子供1

今日は、Seleneの祭りの日なんだ
ひと月に一日だけ、月が見えるんだ

Eliot

…月?

子供2

ほら、あそこ。うっすらと見えるだろ
満月の日だけ、こうやって見えるんだ

Rolfe

ひと月に一度だって?

Eliot

星が…見えないな

子供1

星? 星って何?

Ferrie

こらこら、君たち、客人を困らせてはいけないよ
さあ、行きなさい

子供ら

わーい (走り去る足音)

Ferrie

星…ですか。今ではその名を知るものも少ない
私はFerrieと言います
旅の方々、どうぞ、私どもの所まで来て下さらんか
Cityに比べるとはるかに貧しいが

(突然、怒号と叫び、罵声)

Eliot

何か、あったんですか

Credo

(人混みから出てきて) 長老、治安警官だ
やはり、エネルギーの盗用者が連行された

Ferrie

またか。番犬どもめ
(Eliotに) この若者は、Credoという者です

Credo

Credo Dantonだ

Eliot

私はEliot Swift。こちらはRolfe Gardinerです
あの、一体何が起こったんです?

Credo

"正市民"のエネルギーを不法に使用した者たちが捕らえられたのだ

Ferrie

この星は、エネルギー消費大国です
惑星全体を常に照明し続けているのも、その恩恵なのですが…

Credo

しかし、我々下層の準市民は、開発後進地域に押し込まれている
居留区拡張の申請も、保護条例の名の下に握り潰されたままだ
この人口密度で、区画毎に配給された共用電源しか与えられていない
エネルギーのほとんどが、Cityの富裕正市民に独占されている
くそっ。こんな僅かなエネルギーで、我々にどう生きろというんだ
盗用が後を絶たないのも、生きるためには限界なんだ!

Rolfe

政府は何もしないのか?

Credo

役人共は、富裕な市民しか相手にしていない
後進地域の貧民は、奴等には荷厄介なのさ
だが、俺達も黙っちゃいない
今こそ、俺達はエネルギーを手に獲ってやる
力ずくでも!

Ferrie

(小声でたしなめ) 往来で滅多な事を言うものではない
さあ、私どもの居留地へお越し下され




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