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『サウスパーク 無修正映画版』 "South Park Bigger,Longer&Uncut" 10/27/02

 DVDを買ったのである。なんと1500円。『アイアン・ジャイアント』も1500円だったのでついでに買う。そういえば先日めちゃくちゃ好きな『ブレインストーム』も1500円で買った。小さいモニターで見るとオムニマックスみたいなあの感動はまったく甦らないけど、普通の映画としても充分おもしろいのでみんなも見よう。スターツアーズ生みの親が作った映画だ。たぶん。
 それはそうと今年見た映画のベストは『ギャラクシー・クエスト』で決まりだと思っていたが、このサウスパークも捨てがたい。とんでもない名作なのではないかと思う。といって見て怒る人がいてもぼくは知らない。汚い言葉のオンパレードである。けどそれにちゃんと主張がある(ように見える)のがえらい。いきなりのアンクル・ファッカーはあまりのことにのたうちまわって笑ってしまった。とにかく音楽はすばらしく、すばらしい出来であることが笑いに繋がっているところがまたすばらしい。アカデミー賞ノミネートの"Blame Canada"もいいんだけど、カートマンが歌う「カイルの母ちゃんアホビッチ」が一番おもしろかった。「もしボイタノだったら」もいいぞ。
 日本語音声はなぜか松竹の漫才師を中心にした大阪弁で、これはこれで相当おもしろいのだった。エンドクレジットを見てエリック・アイドルがいるのに驚いたが、しかしSADDAM HUSSEINのキャスト名には爆笑した。んなわけないやろ。

六甲山歩き 10/26/02

 勢いで今年も六甲全山縦走に参加することになってしまったので、とりあえず前半だけでも歩いておこうということで、塩屋から三宮まで歩く。ただ先輩についていくだけなのでよくわからないのだが、旗振山、横尾山、高取山、菊水山、鍋蓋山と山を登り下りして市が原というところへ出て、そこから新神戸、三宮と歩いたようである。
 今回の縦走大会は明るいうちのゴールが目標ということでスピード勝負なのだそうだ。走るのかと思ったらそういうことではなく、休憩をなくすとか。そのため今日も高取山と菊水山の間の鵯越で食事をとった以外はいっさい休まずただ黙々と歩く。最近よく走っているおかげか登りはほとんど苦にならないのだが、下りはけっこう膝に負担がかかる感じでちょっとつらい。山登りは実際に山を歩くしか訓練の方法はない、などと言われるのがなんとなくしゃくなので、わざと今回歩くトレーニングをせずに走ってばっかりしているのであるが、やっぱりウェイトトレーニングと走るだけではいかんのかなあ。ただ歩くのはつまらんしなあ。まあそれでもかつてはあれほどつらかった菊水山の登りが、特になんということもなく過ぎていくのはなかなかの快感である。
 去年は同じコースを途中でビール飲んだりおでん食べたりして九時間かかったところ、今日は全行程六時間ほどで走破し三宮でビール飲んでから帰る。穴場のビアホールを教えてもらった。これからはここやな。

『巨人の星』特別編 10/23/02

 花形満を主人公にして編集したという特別編が今日からWOWOWで始まった。イギリスで幼少時代を過ごし紳士としてのマナーを始めあらゆる分野で英国人に勝り、もうこの国ではやるべきことがないというところまで登り詰めた花形君が「日本」に帰ってきてなぜか「不良少年」になってしまったうえ「野球を始める」というのがよくわからない。エンディングは、本編で星飛雄馬がごちゃごちゃするアイドル歌手の歌う「あいらびゅあいらびゅふぉればもー」というやつで、これはもしかしてギャグなのかな。あの曲のタイトルが「クールな恋」だというのは初めて知った。クールな恋ですぞ。途中に入るCMもナイス。

西明石で飲む 10/20/02

 毎度おなじみのパターンで肉半額で食えるだけ食ったのちプーさんの店に行ってだらだらする。ちゃんとした店名があるはずなのだが、みんなプーさんの店と言っていてなぜかそれで通じるプーさんの店を出て、まだ飲み足りぬというメンバーとさらに白木屋で飲んで、あっちこっちぶつかりながらふらふら帰った。途中なにか大きなものをひっくり返したような記憶があるがあれはなんだったのかなあ。めちゃくちゃたくさん食べたのに、雨が降っていたので自転車が使えず行きも帰りも全行程歩いたせいか風呂場で体重を量ると一キロ減っておりもしかして病気とちゃうやろかとちょっとぎくりとするがえっとオレ今ぎくりとしたけどなににぎくりとしたんかいなとなんにもわからないままベッドに倒れ込む。

