空中技への道
空中技、それは「魅せる」けん玉の技。一度けん玉を手から放し、空中に投げ上げ、落ちてきたけん、もしくは玉をつかんで、さらに技を決める。けん玉パフォーマンスでこれをやると受けること必至。ジャグリングなど他のパフォーマンスに勝つための技。観客はまだ見たことのない世界に入ること必至。
空中技の一番基本「宇宙遊泳」。これはだいたい3段くらいの実力になるとできると思います。初心者がこれをやっても、練習時にけんの制御ができずにガラスや電球を割るだけですので、挑戦しない方がいいでしょう。(私も練習し始めの頃に電球を割りました)
※宇宙遊泳:最初にけんをもち、空中に投げ上げて落ちてくる玉をつかんでけんをさす技
次に「円月殺法」、これは玉を振り上げて一回転させ、戻ってきたけんをつかみ、玉をけんにさす技です。
とりあえずフィニッシュはこの2つが基本となります。(玉を持つかけんを持つか)
練習のこつは、
糸をたるませない
目線はしっかりと対象物に
対象物に対する意識を変えていく
です。
第一の「糸をたるませない」に関しては、次の通りです。ためしに「ふりけん」で一度上がってきた玉をさらに一回転させてからフィニッシュしてみてください。もしも途中で糸がたるんだら成功できないでしょう。できても難易度が高いでしょう(「宇宙遊泳ふりけん」という技です)。糸を常にピンと張った状態で行うと、成功率も上がります。
第二の「目線はしっかりと対象物に」に関しては、どの技についても言えることですが、次の動作で重要な箇所を常に見ておく必要があります。たとえば、「ふりけん」に関して言いますと、当然上がってくる玉の穴を見ておく必要があります。
しかしこれだけですと、他の技と何ら変わりがありません。空中技で最も重要となってくるのが、第三の「対象物に対する意識を変えていく」です。空中技は他の技と違い、途中でけんと玉を持ち替えますので、いつまでも最初の動作に気を取られていてはいけません。
たとえば、「飛行機」ですと常に玉を持っており、玉の穴の位置を体で覚えており意識をけん先に集中するだけでいいのですが、空中でけんと玉を持ちかえる「宇宙遊泳」ですと、一度玉をつかんだあとにけんをささねばならず、いつまでも玉の穴の位置に気を取られていたら成功できません。つまり、玉の穴の位置を確認したら次の瞬間にはけん先に集中する必要があります。
次に実際の練習方法について説明します。ここでは最も基本となる「宇宙遊泳」について説明します。
最低条件として、「飛行機」をほぼ完璧に(成功率95%以上)マスターしてから練習して下さい。
まずは空中でけんと玉を持ちかえる練習をしましょう
先ほども言いましたように、常に糸をたるませないようにする必要があります。けんを投げあげる時と玉を受けるときに糸をたるませないようにします。コツは、次の通りです。
玉を振ってけんを投げる時、けんを放す時に何も力を加えずに自然にけんが引っ張られるままに任せてけんを放します。
戻ってくる玉をつかむとき、玉に不要な力を加えずに手を玉の動きにあわせます。そして玉をつかみます。
戻ってくる玉をつかむとき、玉の持ち方は手を後ろにひねったような感じでつかみます。フィニッシュのときに決めやすいような持ち方でつかみます。
次に実際に玉にけんをさす練習に入ります。まずはその前に玉を持ってけんを振り回し、周りを一回転させて飛行機を決めましょう。コツは「糸をたるませない」ことに気がつくでしょう。
この2つの練習がある程度成功するようになったら、実際に「宇宙遊泳」を練習してみましょう。第一の練習の「けんと玉を空中でもちかえ」てから、第二の練習の「戻ってくるけんを玉で受ける」ことが成功したら、「宇宙遊泳」の完成です。あとはどんどん練習して成功率をあげていきましょう。
宇宙遊泳のバリエーション
宇宙遊泳ができるようになると、フィニッシュを灯台にしたり、一回転飛行機のようにして決めたりすることもできます。また、玉を受けてから再び空中に放り投げて一回転して戻ってくる玉をもって技を決めたりすることもできます。
バリエーションで比較的簡単なのは、フィニッシュが灯台の技「宇宙遊泳灯台」です。慣れてきたら少しくらい体勢が悪くなってもリカバリーできますので、たぶん「宇宙遊泳」よりも簡単だと思います。