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スーパーボウル 1/31/00

 見ましたかスーパーボウル。今年はなにが残念といって球場に屋根があったことである。せっかくアメリカ国歌が盛り上がっても上空をぎょわーっと駆け抜ける戦闘機の編隊は来ない。なんじゃこりゃこれでもスーパーボウルかいなと思っていたら悪いことは重なるもので、去年と違って点数の出方がかなり普通なのである。去年のがきーんごきーんじゅわーっずいーんと比べると実に地味。選手紹介のときはめちゃくちゃ凝ったCGで、ときどきどかーんとか言いながら真っ白に爆発するのもなかなかかっこよかったものの点数や残りヤード数の出方がなあ。いやあたしかに去年みたいに凝りすぎるより、見やすいのは見やすいのだけれどせっかくスーパーボウルなんだし。ハーフタイムショウもディズニーの『ターザン』がテーマみたいでなんだかなあ。
 と、思ってがっかりしながら見ていたところが後半の試合内容はすさまじく、今年のスーパーボウルを見逃した人は一生後悔するがいいあれを見ずしてなにを見るのか。十六点差を追い上げ第四クォーター終盤同点に戻したタイタンズに、いやあすごいすごいと感心する間もなくすぐさまラムズがロングパス一発タッチダウン。残り二分もないところで、タイタンズはがんごん進み最終六秒でのパスが成功しかしあと一歩エンドゾーン一フィート手前で終わるなんてあまりにもドラマチックすぎる。ドラマとしては今年からチーム名を変え、ワイルドカードから勝ちあがったタイタンズが最後に勝つ方がおさまった気はするが、続編があると思えばこのラストはなかなかのものである『ロッキー』を見よ。どっちもかっこよかったがタイタンズは特にかっこよかった。来シーズンはタイタンズの応援でレギュラーシーズンも楽しめそうな気がする。いやあおもしろかった。よかったよかった。締め切り三つ間際。こんなん見て喜んどる場合か。

雑巾犬 1/30/00

 どこからどう見てもこれは雑巾、というような犬を見た。全身長い毛で覆われているのだが、これがまあとにかく汚い。灰色と黒に混ざってところどころ白かったり焦げ茶だったりする、その混ざり方がいかにも永年使い込んだ雑巾なのである。実は真っ白な犬なのに飼い主が物置の掃除にこの犬を使った結果こうなったのではないか、その場合はやっぱり棒にくくりつけて振り回したのだろうか、それともこの犬は自分からすすんでゴミの中に飛び込んで走り回って転げ回って遊ぶのが大好きなとてつもないアホ犬なのだろうか、としげしげ眺めたのだがやはり元々そういう毛をしているようだった。実に汚い。見ていて笑える。
 しかしあの犬、もしもうちで飼うことになったら問答無用で名前は「雑巾」になるであろうなあしかも漢字やなあと思っていると、散歩をさせている二十歳前後とおぼしき女性が「こらこらこっちよ。こら。モップ」モップ。この女性はぼくの運命の人なのではあるまいか。跳んでいって抱きついて結婚を申し込みそうになったがかろうじて思いとどまる。美人ではなかった。

「れい」の呪い 1/29/00

 「れい」に呪われている。「れい」と書いて漢字変換しようとすると必ずコンピューターがフリーズしてしまうのだ。なにが原因かさっぱりわからない。他にはなんの問題も発生していないのに、なぜか「れい」を変換しようとすると必ず止まるのである。「ことえり」なら変換できるので、問題はATOKかとインストールしなおしてもだめ。Jeditをインストールしなおしてもやっぱりだめ。しかたがないので「ことえり」で仕事をしようとすると、慣れないものでどうやって変換させるのかよくわからずいちいち腹が立ち、これならいつ止まるかわからないATOKの方がまだましだとあきらめる。「れい」を漢字変換しないようにさえすればなんの問題もないのだがメールの返事などで「れいの件ですが」というようなことはつい書いてしまうため、あっいかんと気づきつつも変換させてそのつどフリーズする。「このあいだのお礼に」だと大丈夫なのだが「『なになにとなになにくらい違う』の家元は冬樹れい氏」と書こうとすると止まる。よくわからないままなんとなく冬樹さんになにかされたような気がしてきて、恨みを買うようなことをなにかしたかなあ最近人に恨まれるようなことなどなにひとつああそうかいやいやおちょくって遊んだのはだじゃれ好きでももっと目の細いゆっくりした人だしなあバイメタルって知ってる? しかしまあよりによってなんでこんな切羽詰まった時期に壊れるのか。絶対に偶然であるはずがない。なにか組織的な陰謀だとしか考えられないのである。知り合いの顔すべて思い出し全員を疑う。誰や。やはり一番怪しいのは冬樹れ

