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殺す気か 3/31/01

 ユニバーサル・スタジオ・ジャパンというものがオープンしたらしい。興味はあるのだが、プレオープンとやらですでに行ってきた知人たちによるとめちゃくちゃ長い行列に一時間も二時間も耐えなくてはアトラクションに到達できないそうで、ぼくには無理な場所なのではないかと思う。しかもたいていの人が多少なりともネガティブな感想をもたらし、唯一手放しでおもしろかったと喜んでいる生涯純真天真爛漫な人でさえも一番に言うのは行列のすごさだったりしてぼくのやる気をなくさせるのである。
 毎日通勤電車に乗り大阪の人混みを歩き回っていた数年前ならもう少し根性もあったのだろうが、今みたいに日々朝から晩まで田舎でぼんやりだらーっと生活していると、明石駅前程度の雑踏にも疲れるほどひ弱になってしまって、神戸大阪の街に出るのも今や半分命がけなのだ。それがマナーいうたらゴミは道の真ん中やなしに端に捨てなあかんちうこっちゃろと信じる大阪のあの強烈な人々をことさら密集させた場所へなど入り込んだら五分と保たずに死ぬのではないか。
 と思っていると、なぜか実家にはどこかでもらったというUSJの入場券があり、これをやるからおまえ行ってこいなどと暗い笑みを浮かべ両親は言うのであった。いやぼくはええからふたりで行ってきたらと言うと「あんな人の多いとこに行ったら死ぬ」のだそうで、いやまあそう言わずにと、親子でひたすら押しつけ合ったのだが結局根負けして今ぼくの手元には「死のチケット」が二枚もあるのである。

椅子を買う 3/27/01

 デスクワークの際、膝と尻で体を支えるので背筋が伸びて疲れませんという椅子を買う。仕事やる気満々である。驚いたか。
 これまで使っていた椅子は、いやこれからもずっと使うことは使うのだがもう十五年くらい使っているもので、めちゃくちゃ高価だったにもかかわらずパンフレットの「NASAでも使われている」というのにころっとやられて買ってしまったのだった。無敵のNASAである。「NASAで開発された」「NASAで使用されている」とさえ言っておけば、なんでもものすごいもののように聞こえるではないか。たとえ茶瓶であっても「NASAの技術者が作った茶瓶」ならば普通の茶瓶にはないなにかとてつもなくややこしい仕掛がありそうである。熱湯を注ぐだけで水道水に含まれる塩素はミネラル分とドドンパ結合してビタミンCに変化したりするはずである。
 あとけっこう威力があるのが「人間工学に基づいています」というやつ。なんじゃこれはというような変な形の物体を見せられて首を傾げている人間に、これは「人間工学に基づいたデザイン」なのですとさえ言えば、ああなるほどとたいてい納得するのである。
 だから人間工学に基づきNASAで開発された小説を書けばベストセラーまちがいなしにちがいないのだがこれはなかなか書きにくそう。しかし問題は新しく買った椅子が思ったほど快適でないことである。膝と尻で体を支えるのでけっこう疲れる。

巨大 3/26/01

 昼過ぎ起きると、いつ書いたのか枕元にメモがある。
 巨大オムレツ。作るにはクレーンを使用。クレーンオムレツ。巨大ヨーグルト。クレーンを使用。クレーンヨーグルト。
 わざわざ書かなくても。

