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トランペットの練習 7/31/01

 久しぶりにトランペットを出してきて吹いてみる。八月のSF大会でなにやら演奏するので、ラッパを吹くようにと田中啓文氏に言われたのである。息の出なくなるミュートをつけて十分ほどいろいろ吹いたが、やはりどうにも鳴らないのであきらめる。トランペットを吹くということに対して本当に情熱がなくなっているのである。もうこうなってしまうと、昔はけっこう吹けたと言ってみても誰も信じてくれないだろうなあ。困ったなあ。楽器持って立ってにこにこするだけにしておこうと思う。

花火大会の事故 7/25/01

 明石の花火大会ではとんでもない事故が起こっていたらしく、将棋倒しで死者まで出たと連日テレビのニュースでも報道されている。数名の編集者からわざわざ電話があって口々に花火では無事でしたかみたいなこと言われたが、明石をどれほど狭い土地だと思っているのか。などと言いつつ実家へ帰ると、母親の知人は事故現場にいてつぶれそうになったというし、息子の同級生があやうく将棋倒しに巻き込まれるところだったのだと電話をしてきた友人もいた。明石はやっぱり狭いかもしれない。
 しかし今の明石市長というのが、あそこまでぼんやりした老人だとは全然知らなかった。テレビの取材に向かって「いや、ちゃんとやったんですけどおかしいなあ」みたいなことを言うとったぞ。ええんかあんなんで。

ポケベル復活す 7/23/01

 先日洗濯機でずたぼろになったポケベルがなおった。放っておいたら自然治癒力によってなおってしまったというような話ではもちろんなく、うちの父親が勝手にいじくってなおしてしまったのである。どうやってなおしたのかよくわからない。母親によると、なにやら裁縫用の針を使っていたなどと言う。ちょっと恐い。

焼き肉と狸の親子と花火 7/21/01

 飯でも行こかあと三階の友人に声をかけられたので、近所の焼き肉屋までぶらぶら歩いていく。途中、道路脇で森の方を眺める老人の集まりを見つけ、いっしょになって眺めると子狸が二匹いた。狸ですか狸です親もいますか親もいます先日子狸が七匹生まれました七匹もですか七匹です親は二匹ですまあそらそうでしょうなあ、というような会話を交わし、しばらく老人たちとともにっぼーっと狸を見る。
 暗くなって狸も森へ帰っていったのを見届けてから焼き肉屋へ行き少量の肉と大量のビールを飲食しつつ、店の夫婦と不景気について語り合い、途中からやってきた若者グループが等価交換のパチスロについて熱く語るのに耳を傾けときどき口を挟みいろいろ教えてもらい、そのうち店のおばさんが、今日は花火大会であるがこのあたりからでもよく見えるというので、全員で店の外へと出ていって河原から遠くに打ち上がる花火を眺めた。
 静かな夏の夜であった。

結婚は不幸だそうだ 7/19/01

 そのうち飲みに行こうと言っていた友人から電話があって、近所まで来ているというので明石で飲むことになる。この友人によると結婚はまさしく人生の墓場であって、世間体のことさえ考えなくていいのであれば結婚などしない方がよほど幸せなのだそうだ。ぼくは結婚してなくても世間体の悪い思いをしたことは一度もないのでちょっと驚いたが、それよりもこの友人が「結婚してもなお妻に愛情を持ちつづけるなど絶対に不可能である」と断言してしまうのにはもっと驚いた。つまり、奥さんに対してまったく愛情を持てず、生活の手段としてたまたまいっしょに暮らしているだけだと認識している自分の状態を、普遍的なものだと決めつけているのである。いや、のべついちゃいちゃしている仲のいい夫婦もいっぱいいるけどなあ(実際多いのであるいいかげんにしたまえ君たち)などと反論してみても、結婚していない人間にはわからないと言われてしまえばそれまでである。
 しかし結婚した方がしないよりも幸せになれることなど万に一つもないと言われると反論もしたくなる。めちゃくちゃ美人で人柄も申し分なく抱けばそのたび陶然となる妖艶さで一生なにに使っても使い切れないほどの財産を持ちながら夫のためならどんなことでもするというような女性となら、結婚してもする前より不幸になるようなことにはならないと思う。みんな、そういう人と結婚すればいいのだ。ね。
 