神戸で飲む 10/19/02

 神戸で飲んだ。いろいろ欲しいものがあったので早めに出かけて東急ハンズに行ったのだが、なにひとつ欲しいものは見つからなかった。なぜか若い女性ひとりの客ばかりがあちこちにいて、しかもなぜかみな一様に思いつめたような表情でちょっと怖い。週末淋しい女は東急ハンズに行くのだろうか。

備中高梁 10/16/02

 わざわざ取材に、というわけではなかったのだが備中高梁というところへ武家屋敷を見にいった。岡山駅から乗り換えた伯備線では車内の人々が「でれーなんとかじゃけー」「じゃろー」「えれーなんとかじゃったけー」「じゃろー」「ぼっけえなんとかじゃったんじゃー」「じゃろー」などと言っている。「生ぼっけえ」には感動したが美人の口から「じゃろー」が発せられるのはなかなかの見物であった。一瞬ぎょっとするけど、いっそう魅力的に見えるのが不思議。
 ガイドブックなどを見ると「武家屋敷通り」とか「美観地区」などと書いてあるので倉敷とか竹原みたいな雰囲気を想像していたのだが、いざ着いてみるとごく普通の田舎町という感じでちょっと拍子抜けする。
 武家屋敷館の入場料は三百円。他に商家資料館と郷土資料館があって、三つ共通だと七百円だというのでそれを買った。早い話その三つくらいしか見るものはないのである。武家屋敷の玄関に立つと中に侍が座っていてぎくりとする。マネキンに着物を着せているのだが、薄暗い中にうずくまっている姿はかなり不気味である。ああびっくりしたと思いながら靴を脱いで玄関に上がると、驚いたことにこの侍ぬそっと体を起こしやがった。のけぞるほどびっくりして玄関から転がり落ちそうになる。センサーがあって、人が入ると動く仕掛けになっているのだった。お化け屋敷かいっ。奥へ進んでいろいろ眺めていると、しばらくしてやってきた老夫婦の悲鳴が聞こえてきた。玄関の仕掛けで腰を抜かしたらしい。無理もない。
 このあと行った商家資料館と郷土資料館でも、人が来るとセンサーが反応してナレーションが始まるといった仕掛けがけっこうあちこちにあった。センサー好きな土地らしい。
 備中松山城というのもあるようだったので、城までの遊歩道というのに入ってみたらこれがものすごくあたりまえの未舗装の登山道であるなにが遊歩道。臥牛山という山の上に城があるらしい。「猿に注意」「猿に餌を与えてはいけません」「猿と目を合わせてはいけません」「猿と真剣に戦ってはいけません」「猿を持ち帰ってはいけません」と注意の書かれた看板を後目に黙々と山道を登って城を目指す。途中からところどころに「ゴミはすべて持ち帰るべし。城主」などと書かれた看板が現れはじめ、相当登ったつもりが「ここらでちょうど道半ばである。一休みされてはどうか。城主」と書かれていたのでまだ半分かどんな城じゃと休憩することにした。山歩きの用意などなんにもしてなかったので汗が大変なのである。帰り寒いかもなあと心配になりつつ「備中松山城」と書かれた看板の前に立つとまたしてもセンサーが反応して「備中松山城は……」と説明が始まるのだった。こんな山の中まで。恐るべしセンサーの町。
 道半ばと書かれていたものの、そこから先はすぐであった。どうやら車で来る人に対しての看板であったようで、駐車場から城までの半ばということであったらしい。ぼくは下から全部歩きだったので一時間くらいかかった。にもかかわらず城は工事中で見学できず、すぐさま下山する。下りは三十分程度だったがなにしにいったのやら。しかしこの城に勤めていた武士たちは毎日この山を登っていたのだなあと感心する。しょーもないとこに城建てやがって、とかぶつぶつ言いながら登ったり下りたりしていたのが目に見えるようだ。足痛いしぼくもう山登るんいやや、と言って登城拒否する武士もきっといたに違いない。
 たいした収穫もないまま、汗で冷え切った体で備中高梁を後にする。下校途中の女子高生たちのスカートが皆極端に短かったのがこの旅の唯一の収穫と言えるだろうか。
 聞くところによると町の至る所にしかけられたセンサーは夜になると昼とは反応のしかたが変化し、またすべてのセンサーはそれぞれ独自の反応を見せるのだそうだ。なに、昔からよく言うではござらぬか。センサー、晩、別。とな。