ホラー、チェルシー 3/24/01

 もひとーつー、チェルシー、というのは冬樹蛉さんのネタであるが、アナタニモ、チェルシー、アゲタイ、ワシャベツニ、イラナイ、ソレデモ、アゲタイ、シツコイナ、コノガキと、そういうようなホラーに関する講義を天満まで聞きにいく。講師は小林泰三氏。作家志望の人たちを前にときどきぐふぐふひとりで笑いつつ黙々とホラーを語る。というか去年一昨年と同じ資料をぐふぐふ言いながら黙々と読む。というかそもそもその資料を作成したのは牧野修氏である。そんなんでいいのか。
 二時間の予定が一時間二十分ほどで終わってしまい、なしくずしに質疑応答となる。その際遊びに来ていた牧野さんがいろいろと有意義な話をするので、質問者は完全に牧野さん相手に質問をしていたりして、わけがわからん。
 他に遊びに来ていたのは林譲治さんと田中啓文さん。終わってから中華料理を食べにいって、林さんが趣味のダイビングに利用しているショップがぼくの仕事場の目と鼻の先であることを知る。潜りに行くときはいつも明石へ来るのだそうだが、明石の海に潜るのではないらしい。潜るのは和歌山だという。豊中に住んでいる人が和歌山へ潜りに行くのにいったいなんのために一度明石へやってくるのかダイビングといえば近所の海の素潜りしか知らないぼくにはよくわからない。池田へ猪買いに行くのに、なんでいっぺん和歌山へ行かんならんねん。という感じだけど、きっとなにか意味はあるのだろう。あるはずである。世の中には科学では解明できないことも多い。

草女 3/21/01

 井上雅彦さんから仕事の電話をいただいて、いろいろ話をしていたら、昔まだ会って間もないころぼくが「草女」の出てくる夢の話をしたと言う。全然覚えておらず、どんな話なんですかと訊くと「わあ草女が来たやんかあってみんなで言うのです。それがとても恐くて」全然恐くないような気がするが、めちゃくちゃ気になる。自分の夢なのに、ぼくは知らなくて井上さんが知っているというのがものすごく悔しい。気になる。草女。
 学生時代のネタノートにひとこと「イワシ女」と書いてあったのもなんのことかよくわからないのだが、これは「猿駅」で使った。あと「味噌汁男」というのも意味はやはりわからないけど書いてあった。「目覚まし男」というのもあるがしかし草女は知らないのだ。気になるなあ。

背中の激痛 3/18/01
 
 数日前から左の肩胛骨の下あたりが痛くなり、ついに息を吸うだけでも痛むようになった。
 昔、吉本にいた頃漫才師の中田はじめ氏が空手を教えてくれるサークルみたいなものがあって、ぼくは不真面目ながらもそれに参加していたのだが、乱取りのとき中田はじめの拳をまともに胸に受け、半年くらい痛かったことがある。あのなとても痛いのだがなと言うとああそれは肋にひびが入っとんのやほっといたらええと簡単に片づけられてしまったが、胸と背中の違いはあるもののそのときの痛みとよく似ているのである。空手はというと、殴られたり蹴られたり痛いのがいやだし朝早く起きて参加するのが面倒で結局全然上達しなかったのだがゲストでやってきた「あの佐竹」に簡単な稽古をつけてもらったこともあるので表向きは「一応佐竹と一対一でやったことはある」ということにしてある。
 それはともかく最近誰かに正拳突きをくらった覚えはなく、ほとんど運動もなんにもしてないし、もしかして内臓がどうにかなったのではないかとちょっと恐くなる。そこでアルコール依存の禁断症状実験に続き、内臓疾患かそうでないかを判断するための実験を敢行した。
 とりあえず全身のあらゆる筋肉を使う運動をやってみたのである。腹筋運動から背筋運動、懸垂、デッドリフト、ベンチプレス、スクワット、フォークリフト、フンスイパレス、パイプカットなど思い付くもの全部やった。どこかで激痛が走れば、そのあたりの筋肉か骨に問題があるわけで、これからはそういう運動をしないようにすればよいと考えたのだが、別になにをやっても特に痛くはないのである。鉄棒に背中を向けての懸垂のとき、少し痛いような気もしたが、肋にひびが入っているときは懸垂など痛くてできたものではなかったし、これはいよいよ内臓が悪いのではとどきどきした。
 ところが、ひととおりウェイトトレーニングを終えると、背中の痛みはきれいさっぱり消えていたのである。なんだったのだろう。

