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スーパーボウル 1/29/01

 見ましたかスーパーボウル。おもろなかったなあなんちゅう試合じゃ。ハーフタイムショウはエアロスミスにブリトニー・スピアーズ(あと「ンシンク」?)だったのでけっこう楽しめたけど、今年も点数などの出方はさほど派手な演出ではなくまあまあな感じ。それなりにかっこいいけどこっちが慣れてしまった。一昨年のずがーんごきーんが懐かしい。日本語音声を選ぶとリプレイのとき出現し画面を横切っていくでかいエンブレムのしょばーっという移動音とか選手紹介のCGアニメのじゅばーんという効果音なんかがまったく聞こえないのでずっと英語で見ていた。あの音がないとめちゃくちゃ普通になってしまうのである。おかげで反則があってもなにが起こっているのかよくわからん。
 しかし今年からだと思うのだが、レギュラーシーズンでもファーストダウンのライン(なんか呼び方があるのだろうと思うが知らないのである)が黄色く表示されてたあれは、いったいどういう仕掛になっとるのだろうか。見てない人には説明しにくいが、つまりフィールド上には存在しないラインが、テレビでは黄色いラインとして見えるのである。カメラは普通に動くのに、そのラインはまるで地面に描かれているかのようにそこにあるのだ。びっくりするのはその上を選手や審判が通るときで、ラインは選手の顔の上に映ったりせずその部分はちゃんと選手の陰になるのである。あれはすごい。アメリカえらい。アイビジョンというのも、マトリックスみたいでかっこよかった。
 国歌斉唱はいまいちだったが、その前にレイ・チャールズがアーメーリカ、アーメーリカと歌ったのはなかなか感動的で、今年のスーパーボウルはこれが最大の見所だったように思う。ところがやはりというかもう慣れちゃったけどNHKはどんくさいので、だらだらと両チームの前の試合の様子なんかをやっていたためこの曲は途中からしか写らなかった。しかもあとで新聞で知ったがスティングも出ていたらしい。今回の最大の見所の半分はNHKのおかげで見ることができなかったわけである。はっはっは蹴ったろか。でも生中継でやってくれるし、民放でやって変なタレントがキャピキャピいうより(あと野球選手とサッカー選手なんかも呼ぶにちがいない)なんぼかましなので、一番まともな放送局でさえこの程度な国に生まれた不幸とあきらめるしかあるまい。
 国歌のときはサンダーバーズのジェット戦闘機編隊飛行が来たがレイ・チャールズのときはステルス機一機が上空を飛んだ。異形の飛行機がごーっと飛んでいく様はめちゃくちゃかっこよかったものの、レイ・チャールズが歌っているときにステルス機というのは、これは洒落なのだろうか。気になった。
 
メールいろいろ 1/26/01

 どうも最近へんなメールが多い。ファンメールらしいのだが「もう作家やめたのか死んだのだと思ってました」みたいなことが書いてあったりする。いやがらせなのかどっちなのかわからない。当方のホームページからリンクしました、というのはちょいちょい来るが先日来たのは当のホームページアドレスが書いてなかった。別に見に来なくていいというようなことも書いてあり、これも単にうっかり忘れたのかなんかの冗談なのかよくわからない。別にいいけど。実際ホームページ作ったのでリンクしました、本の感想も書いてあります、とメールをくれるので、では見てみましょうと「書評」というのを読んでみるとぼくの作品を全然誉めてなかったりすることはけっこう多い。「書評」ならなに書いてもいいと思っているのだろうか。いやいいんだけどね。それをわざわざぼくに言うというのは喧嘩売っとるのか。いやいいんだけどね。しかし「書評」というのもひっかかりませんか。なんで「評」やねんおまえ何者じゃ。ぼくは、「幽霊城のドボチョン一家」をよんで、とてもへんなはなしだなあと思いました。ドラキュラとかオババが、出てくるのがおもしろい。でも、なんだかわからないとこもあって、でも、最後はよかったなあと思いました。みたいなのを小学生が夏休みに書いて何冊分かまとめて綴じ、表紙に「書評」と書いてあったらいやだなあ。いやいいんだけどね別にね。