いろいろ壊れた 7/17/01

 いろいろ壊れてむかむかする。まず自転車の後輪ブレーキワイヤーが切れて死ぬ思いをした。買ってから約十年間一度も交換していないのだから、今まで切れなかったのが不思議なくらいなのだが、それにしてもわざわざ国道の交差点に向かう長い下り坂の途中で切れなくてもいいのではないか。たまたま障害物もなく直進の信号が青だったからそのまま突っ切って前ブレーキだけで止まることができたものの、ちょっとタイミングが違っていれば、狂ったようなスピードで走り回る巨大トレーラーの鼻先に飛び出すところであった。殺す気か。
 とどきどきしていたせいか、まったく必要ないのに未だに持ち歩いているポケットベルをズボンのポケットに入れたまま洗濯機に放り込んでしまう。飯の途中であっと気づいたときには脱水が終わっており、あわてて出してみると液晶までが水浸しで、操作ボタンは水圧のせいか壊れて奥に入り込んでしまっているのだった。思わずボタンを押すとさらにぐいっと中へと入り込み、一瞬だけ液晶がすべて点灯したかと思うとすぐに消えた。二度と使えまい。
 別になくても困らないからなあと悲しくあきらめつつ、仕事場に戻るとパソコンの外付けスピーカーが壊れた。突然うんともすんとも言わなくなったのである。これまた本体のスピーカーを使えばいいので、なくても困ることはないのだがなぜ同じ日にいろんなものがたてつづけに壊れるのか、と首を傾げながら便所へ行き、電灯のスイッチを入れたとたんばちっと音がして玄関の灯りまで消える。なんやなんやと思って、例の大地震以来すぐにわかるところに置いておく習慣ができてしまっている懐中電灯を手に便所へ戻ると床が水浸しである。そういえば昼過ぎにものすごい雷雨があったが、窓を閉め忘れていたのだろうかと見るとちゃんと閉まっており、さらによく観察すると水は天井の、電球の取り付け部分から垂れていることが判明した。三階の便所から漏れているのであった。
 四苦八苦して水を拭き取ってから三階に行き、便所水浸しやろ、と言うと三階の友人は目を剥き「なんで知っとんや」などととぼけたことを言う。水が漏れとんのや、と言うと、窓開けたままやったから雨が入ったんやなあということで話は終わり。それからふたりでビールを飲む。
 自分の部屋に戻ると玄関の灯りが点かないので、そうやブレーカーを戻しておかないとと暗闇の中懐中電灯を探そうとして、廊下にほったらかしにしていた懐中電灯を踏み潰す。誰か殴りたい。

しつこい宗教 7/10/01

 しつこい宗教勧誘に困っている。最初来た女性が、とんでもない饒舌で血を洗ったらバケツ一杯痰が出てそのおかげでリンゴも腐らないなどとめちゃくちゃなことを喋りまくったので、まったくこれでは基地外部の人ではないかと驚きのあまりいろいろ訊ねたり大げさに相槌を打ったりしたのがよくなかったらしい。この兄ちゃんは脈があると思われてしまったようで、その後同じ人が何度か、続いて別のふたり組が頻繁にやってくるようになった。そのつど似たようなパンフレットを手渡され、今仕事の電話中なのだとかスパゲティを茹でているのだとか女の子が裸で待っているのだとか妻が今にも破水しそうだとか隣が火事だとかこのアパートはあと二分で自爆するなど適当なことを言って逃げているのだが、このごろは一日に二回くらい来る。居留守を使うことにしてドアベルを無視していると、宅配便や新聞の集金が来るときを狙って同時にやってくるという姑息な手段に出てきたりして油断がならない。最近来るふたり組のうちひとりは老婆で「お渡ししたナントカカントカはお読みですか?」といつも上目遣いに詰問するのである。なんですかそれととぼけても、こないだお渡ししたでしょういいやたしかに渡しましたあれは大切なナントカカントカが書いてあってナントカカントカなんですよ、お読みになってないですかと小学校教師特有の厭な口調で詰め寄ってくるのだ。まちがいないあのばばあは元小学校教師である。でなければ中学校いいやまちがいないあれは絶対公立の教師。あ、また来た。
 
縁起よさそうなのをふと思いついた 7/2/01

 酉戌亀鶴卯。
 夢はかなう。

倒立のできるうまい店 7/1/01

 健康のため食べたあと逆立ちしたりするのかと思ってよく聞いたら行列のできる店であった。でも探せばどこかにきっと倒立のできる店もあるいいやある。


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