騙された 1/28/00

 今月の明石町おこしグループの例会は新年会の大宴会だと聞いていたので、なにも食べずにのこのこでかけていったらまったく普通の例会でひどい目にあった。TMOだかYMOだかTNTだかなんだかそんな話だったと思うがなんのことだろうさっぱりわからない。明石に人がたくさん来るようにするにはどうしたらよいか、というのが年中通じての基本的な議題なのだがぼくは別に来てもらわなくてもなんにも困らないというかどちらかというと来ないで欲しいので元々からして話にならんのである。体調が芳しくないうえに昼飯も食べ忘れたため空腹というよりも飢餓感で目がかすみ、しかも煙草の煙もうもうで倒れて寝込んでそのまま死ぬかと思った。
 宴会だ、というガセネタを流した張本人も食事抜きで来ていたので終わってから二人で居酒屋へ行く。さっと宴会に参加してさっと帰る予定が、無意味な時間をだらだらと過ごしたうえのんびりとビールを飲んで酔っぱらってしまった。締め切りがほぼ同時に三つも迫っているときになんということか。災難にあったようなものである。ぼくはなんにも悪くないのにいいや悪くない。

LEATHERMAN WAVE 1/27/00

 37歳になった。だからといってなにが変わるわけでもないのだが誕生日だと欲しいものをもらえることがあるのでありがたい。去年はダリル・ハンナ似のとある美人から思わずグレゴリーのデイパックなどをもらって驚いたが、今年もソフィー・マルソー似のとある美人がレザーマンをくれた。ナイフやらドライバーやら缶切りなんかが詰まった多機能ツールである。畳むとライターくらいの大きさになってしまうスパイ大作戦みたいな代物で、なんとラジオペンチにもなるのだ。説明書によると「プライヤー」となっているがどう見てもこれはラジオペンチ。以前父親が欲しがっていたので一つ買ったのだが、古いモデルはペンチを使うときナイフなどが内蔵されている握り部分が掌に食い込んでけっこう痛いのが難点だった。ところが今度出た"WAVE"というモデルはそれが見事に解消されており、これはもう完璧ではないか欲しいなあこれがあったらめちゃくちゃ便利さぞかし仕事もはかどるであろうあああれがあったならなあ東急ハンズに売っているのを見かけたなあ欲しいなあ、と数ヶ月前から会うたび呪文のように呟いていたら買ってきてくれた。言ってみるものである。革のケースも前のモデルとは全然違うかっこのいいもので、これだけでも軽く数万円はするせんかそうか。どういうものか知らずに買ってくれたソフィー・マルソー似は、ぼくが嬉しそうにナイフを出したりペンチをぱこぱこ動かしたりして喜んでいるのを見ながら「これで今すぐ脱獄できるね」と目を丸くしていたが、投獄されてもいないのに脱獄はできんと思うなぼくは。

カワトウ 1/26/00

 昨日の「カワトウ」がわからない人のための解説。カワトウとは謎の野球解説者でたとえば実況のアナウンサーが「カワトウさん、ここでピッチャーとしてはどういったボールを投げるのが一番いいんでしょう」と訊ねるとすかさず「わしゃわからん」と答え、新人選手についての「カワトウさん、このナントカという選手ですが、この選手はどんな選手なんですか」という質問に対しては「あー。あいつはええやつですわ」と返す関西ではとてつもない人気を誇る伝説の人物です。

今年のアカデミー賞授賞式 1/25/00

 WOWOWが生中継を放送するらしい。ここ数年NHKの衛星放送が見事に台無しにしてくれていたが、今年はちゃんと見ることができそうで嬉しい限り。NHKはときどきもしかしてとんでもない馬鹿が集まっているのではないかと呆れるようなことをしでかしてくれるが、アカデミー賞の放送はその最たるものだったように思う。年々ひどくなっていた。なんじゃこれはと感じた最初の年は、ちょっと脳味噌の栓が抜けた感じの女性タレントが意味もなく何度も出てきて邪魔でしようがなかったが、ひとつ笑えたのは横にいた気障な男に「ナントカさんはこの映画ごらんになったそうですが、いかがでしたか」と訊かれたときの答えだった。へらーっと笑ってそのタレントは「試写室が寒かった」おまえはカワトウか。