怪文書 1/22/01

 まちがいだと思うのだがファクスで怪文書が送られてきた。送信元のデータがなにも入っていないためほっておくしかない。しかしなんともわけのわからん文面なのである。
 まずタイトルは「説明要望書」となっていていきなりよくわからない。

昨年の学級委員だった3年生の吉***代さんが候補者名簿に載っているのは、何故ですか。(知るかあ)
候補者選挙の時票、は入っていないと聞いてますが本当ですか。(読点ママ)
どのような経緯で吉*さんの名前が投票用紙に書かれたのか全会員に説明もありませんでした。どうなっているのでしょう。
開かれた本部のはずが、これでは本部の失態が表沙汰になったようなもの。(言いたいことはなんとなくわかるけど、表沙汰になったんなら開かれているような気もする)
吉*さんに1票も入っていないのは、全会員周知の事。(やっぱり開かれているのでは)
泡よく(ママ)次年度に引き継ぐ事ができたとしても、本部組織への不信感と会員のPTA離れを増徴(ママ)した責任は重く、今後の正常な本部運営に悪影響が及ぶ事は避けられないでしょう。
本部役員としての真意と人間としての真意をここに問います。
つ***丘PTA会員

 問われてもよー。
 学級委員とか三年生とか書いてあるので、少々出来の悪い中学生あたりが背伸びして書いたものかと思って読んでいたら、PTAなどと書いてあって、ということはこれは学校に通う子供を持つ親が書いたのか。大丈夫かみんな。書いた人の立場はまるでわからないが、なんだかとても腹を立てているのはよくわかる。もしかすると「本部役員」がものすごく悪い人で、その独裁体制に対しての腹立ちなのかもしれないのだが、こういう文章だとどうしてもこれを書いた人の方がよくない人のように思えてしまう。しかも「PTA会員」と匿名なのであってあっぱればっちり卑怯である。この知性が文書によるいやがらせを自ら思い付き実行に移すとは考えにくいので、近所でも嫌われ者の暗いくらい厭ないやな性格の目の小さな顔の不細工なこのお母さん(ひょっとしてお父さんかなあ)は、似たように誰からも好かれない厭ないやな性格の顔の不細工な太めのお母さんとだけは話ができ、けっこう馬鹿にはちがいないもののほんの少しは頭も使えるそのお母さんにそそのかされたのではないかと思う。その元小学校教師だったという太めのお母さんは本当は自分が本部役員となって偉そうにしたいのだけれど人望がまったくないので選んでもらえず日頃からめちゃくちゃ気分を害しており、なんとか本部役員を困らせたくて仕方がないのだが、自分でなにか言うとまたあんたかと悪者になるのがわかっているため、頭が悪くて友達のいない目の小さな性格の悪い顔の不細工なお母さんを焚き付けてこのような投書をさせたのである。とぼくは想像したのだが、みなさんはこの文章を読んでどんな感想を持ちましたか。書いた人やこの手紙をもらった人の身になって考え、自分ならどうしたか、これからどうすればよいかなど、クラスのみんなと話し合ってみましょう。
 しかしせっかく苦労して(きっとものすごく苦労したと思う)書いたのに全然関係のないぼくのとこに来てしまっているのも間抜け。
 
友人のささやかな冒険その後 1/19/01

「前回までのあらすじ」
 勤め先の同僚たちと積み立てた金でソープランドへ行ったとある友人A氏は、そこで知り合った若いソープ嬢に「今日が初めてなんだけど本当はこんな仕事やめたいの。あなた助けてちょうだいな」と泣きつかれてしまう。狂喜したA氏はその後、奥さんの目を盗み携帯電話を駆使し若いソープ嬢との密会を続けるが、ある日ソープ嬢は情事のあとのベッドで、実は自分が国連事務総長直下組織のエージェントであることを明かす。国際情勢に関わる陰謀などを事前に察知し阻止するのがその使命であるという彼女は、現在進行中の作戦に予想外の妨害が入ったためキューバの軍隊から命を狙われているのだった。突如襲いかかってくるキューバ軍のコマンド部隊、思いもよらぬ場所での空爆、はりつけにされた股間へじわじわ迫り来るレーザービーム、地下巨大プールの凶暴化した巨大ワニの大群など様々な苦難を乗り越えたのち、さあこれからふたりでパキスタンへ赴き闇の帝王として裏社会に君臨する多国籍企業の社長を抹殺しましょうとソープ嬢に誘われたA氏は……
 