確定申告ののち飲みに行く 3/14/01

 確定申告に行くと、一箇所だけ書く欄が違うと指摘されたが何を隠そうそれは去年威張り散らしていた女がぼくに書きなおせと言った場所であった。去年こっちに書けと言われたのだと文句を言ったら、それは去年の担当者がまちがえたのでしょうということであった。あの威張り腐った女はいったいなんだったのかと今頃になって腹が立つ。
 あまり待たなくてよい方法を去年発見したので、今年もその技を駆使したところ受付から二十分もかからず終わってしまい、少々予定が狂う。なにどのようにすれば早く終わるか知りたいとな。はっはっは。教えてたまるか。
 というわけで、夜やろうと思っていた雑用は夕方には片づいてしまい、近々飲みにいこうと約束していた友人と飲みに行くことにした。飲むのは久しぶりなのである。
 驚くべきことに、ここまで十日間ほどぼくはビールはもちろんなんじゃはいはい発泡酒はもちろんアルコール類をまったく口にしていなかったのだ。別に健康のことを考えてというわけではなく、また仕事が立て込んでいたから我慢したというわけでもなく、ちょっとした興味というか実験であった。つまり十数年間、飲まない日が数えるほどしかなかったぼくの体は、おそらくアルコールにかなり依存しているだろうから、飲まずにいるとそのうち禁断症状が出るにちがいないと考え、ぜひともその禁断症状を体験してみたかったのである。
 一番困るのが寝付けないことだとはわかっていたのだが、別に決まった時間に寝る必要もないのでこれはなんとかなった。さあ、次はお待ちかねの禁断症状だ、と期待していたのに一週間経っても十日経っても特になんにも起こらない。ぶるぶる顫えながら皆殺しの歌を聴いて顫えを止め、酒を瓶に戻し「一滴もこぼれねえ」とか言いたかったのに健康状態は良くも悪くもならず、毎日二リットルほどもがばがば飲んでいた日々となんら変わるところはないのであった。ビール代がなんじゃはいはい発泡酒代が浮くのがいいようなものだが、別に今はさほど貧乏ではないのでビールくらいはいはい発泡酒くらい好きなだけ飲んでも平気なのである。結局、飲んでも飲まなくてもいっしょなのだった。ああつまらん。
 
掃除する 3/13/01

 あー終わった終わったとここでのんびりしてはいかんのだが、とりあえずいろいろ終わったのでどっとのんびりし、めちゃくちゃになっていた仕事場を掃除する。どうせすぐ使うのだからと辞書やら資料やら床に出しっぱなしにしていたらどんどん溜まって棚から出すより面倒な状況になっていたのである。創作ノートみたいなものを作っておらず、いや実は作ってあるのだがつい手近な紙などに書き殴ってしまうため必要なメモが廊下にまで散乱し、あれはどうだったかなと思うたびいちいちトイレや玄関、果ては日本各地の女の子のところまでいって本や雑誌やその他いろんなものをひっくり返さねばならんので本当に大変だった。ざっと片づけただけで、この部屋はこんなに広かったのかと感動するほどすっきりした。よかったよかった。
 さあ気分一新、次の仕事に取りかかろうとしたところ、いきなり必要な資料が見当たらない。四苦八苦して発見し、よしやるぞと思ったら今度は参考になるかと思って買ってきたばかりの文庫本がない。またしても四苦八苦して発見し、ふと立ち上がり見渡せば眼下には昨日までと同じ景色が果てしなく広がっているのであった。