賀来千賀子とチチカカ湖くらい違う 1/24/00

 明石の謎のチャットで謎の女性「あかね」さんが作ったもの。第九とドイツ軍プラモデルが趣味の「いずみ」さんもすかさず「文金高島田と南京玉簾くらい違う」と返歌していた。明石でも流行っています。

夢のメモ 1/23/00

 ネタになりそうな夢を見たときはメモをとるようにしているのだが、今日起きるとメモがあった。ああそうそうなんかメモしたような気がするなあなんにも覚えてないなあメモしておいて本当によかったなあと思って読んでみると「帰ってきたウルトラマンが言った。ただいま」と書いてあって脱力する。大丈夫か田中哲弥。

なんとなく体の調子が 1/22/00

 あれこれとやることが立て続けにあって、深夜ふと落ち着くとなんだか体がだるい。どうやら少し熱があるらしい。アスピリンを飲んだが改善せずなんにもする気にならないので去年のこの日記を読んでみたらちょうど今頃下痢と嘔吐で苦しんでいた。ゲリとゲロ両方合わせてゲリョとかアホなことを言っていた人もいたなあいやしかし二度とあんな目には遭いたくないまたげっそり痩せてしまうと怯え早く寝ようとしたがなぜか全然眠くならず、結局だらだらとビールを飲み過ぎてしまい朝方吐いて下痢もしたぼくは馬鹿でしょうか。

免許証の更新 1/21/00

 車の免許証の更新をしにいく。ぼくは優良運転手なのだそうで黄土色の免許証の持ち主であり、え、あれ金色なのいやあどうみてもあれは黄土色あれが金色なら味噌も犬のうんこも金色である。まあそれはいいけど、とにかく優良な人なのでどんどんなんでも優先される。写真を撮るときもいきなり名前を呼ばれるし、そのあとのナントカ講習も二階に上がって降りるだけ。降りてきていくらなんでもすぐに免許はくれないだろうと本を読み始めたらまたしてもいきなり呼ばれて全行程を終える。たった三十分ちょっとですんでしまった。以前はもっと時間がかかっていたように思うのだが、免許更新センターのシステムが爆発的に改善されたとは思えないのでやはり優良な人だから優先してもらえたのだろう。なにしろぼくは免許を取ってからこれまでただの一度も違反も事故もない。なくはないのだが書類上ないことになっているのである。
 酒気帯びで免許不携帯というとんでもない状態で検問に引っかかったこともある。駅まで送っていった女の子に財布を持ってもらっていたのをすっかり忘れていたそのとき止められたのである。年輩の警官に免許を出すよう言われ、あーいや免許はここにはなく今はおそらく電車の中で大阪方面に向かっているはずですなどと答えたところなぜかこれが警官に受け、なにやらを照会するのでしばらく待つようにと言われて待っているあいだ仕事はなんなのへえ若いのになにもうそんな歳なのかほな子供もなんやてまだ独身ご両親安心させたらないかんがななんで結婚せえへんねんな、大きなお世話じゃと思うような話にえんえんとつきあわされ、いったいこの罰金はいくらになるのだろうかとぎくぎくしているのに警官はにこにこ笑ってたしかに免許はあるようですなあはははでは行ってよろしい。え、いいんですか、と驚くと「うん。まあ今日はええわ。がんばりや」と言って笑っていた。今日はええてあんたなんといいかげんな警官だろうか助かったけど。おかげで今回もまた黄土色免許をもらえたのだった。え、あれ金色なの。

えらいものを買ってしまった 1/20/00

 いやなにまた腕時計なのだが、今度のものは洒落ではすまないのである。通常では考えられないほど安かったうえに、口のうまいアキンドにそそのかされたためつい手を出してしまったものの、銀行通帳が真っ赤っかの人間がする買い物ではない。えらいことをしてしまったなあと怖くなりつつ、眺めると嬉しくなってにやにやしてしまうのだった。やっぱりよい時計はよいものである。機械ぎっしり尻尾まで機械でなんと驚け月にも行けるのだ。そうそう『猿はあけぼの』第一部でお猿のショウちゃんがしていたやつなのだなあこれは。もっと嬉しくなろうと思って『アポロ13』も観る。さあみなさん、この代金をいかにして支払うかが問題です。なんとかしてくれあとはまかせたぞ。

