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ここで紹介しますのは、イラストレーターである僕が実際に起こした少額訴訟です。
少額の金銭トラブルを抱えてお悩みの方、弁護士費用等で訴訟を起こした方が損するのでは、とか「弁護士」「法律」「裁判」といった響きに圧倒され訴訟に二の足を踏んでいるのではないですか?
実際に僕の訴訟は金額3万5千円、口約束で物証無しの状況でしたが、弁護士も立てず納得のいく金額を取り戻す事ができました(満額ではありませんが)。
自分が正しいと思ったら諦めず少額訴訟をすべきです!
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少額訴訟について
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| 訴訟の条件 |
60万円以下の金銭の支払いを求める訴え。 |
少額訴訟の
メリット |
・弁護士不要。自分自身で訴訟の追行は十分可能。
・訴訟費用が少額。僕の場合は全てトータルして数千円でした。
・原則一日で判決が出される。 |
| 場所 |
所轄の簡易裁判所。 |
| 裁判 |
訴えを起こしてから数週間内に行われる。
裁判時間は1〜2時間程度。
終始和やかなムード。あがり症の僕でも緊張せず。 |
ここからは、訴訟、裁判までの流れを実際に僕が体験した事を例に説明いたします。
訴訟に至るまでの経緯
- 1月27日
アパレルメーカーA社社長よりTシャツ用のイラスト7枚の作成の依頼。金額は一枚5千円との提示。非常に安い金額ではあったが今までの付き合いもあり引き受ける。
- 2月4日
A社が提案したイラストを意向通りに作成し、Eメールにて納品。翌日電話にて今回のイラストについて特に問題は無いとの確認を得る。後日請求書郵送。
- 4月9日
指定の振込日に入金がなかった為、FAXにて確認する。翌週A社社長より返答書が郵送される。内容は「今回作成したイラストは1つも製版に達していないので仕事が成立していない」との理由で支払いを拒否。
A社について周りから情報を集めた所、支払拒否は常套手段で、多数の会社と金銭トラブルをおこしている事が判明。法律事務所に勤める知人に相談すると、どうしても支払わない場合は少額訴訟をすべきだと勧められる。
- 4月17日
A社社長に電話にて直談判。全く理解できない理不尽な理由を捲し立てられ決裂。この時、訴訟もあり得ると思い会話を録音。
- 4月23日
- 所轄の裁判所に少額訴訟の手続きをする。
争点
A社側の言い分は、使わなかったイラストに金は払えないとの事であったが、使ったものに関してだけ報酬が支払われるといったこちらに極めて不利な条件での約束は交わしていないし、常識的にこの様な条件の仕事を請け負う事もあり得ない。特に今回の仕事はA社側が企画、提案したものを形にするといった簡単なもので、イメージが違うのであれば通常は修正や描き直しをする事によって完成させていくものである。OKしたイラストに対して、それが不採用ならばその責任は企画・提案したA社側にある筈である。
少額訴訟手続き及び訴状等の書き方
まず、自分の事業所所在地を管轄している簡易裁判所を調べ、相談し手続きの方法を聞く。
担当者が丁寧に教えてくれました。
訴状等の書き方について 僕が書いたものを元に紹介します。
内容を書き換えればそのまま使用できます。
1.
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(右綴じ)別添6
| 訴訟物の価額 |
円 |
取扱者 |
| 貼用印紙額 |
(※1)1,000 円
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| 予納郵便切手 |
(※2)3,910 円
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| 貼用印紙 裏面添付のとおり |
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(※1) 訴状を提出するのに印紙が必要です。訴訟の金額によって印紙代はかわります。
(※2) 裁判所から自分や相手側に送付する書類の切手を購入し、提出します。決められた枚数を提出しますが、使わなかった切手は返却されます。
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少額訴訟の切手の内訳
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| 合計 |
3,910円
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ただし、当事者1名増す毎に
1,050円2組増
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500円
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7枚
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80円
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3枚
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40円
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3枚
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10円
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5枚
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2.
(※3) 指定の支払い期日が4月5日で、翌日6日から支払うまでの延滞料金を年率5%頂きますよ、みたいな事です。
3.