最新フルサス 10/13/02

 友人の自転車ができあがり、取りに行くのにつきあう。スペシャライズド2003年モデルの試乗車があるというので、友人ほったらかしでさっそく乗せてもらった。クロスカントリー用フルサスである。フルサスなのに前三角がきちんとあるので担げる。シート高も自由に変えられる。走ればめちゃくちゃ軽快。ペダリング時のリアサスからのパワーロスを完全に排除しつつ路面からの衝撃は見事に吸収するという夢のサスペンションシステム。三十万円。かっこいい。欲しい。高い。悩む。困る。買う。できない。白人。嘘つく。インデアン。悲しい。

呑吐ダム 10/12/02

 ちょっとサイクリングにでも行こうと先日クロスバイクを買った先輩に誘われ呑吐ダムというところへ行くことになった。快適なサイクリングロードがあったりしておもしろいところであるが呑んで吐くと書いて「どんど」と読む。へんななまえ。近くにシビレ山というこれまたへんな名前の山があって、ちょうどいいのでダムに着いたら自転車を置いてこれに登ろうかなどと言っていたのだがまさか本当に登るとは思わなかった。登って下りて三時間ほどだったが、急な岩場もあって何度かファイト一発的状況に陥ったりもするアドベンチャーな展開ののち、ふたたび自転車に乗って帰ってきた。往復約五十キロ+山登り。充実感のある、なかなかよくできたメニューであった。
 同行の先輩は最近「マフェトン理論」なるものに凝っていて、走りながら歩きながら飯食いながらずっとその話ばかりする。よくわからないが長距離型のトレーニングには脈拍が非常に重要な要素となり、年齢から算出される最高脈拍数以下でトレーニングを続けることが大事なのらしい。がんばり過ぎてはいけないのだそうだ。そうすることでエアロビック・ベースというものが体に構築され、体内脂肪を効率よく燃焼させることが可能となり結果長距離に強くなるというのである。エアロビック・ベース構築のためには食事にも気をつける必要があって、炭水化物を取りすぎないよう高蛋白の食事を心がけよという。
 ということはつまり、ええもん食べてだらだらしてたらどんどんトライアスロン速よなるいうことですか、と思ったのでそう訊いたらきっぱり違うと言われた。そんな楽なトレーニングがあるのならぜひやってみたいところであるが、なんにしろ「エアロビック・ベース」という響きがかっこいいのでちょっと興味がある。「ぼくの体にはエアロビック・ベースが構築されているのだ」なんてかっこいいではないか。変身したり巨大化できたりガンダムが出てきたりしそうである。戦えエアロビック・ベース! 人類の未来は君に託されているのだ!

 つづく

割り切り? 10/7/02

 友人から携帯電話にメールが入った。文面は次の通りである。
「金曜にメールして土曜に会った二十八歳のオフロードレーサーの女性と割り切りしたけどあんまり可愛くなかった。」
 オフロードレーサーってどんな人のことだろうと気になるが、割り切りというのもわからない。なにを割って切るのだろう。餅か? いやオフロードというくらいだから行く手を阻む巨石かなにかをふたりで割って切ったのかもしれない。割って切ったあと「可愛くなかった」と書いているくらいだから、割って切ったら「可愛い」場合もあるにちがいない。割って切ったら出現する、可愛いかもしれないものとはなにか。
 あんまり気になるのでメールで訊ねたら、返ってきたメールには「失礼にならないよう、一応10k渡しておいた」
 暗号か?