PEPSI スター・ウォーズ・カレンダー 1/19/00

 どこでどうすればもらえたものなのか未だにまったく知らないのだが、えらくかっこいいカレンダーなのである。去年、とある親切なSF関係者が一部送ってくれ、あまりにもったいないので使わずしまっておこうなどと言っていたらわざわざぼくの仕事場までさらに二部持ってきてくれたので大変驚きつつ喜ぶ。聞いて驚けこの人は東京に住む人なのである。実家がこっちの方なので、帰るついでにというような話であったがちょっと途中というわけではなくわざわざ遠回りしてくれたのは明らかSF大会のときはビールもつまみも買ってくれたしいやまったくなんと親切な方であろうか。心から感謝しつつさっそく一部壁に飾る。一月二月はアナキンとポッドレーサー。実にかっこいい。スター・ウォーズのカレンダーは輸入もののやつを一部別に持っているのだが(これももったいないので丸めたまんま)二千円近くしたこれより、ペプシのやつの方がずっといい。横に"PEPSI"とでかでかと書いてあって、これがまたかっこいいのである。
 ここはやはりコカ・コーラではなくペプシしかあるまいなあと感心してしまうのだが、これはテレビコマーシャルなどによって巧みにマインドコントロールされているせいなのだろうかと考えると少々気が悪い。スター・ウォーズ・キャンペーンをコカ・コーラがやっていたとしたら、やっぱりコカ・コーラやなあかっこええわと感心してしまうのかなあ。エピソード4の最初の公開時はたしかコカ・コーラがキャンペーンをやっていたような覚えがある。しかしそうは思うもののたとえばペプシのロゴの代わりに「日の出新みりん」とか「シマヤだしの素」などと書いてあったらあんまり嬉しくないような気はするな。イボコロリとか。
 そういえばと言いながら全然話は違うのだが、神戸になんとかいうFMローカル局があってぼくはここの放送を聞いているとたいていむかむかして死ねおまえはアホかなにがだよねえそうなっちゃうんだよねえわかるわかるじゃなどと怒鳴りながら別の放送局に替えるか切るかしてしまうほど嫌いなのである。全部が全部嫌いというわけではもちろんないが、なぜかぼくが聞くときはへなへなした声で話す壊滅的に頭の悪い気障なホスト口調の結婚詐欺師みたいな男か、まるでおもしろくもない人まねギャグを寒々しく連発しながら自分では芸達者と勘違いしている大学の放送部くずれみたいな男のどちらかなのである。どちらもその声をきくたび放送局に対するテロを画策する。
 しかし、これが書きたかったのだが一度だけ大笑いして楽しかったことがあるのだ。ああいう連中というのはやたらと英語を使いたがり、ある日ぼくがラジオのスイッチを入れたそのときも言葉の端々にばんばん英語の混ざったへんな声が聞こえてきた。Yesterday,ぼくが元町の方をwalkingしてたときにHey men! 驚いちゃったよWhat the hell! とかそれでかっこよければ文句も言わぬがどうにも素人なので聞いていてぞわぞわする。わあまたこいつかなんでだれもこいつを殺さんのだとチャンネルを替えようとした瞬間、この弩阿呆がなにを言うかと思えば"This program is brought you by えべっさんのお米、阪神米穀"ああ悲しくもおもろいローカル局。

いろいろあったが 1/12-18/00

 めんどくさいので一週間とばす。

一日不調 1/11/00

 信じがたいことであるが、朝の八時過ぎに編集者からの電話で起こされる。まだ、これから寝るところだろうと考えてのことらしいがもう寝ていたのである。
 あまりのことにそれ以上眠れなくなり、しかし二時間ちょっとの睡眠では頭がはっきりしない。缶ビールの一本も飲んでもう一度寝ようと思ったら悪いことは続くもので冷蔵庫にビールはなかった。今思えば、風呂でも沸かしてゆっくり浸かり、そのまますっきり起きておればよかったのだが、どんよりした頭に「ビールがない」という衝撃は相当なものがあり、なにを思ったか服を着替えて朝から酒屋へビールを買いにいく。歩いて五分ほどのところに早起きな酒屋があるというのもよくなかった。
 朝っぱらから髪の毛に寝癖をつけたままでビールを買うと、とことん人間の屑になったような気がして、ここまでくるとかえって清々しい。もはや怖いものはなくテレビのワイドショーを見ながら同時に本も読みつつビールを飲み、よしよし眠れそうだと思い始めたのがすでに昼前。なんにもない日はなんにもないくせに、こういう日に限って次々と電話がかかってくる。出かけなくてはならない用事も思い出す。ちょっとだけでもと思いコンピューターに向かってもなんにも書けずなぜか何度もフリーズする。ものみの塔が二回も来る。
 結局そのまま一睡もせず、今日は早く寝るのだ寝るのだ寝るのだべえろしゃのまかほだらまにはんどまじんばらはらばりたやと念仏のように唱えながら夜を迎えたが夜中になっても目は爛々全身どんより肌はかさかさ通帳は真っ赤っか。人はこういうとき無差別殺人に走るのではないかと思う。