ロシアンティー 3/10/01

 実家に帰ると母親が、ブルーベリージャムはいらんかと言う。一キロはあろうかという巨大な瓶であり、そんなもんいつ食べるのかと呆れ絶対いらんと断ったのに、とりあえず持って帰っておけばなにかのときに役に立つぞと無理矢理持たされてしまった。安いというので衝動買いしたもののとても使いきれないことに気づいたらしい。ブルーベリージャムが役立つ咄嗟の状況とはいったいどんな状況であるのか。
 しかたがないので紅茶に入れて飲むことにする。こういうのをロシアンティーと言うのである。いやよく知らないがたぶんそうだ。マーマレードを入れるのが本当なのではないかと思う。なぜそう思うかというと学生のとき大学の喫茶部(学生食堂の喫茶店版である)にロシアンティーというメニューがあったからで、普通の紅茶が百二十円のところロシアンティーは百四十円した。正確にはもっと安かったか高かったかよく覚えていないがとにかく二十円の違いがあったのである。そこでロシアンティーとはいかなるものであるのかまったく知らなかったぼくは、ある日期待を込めてそれを注文したのだが、店のおばちゃんがなにをしたかというと普通の紅茶を入れてから横にあったマーマレードの瓶にスプーンを突っ込み、一匙それを垂らして「はいよ」たったそれだけかい、と憤ったものである。
 しかしロシアンティーはまだましであった。シナモンティーもやはり二十円の差があったが、こっちはハウスかS&Bかなにかの「シナモン」という粉末をば適当にぱっぱと振るだけで「はいよ」砂糖やミルクは無料でついてくるのになぜマーマレードやシナモンには二十円もかかるのか、今でも納得いかないのである。
 ところで紅茶にブルーベリージャムを入れて飲むとうまいかというと、これがちっともうまくないのだった。まだ一キロ近く残っているのだが、なにか使い道はないかなあ。

携帯電話 3/5/01

 一日中電話のすぐそばで過ごす生活なので、携帯電話などまったく必要ないと思っていたのだが、どうやら今年は東京で打ち合わせだとか多くなりそうだし、時間など詳しいことはあとで出先から連絡しますとかいうようなことがよくあって、いったいどこへ連絡してくれるのかと思って訊くと「えっ。田中さん携帯持ってないんですか」などと、南国の珍獣を見つけたような顔をされることが増えた。
 さほど欲しくはないのだが、とりあえず検討してみるかと思い新聞に挟み込みのチラシを見ていると「1円」と書いたのがたくさんある。今日日一円でなにが買えると思うところだが携帯電話は一円なのである。
 映画『マトリックス』で使っていた携帯電話と同じメーカーのもので、映画と同じように前面がスライドして伸びるやつも一円で売っている。あれはかっこいいなと思っていたのだが、しかし現物を実際使っている人に見せてもらうとどうもなよなよしていて映画と全然違う。なぜか今の携帯電話はすべて丸っこくてつるんとしているのである。機械なんだからもっとカクカクゴツゴツせんかと思うのだが、結局携帯電話は仕事するおっさんより売春する女子高生に受けた方が売れるということなのでありましょう嘆かわしいことだ。
 なにを選べばよいのかさっぱりわからないので、やっぱりやめようとあきらめたのだが、ふと見るとなにが違うのか見た目は同じなのに三万円もする機種がある。三万倍である。普段の暮らしの中でなかなか三万倍という差がつくものを見ることはないのでしばし呆然と眺めてしまった。新製品らしいが、一円の方だってまだ出てから一年も経っていないはずで、とするとこの三万円のやつも、来年の今頃には一円で売られるのだろうか。しかし三万倍。
 閉店間際のコロッケが大安売りで「二パック三百円」だったりするのはよく見るが、これを携帯電話の世界に当てはめると、翌日朝一番に出た作りたてのコロッケは「二パック九百万円」なのである。たっかー。