 後半はそうだったらいいのになあというぼくの願望が反映されているので事実とは多少異なっているが、なんかそんな話であった。件の友人にちょっとした用事で電話したらまた飲みにいこうという話になり、またしてもおごってくれるというので近くの居酒屋へ晩ご飯を食べにいったのだが、事態は思わぬ展開を見せていた。
 ソープ嬢はバスガイドになったのだそうだ。
 でっ、それからっ、どうなったのっ、と思うところなのだが話はそれだけである。つまらんなあ。

『まとめてあびこくん』 1/18/01

 河内実加さんに『まとめてあびこくん』をいただく。本屋では売ってない本のようなので、読みたい人は全身で悔しがるように。うちの母親は常々カップヌードルシーフードを買ってくるたび一度も会ったことのない「我孫子さんに怒られるけどな」と怖がり「今度はカレー買うからな」と誰にともなく言い訳をするのだが、今回この漫画を読んで恐怖をさらに大きくしたようだ。なんとも恐ろしくておもろい人がいるものだなあ、しかしここに描いてあるのはすべて本当のことなのかと訊くので、寸分違わず本当のことだと教えてやると、そうかあ我孫子さんてこんなまんまるの顔なんかと感心していた。漫画じゃそれは。

果てしない物語 1/16/01

 女性の尻が大好きな大阪の男が理想の尻を求めて世界中を旅するのだが、なかなかこれぞ理想という尻の持ち主に出会えない。永遠とも思える歳月、次元をも越える壮大な旅の果て、ついに本当の恋が芽生えるような尻には出会うことがなかった。「芽生えへん臀部ストーリー」というのを風呂で考えてとても疲れた。ばんざーいばんざーい。

怒濤の軌道修正 1/15/01

 恐ろしいことに二十五枚書けば完結するところを三十五枚以上も書いてしまい無理矢理雑誌掲載用に十枚短くするという人としてあるまじき失敗をやらかしたりしたが、まあなんとか終わった。よしよし怒濤の仕事計画は未だ健在である。多少の軌道修正を余儀なくされたもののなんとかまだ続いている。なんせ金がないのだ大変なのだ。
 さてこれより長編のプロットにとりかかる。なに猿そんなものは知らぬこれからは象じゃ象の話じゃ。それだけでは怒濤の計画としては少々弱すぎるので今月中にプロットの他短編も一本書く。なんなら二本書くいいや書く通天閣平安閣葛飾区。

怒濤の予定が狂う 1/10/01

 今年は昨年末からの勢いに乗って綿密な計画により怒濤のごとく仕事をやっつけていく予定だったのだがたかだか十日目にして早くも大きく狂ってしまっていることに気づいて愕然とする。なんでやろなあ。だがたかだかって読みにくいですか。
 計画では三日まで長編のための資料を読みつつ多少のんびり過ごし、五日にはへんな解説を送り、九日までに連載最終回の二十五枚を仕上げ、今日までにe-novels田中啓文特集のための原稿を書き今日からは長編のプロットにとりかかるはずであった。
 できたのは解説七枚だけだ。おかしいなあ。おまけに風邪をひいたらしく、体のあちこちが痛い。同じ姿勢でじっとしていると首のあたりがくらーっと歪んで椅子から落ちそうになるため全然書けないのである。しかも田中啓文特集に書くやつは田中啓文氏を誉めないといけないのだ。書きにくいなあ困ったなあ。