『スター・ウォーズ エピソード2』ふたたび 10/4/02

 今日で終わりだというので大久保駅前マイカルシネマまで見に行く。DLPに比べるとフィルム版は画質が劣るという話であったがさすが最終日というかフィルムは傷だらけで、劣るというようななまやさしいものではなかった。シネコンの場合、人気の落ちた作品はどんどん回数が減りさらに小さい小屋へと格下げされていくようで、天下のスター・ウォーズといえど最終週は一番小さな小屋にまわされ、おかげで音響までもがしょぼい。冒頭のキンキラした船の飛行音も、ジャンゴ・フェットのサイズミック・チャージ(だったかなんかそんな名前の一瞬無音になってからびきょーんとくるやつ)の音も大阪で見たときは胸に響くほどものすごかったのに、まるで普通でつまらんのだった。あれこそが快感なのに。
 離れた席ではあったものの、ぱりぱり無神経な音をさせてスナック菓子かなんかを食べている女のふたり連れがいたのにも参った。ぼくは温厚だから投げつけるべき重くて固いものあるいは尖って刺さるものあるいは絡みついて燃え上がるものあるいは寄生して脳を喰らうものなどを探した程度で断念したけど、馬鹿は死ねとばかりいきなり殺しちゃう人もきっといると思う。だれか早くやってくれためらうな。
 まあそれでもスクリーンがでかいと軍艦もでかいので、そのへんは満足。しかし前回見たときから気になっていたのだが、ジャンゴ・フェットは手下の美人なのか怪獣なのかよくわからない女がアミダラ暗殺に失敗したあとへんな銃で遠くから一発で殺してしまったけど、それほど正確な射撃が可能であるならなぜあのときすぐそばにいた邪魔なジェダイの方を狙わなかったのだろう。

自転車屋へ行く 10/3/02

 友人を連れて馴染みの自転車屋へ行く。ずいぶん久しぶりだったがおやじさんはあいかわらずで「今はこれが一番よい。これに決まりだ」とこちらの条件もなにも聞かずにいきなりお勧めを一機種に限定する。そりゃたしかにいい自転車である。めちゃめちゃいい。ぼくも欲しい。しかしあまりに高価なのである。友人は八万円くらいの予算で考えていたのに十六万だというのだ。定価はもっとずっと高いのでかなり安くしてくれているもののいくらなんでも高すぎる。無い袖は振れぬ。無い柚は食えぬ。ということで友人はあれこれおやじさんと相談を始めたが、ぼくはずらり並んでいる最新機種に魂を奪われあれこれいじくりまわすのに忙しく、そこからあとどういう経緯があったのかはよく知らない。結局友人は十二万円のものを買うことにしたらしいが見せてもらうとこれも相当いいやつである。ぼくが今乗っているものより百倍くらい上等の感じで一瞬逆上して目と耳から火を噴きそうになる。片道十数分の平坦な舗装道路を通勤に乗るだけに十二万円のマウンテンバイクがはたして必要だろうか。君どう思う。いらんいらんそんなもん必要ないおれによこせ。
 よし、ではぼくはこっちの十六万円のを買うっ。と言いそうになったがぐっとこらえてサドルだけ買うことにする。とはいえ頭の中にはすぐに新車を買うのだからあまり高価なサドルはいらぬという考えがなぜか確固とあり、ディスプレイされているサドル一万六千円、一万二千円、六千円、五千円というのは目が素通りしていく。うんと安いのでいいのだけどと言うとおやじさんはごそごそっと店の奥に頭をつっこみ、これはどうやと出してきてくれたのだが見れば真っ赤なサンマルコ。えらいええやつやんかもっとちゃちなやつでええのにと思っていたら千九百円だという。元々は六千八百円だったがちょっと古いので千九百円でよい消費税もいらんという。得した。
 古いマウンテンバイクでもサドルを替えるとそれなりにかっこいい。フレームも真っ赤でサドルも真っ赤。うん、これでもうしばらくは充分やなと納得しつつどうやって十六万円を捻り出そうか考えているのだった。いやもうちょっと出してフルサスという手もある。クロスカントリー用フルサスモデルにしよう。黒か赤か悩むところだがなに2003年モデルは三十万円か。これはまた実にいい。うんそうやどうせ買うのなら中途半端なことはせずいっそハイエンドモデルおおこっちは七十万円か……

東京は台風 10/1/02

 関東方面は台風の影響でものすごいことになっていたようだが明石市は穏やかな好天。しかし電話がかかってくるたび相手はことごとく「こんな大変な天気のところ、すみませんけど」「こんなときになんですが」みたいなことを言うのだった。「こっちは晴れてますけど……」と言うと「えっ。本当ですかっ?」ととても信じられないといった口調が返ってくる。もしかしてぼくだけ天気がいいのではないかと不安になって遠くの空を眺めてみたりもしたのだがやはり見渡す限り晴れていた。気持ち悪い。



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