SF作家クラブ総会とSF大賞パーティ 3/2-3/01

 起き慣れない早い時間、あまり寝ていないのにけっこうすっきり目覚めて気分をよくし、新幹線の時間までかなり余裕があるなと思いながら切符を見てぎょっとする。四時に東京會舘へ行かねばならんのに、手にした切符では東京着十六時二十八分となっているではないか。なんでじゃ。できるだけゆっくり寝られるように昨日、わざわざ前もって時刻表を調べそのとおりを指定券ナントカ用紙に記入したはずなのに。駅員がまちがえたとしか思えない。いいやおれはまちがえてないまちがえるはずがない。待てよそういえば季節列車がどうのとかで、なんとかかんとかでいいですかと言われてそれでよいと答えたような記憶がある。そうかあれか。しかし普通まるまる一時間も遅いのに変更するかせんやろなにを考えとるのじゃ普通せんやろ。
 その場で確認を怠ったのが悪いと言われればそれまでなのだが、一時間早いやつに変更する必要があるので早めに駅へ行かなくてはならず、なんのために昨日切符を買いにいったのかとむかむかする。
 というわけで結局あわただしく出発することとなった。驚いたことにまたしても新幹線で仕事をしなければならない状態であったため、またしても新幹線で仕事をする。新大阪から書き始めた『電撃hp』のエッセイは名古屋あたりでできあがり。まあどうせ誰も読まんだろうから適当にぱっぱっぱあ嘘です嘘です。さてそこから短編をやらねばならんと書き始めたのだったが、設定を失敗したかまるで進まないのだった。東京に着いたときに書けていたのはたったの二行。
 SF作家クラブの総会に初めて参加するが、こんなところにいてオコラレナイカナーとびくびくしているといきなり一万円がなくなりなんだかよくわからないまま終わる。田中啓文氏はなにが気に入らないのか出されたケーキに手もつけない。もったいないことをする。森奈津子氏は背後から音もなく忍び寄って牧野修氏の坊主頭を撫でる。わけのわからないことをする。
 徳間三賞のパーティーに流れ込むと、いろんな人に会ってばたばたした。人が多いのでせっかくお会いしてもゆっくり話していられないのである。筒井康隆氏のそばまで近寄ってはあわてて戻り「筒井さんをすぐそばで見た」と他の人に自慢したりする。初めてお目にかかった森下一仁さんが、ぼくの次回作を楽しみにしているなどと言ってくださったのでめちゃくちゃ嬉しかったのだが、何人かの編集者にはまるで無視されたのでいずれ絶対しかえししようと思う。
 非常に場違いな二次会に紛れ込んでしまいわあ浅田次郎やおお花村萬月やひやあ北方謙三やとミーハーに敬称略で喜びながらも居心地の悪い時間を過ごしたのち、おなじみメンバーでどっとカラオケ。行く途中、浅暮三文氏はふとすれちがったアベックの会話に対して異常なまでに嫌悪の反応を示すのだった。日々の暮らしになにか致命的な不満が鬱積しているのではあるまいか。カラオケの方はというと霊媒師みたいな歌も聴けて楽しかったがびっくりした。あれはなんですか。シマコさんの腰もすごかったな。店を出る頃、我孫子さんはワインと冷酒でへべれけですでに目は閉じており、パンチキックのようにふらふら揺れつつ何度も金を払おうとするほどの状態であったが歩き始めると目を瞑ったままでも必ず先頭。
 ホテルに帰ったのは三時くらいだったが、どういうわけかぼくの部屋に田中啓文氏と牧野修氏が来て朝までだらだらする。ひまなんか。
 翌日三日は神代創氏の結婚式だということで、他の人たちはけっこう早くチェックアウトした模様。ぼくは友達少ないのでそっちには呼ばれず、ゆっくり起きて編集者と会って仕事の話をし、仕事なのになぜか昼からビールを飲む。どこが餃子なのかと首を傾げるような餃子も食べる。竹に入った酒も飲む。
 四時頃新幹線に乗るといきなり気を失ったように眠ってしまい気づけばもう新大阪。ふらふらしながら仕事場に戻り、もう今日は早く寝ようと思っているところへ迷惑な男たちがビールとともにやってきて宴会が始まった。

パトカーに追われる 3/1/01

 パトカーに追われた。ぼくが追われたのではなく、ぼくの運転していた車の後ろに迫ってきた車が追われていたのだが、狭い田舎道で追い越しもできず他に車はおらずサイレンはウーウーうるさいしやられたらわかると思うけどこれはかなり追いつめられた気分になります。よしここはひとつ警察に協力しようなどとは微塵も思わず、いったい追われているやつはどんなやつなのかとバックミラー越しに顔を見ようとばかりしていたら、追われる車は民家と民家の間の道なき道へとぐいっと飛び込み垣根は倒れるニワトリは跳び狂う女の悲鳴は聞こえるじいさん裸で飛び出してくる犬が鳴く猿は飛び跳ねる牛突進する豚逃げる電柱倒れるガスが漏れて爆発する火柱上がる地面揺れる鉄砲水は出る子供はさらわれる娘は家出する大変な騒ぎ。
 あとのことは知らない。


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