人質職 1/6/01

 近所のビルの一階にでかでかと書いてあったので、どういう意味かとしばらく悩んだ。ははあつまり犯人が人質をとって立てこもったりしたときなど人質の身代わりになってくれるプロフェッショナルなのだろうすごい仕事やなあしかしハードな仕事内容のわりにえらく和風なつくりでこれではまるで居酒屋と思ってよく見るとなんのことはないただの居酒屋で「職人気質」と二文字ずつ横にばらばらな字で書いてあって「気」という文字が看板に隠れていただけのことだった。

アホな解説を書く 1/5/01

 ものすごくアホな小説の解説を書く。大変疲れた。

内臓テレビ 1/3/01

 新聞に挟まっていたスーパーの初売りチラシに「内臓テレビ」と書いてあった。「小林泰三」みたいな感じのものだろうかと思ってよく見てみたが、写真で見る限りごく普通のテレビである。胃カメラかなにかがおまけについていて、毎日自分の内臓を確認することができるのだろうか。それとも中に詰まっているのは電子機器ではなく生き物の臓器かなにかで、その生体エネルギーによって画像を結ぶ画期的なオーガニックテレビ("Organic Televison")が実はオランダで開発されていてその訳語が「内臓テレビ」なのではあるまいか、といろいろ考えたが実際はよくわからなかった。初売り特別価格三万九千八百円である。

いやな初夢 1/2/01

 年末に連載第二回目を送り、三回目最終回の締め切りまでなんやまだ十日もあるなあと安心している短編があまりにアホのような話なので、こんなんでいいのだろうかと心配しながら寝たせいかいやないやな夢を見た。これが初夢なのかと思い起きてからしばらく呆然とする。
 どこかの大学にぼくは呼ばれているらしいのだが、そこの一室で純文学研究会か映画研究会か、まあとにかく学生オーケストラみたいな雰囲気を漂わせている学生たちが、ぼくの書いたばかりの原稿を手に「へっ、これじゃだめだよナントカカントカが全然成立してないもの。わからないかなあ」とか「あーここもじゃないか。こういうところはさー、ナントカをナントカカントカ化した上でナントカ接続の手法をとらなきゃ小説にならないよ」とか「ぷっ。ここ見てよほらほら。もうほんとだめだよこりゃー。下手とかどうとかっていう問題じゃないよね。信じられないね」などとぼろくそに言うのである。相手は非生産的な単なる学生なので、どつきまわしたって蹴って踏んだって顔にうんこぬすくったっていいようなものなのに、なぜかぼくははあすみません、じゃどうしたらいいんでしょうとめちゃくちゃ怯えているのだった。去年の初夢は広末涼子だったので今年は緒川たまきなんかとどうにかなったらいいなあと期待していたのにえらい違いだ。今もむかむかする。

タカラのビアサーバー 1/1/01

 メディアワークスの忘年会で、ビンゴはさっぱりだったもののジャンケンゲームでは一番になってそこでもらった賞品がビアサーバーだった。本当はなんだか得体の知れないものが当たったのだが、友野詳さんが交換してくれたのである。
 ビアサーバーとはつまりBeerをServeするものであるので体育館の端に置いておくとビールをぼーんとこっちまで飛ばしてくれたりするかというと残念ながらそういうことはしてくれず、ビールをうまく注ぐための機械である。とはいうもののもらったものはメーカーが「タカラ」で、箱から出したときのプラスチックの雰囲気やばらばらと小さな袋に部品が入っている様などはどっから見ても学研の付録っぽい。なんじゃこれは。変な期待を抱かず壁掛けステレオ(かなにか)を選んでおけばよかったと心底後悔する。
 350ミリリットルの缶ビールでも使用できるようになっているらしいので、正月だからということで使ってみたがびっくりするくらいなんということもない、空気で圧縮したビールをぶしゅーっと出すだけのことで、いいのか悪いのかしらないがとにかく泡は増える。一度などビール一本すべてが泡となった。飲みにくいのなんの。
 おそらくもう二度と使わないと思うが箱は笑えた。おもちゃメーカーらしい気配りで、そこには大きく太く「対象年齢:20歳以上」と書かれていたのである。


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