| 6 その他の参考事項 (※4) |
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原告は被告の提案するイラスト作成1枚につき金5,000円を支払う約束を被告と交わし、依頼を引き受けた。
原告は、被告が提案したイラストを意向通りに作成し、納品した。
原告は今回の仕事に関し翌日被告に電話連絡し、その時点で問題無しとの確認を得た。
その後の修正指示等、被告より何の連絡もなかった。
支払拒否の件に関し被告に確認したところ、今回作成したイラストはひとつも製版に達していないので、仕事が成立していないとの返答があった。
しかし、製版されたものに関してだけ報酬が支払われるという原告が極めて不利な形での約束は交わしてはいないし、常識的にこの条件で仕事を請け負う事はない。
被告の依頼通りに作成したものが不採用であるならば、その責任は被告側にあるはずである。
原告としては、平成○○年2月1日に請求書を発行したものに対し、原告が確認の連絡をいれるまで何の通達もなく不払いを通した被告の不誠実さに憤りを感じております。
是非とも裁判官の公正な判断を頂きたく本申し立てをする。
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(※4) 詳細をわかり易く描きましょう。自分の正当性をアピールします。重要です。
以上が実際に僕が提出した書類です。
提出書類はこの3枚の他、支払拒否の理由が書かれた書面、電話での会話を録音したもののメモ書き、請求書の控え、作成したイラストのコピーを提出する。
他、被告側の会社の登記簿謄本を取る。印紙代1,000円。
登記簿謄本以外の書類は全て2部づつ提出しなければなりません。
一部は裁判所、もう一部は被告側に送付されます。
被告側に書類が送付されるのは、原則1日で審理を終える少額訴訟において、当日いきなり証拠を出すと相手側に対応(の準備)ができないといった不公正をなくす為だそうです。
よって、お互い裁判の日までに全ての証拠を提出しなければなりません。
不備がなければ訴訟手続き完了です。郵送でもOK。
訴状提出に印紙代1,000円、切手3,910円分を提出。内訳は上記(少額訴訟の切手の内訳)に記載。使わなかった切手は裁判終了後に返却されます。
裁判日まで
被告側に訴訟書類が届くと、こちらの希望する裁判日と、被告側の希望する日が調整され裁判日が決定し、裁判所から連絡が入ります。
- 被告側から答弁書が届く。内容を見てビックリ。支払拒否理由が当初の「使わなかったイラストに金は払えない」から「枚数と金額が違う為、金は払えない」に変わっている。
一枚5千円で7枚の依頼ではなく、一枚3千円で5枚依頼だったと言う。いくら口約束で証拠がないとは言え、たかだか3万5千円の為にそこまでやるか!?
決定的な証拠が今まで無かったが、この矛盾点はこちらに有利に働きそうだ。
その後もお互い十分な証拠や反論を出し合う訳ですが、自分の正当性はこれで十分証明できると思い、反論せずに裁判の日を待つ。
裁判
- 6月8日、指定の時間に簡易裁判所に到着。テレビでお馴染みの法廷に入る。被告、原告は離れて着席。傍聴人はもちろんいない。
裁判官入廷。今回の事案の確認をする。
いよいよテレビの様に裁判がはじまるのか?と思ったら、お互いに確たる証拠が無い為、最初から和解する様言われる。
和解にあたってはこういった事例に明るい司法書士を仲介者として話し合う事になる。ちょっと拍子抜け。
確たる証拠が無い少額訴訟の場合、ほとんどの場合が最初から和解で解決させる様です。
- 司法書士を交え別室に移動。大きな丸テーブルのある会議室の様な部屋で司法書士に個々に言い分を述べる。その間、相手側は退室する。これを交互に和解点が見つかるまで繰り返す。
3巡目、被告側はイラスト一枚あたりの料金については折れた様だが、枚数については7枚ではなく5枚だったと譲らないらしい。証拠がないだけにどうしようもない。こちらが折れる。
最終的に、金額は満額の3万5千円から2万2千円になる。
お互いが個々に言い分を司法書士に伝えた後、司法書士をはさんで和解するのが通常の様ですが、今回被告社長の感情がかなり昂っていたらしく、同じテーブルで話し合う事は一度もありませんでした。
- 金額が決まると再び法廷に戻り、裁判官より和解が告げられる。
金額が安いので、被告社長の財布からその場で支払われる。
以後、一切の遺恨を残さないということで終了。
今回の様に、その場で裁判官立ち会いの元、金額が支払われると完全決着。
後日支払いになると、やはり支払わない輩もいるらしい。
- 閉廷後、使わなかった切手を返される。2,660円分
訴訟費用
登記簿謄本 印紙代
訴状 印紙代
切手代
交通費等 |
1,000円
1,000円
1,250円
約2,000円
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裁判を終えて
少額訴訟は、想像していた様な煩わしさや重々しい感じは全く無く、権威ある仲裁者が間を取り持ってくれた、って程度の感じでした。
今回の反省点は、取引先との約束(契約)事に何の証拠も残していなかった点です。
争点になった一枚あたりの金額や枚数についても証拠となり得るものを持っていたにも関わらず納品終了後捨ててしまい、それさえあればもしかしたら満額プラス訴訟費用を取れたのかもしれません。ある意味、訴訟慣れした先方にうまくやられてしまった感もあります。ただ、判決にあたっては先方社長は相当カリカリきていた様で、少額であってもとことんやる奴もいるという事を知らしめただけでもよかったかな、と考えています。
あとがき
最後まで読んでくださった貴方もきっと金銭トラブルで悩んでいらっしゃるのでしょう。
ここで紹介しましたのは、僕自身が体験した金銭トラブル(訴訟)についてですので、事案によっては訴訟や裁判の進め方が微妙に違ってくるかも知れません。
あくまでも参考程度にご覧ください。
そして、訴訟を起こす少しの勇気が出ましたら、速やかに所轄の簡易裁判所や弁護士、法律相談所等に相談(無料相談システム等もあります)してみてください。
決して諦めず、ガンバってください!
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