"NOTHING TO LOSE" 1/10/00

 これまた大当たり。かなり前に録画していたものだが、ショートショートのネタがなあんにも思いつかないのでくさくさして適当にビデオデッキに放り込み、期待もせずに観たのだが爆笑した。監督はスティーヴ・オーデカークという聞いたこともない人で主役はティム・ロビンスとマーティン・ローレンス。ティム・ロビンスはコメディもいけるんですなあこの人も好きや。
 妻に浮気をされて自暴自棄になったエリート白人男が、浮気発見直後に黒人の強盗に襲われるがまるで恐れずそのまま一気にめちゃくちゃに突入する、という展開はぼくの好みのど真ん中である。少し前ならジーン・ワイルダーとリッチー・プライヤーでやりそうな話。この手の話はラストがどうなるか事件が始まった瞬間からおおよそ予想がつくのだが、それでも観たあとはやっぱり幸せ。スタッフ・ロールが終わったあとのワンシーンも笑えた。今日も得した。

"FACE" 1/9/00

 昼食をとろうとして、なにげなくテレビをつけたらWOWOWで『フェイス』というイギリス映画をやっていた。まだ始まって五分ほどだったみたいだが、ぼくは途中から映画を観るのはあんまり好きではない。やめようと思ったところが主役の男優がめちゃくちゃ渋くて圧倒され、そのまま最後まで見てしまった。これは得した。こんな映画、聞いたこともなかったがこれは渋い。裏切り者が誰であるかというのは、最初からなんとなく気づいてしまうけどそれでも最後までずーっとおもしろかった。WOWOWの解説によると主役はロバート・カーライルという人で他にはけっこう話題になった『フル・モンティ』に出ているらしい。将来を嘱望されている逸材というようなことも書いてあり、ほほう俺もなかなか見る目があるなと悦にいる。そういえば昔、たまたまテレビをつけたら映っただけの『愛の天使』という昼のメロドラマで、当時まだ全然売れてなかった渡部篤郎(字は合ってるだろうか)の演技にいきなり圧倒され、ひっくりかえりそうになってこれはすごいと最終回まで欠かさず見たことがある。今の彼の活躍を思うと、やはりこれはなかなかの達見だったのではないかと思うのだが結局これは誰にでもわかるほどものすごい役者だったということなのだろうなあ。
 『フル・モンティ』は録画してあるのでそのうち必ず観るとしてこのロバート・カーライルという人、他にはなにか出ているのだろうか。いやまったく今日は得した。

ランプを買いに 1/8/00

 輝鷹あち氏と友人夫婦の出産祝いのランプを買いにいく。ランプ、などと言うのでてっきり油を入れて灯をともす原始的なものだと思っていたのだが、ちゃんと聞けばなんのことはない単なる照明のことであった。つまり夜になってから赤ん坊が泣いたりしたときに「ムードのあるライト」があると嬉しいと、そういうことだったのだ。つまらん。
 悩みに悩んだ結果、蛸壺のようなものを選ぶ。三宮の東急ハンズで買ったのだが、いつだったかシティボーイズのライブに出演していたいとうせいこう氏の一発ギャグに「東急ハンズの店員は要領が悪い」というのがあったが本当だった。あんたはミスタービーンかというほどものすごくて、笑いをこらえるのに死ぬ思いをした。いやああんなにおもしろいのなら、これからもちょくちょく東急ハンズで買い物をすることにしよう。

『本の雑誌増刊』 1/7/00

 驚け皆の衆。『本の雑誌増刊 おすすめ文庫王国'99』という雑誌の「今年の収穫ベスト10・SF」のところで『やみなべの陰謀』がベスト10に入っているのである。わっはっは。他には小松左京、半村良、E.R.バロウズ(敬称略)といった恐れ多い名前が並んでいる。わっはっはどんなもんじゃ恐れ入ったか。でも『やみなべの陰謀』はもうたいていの本屋には売ってなくて静かに絶版を待っているだけなのだ。わっはっはどうじゃ情けないだろう。

ショートショート 1/6/00

 さて。怒ってばかりもいられないので、まるで動かぬボケ猿を中断し締め切りの近いショートショートに取りかかる。しかしなーんにも思いつかない。あれこれひねり出してはみるものの、どうもなんかありきたりな気がしてしまうのだ。もしかしてショートショートというのは実は非常に書くのが難しい形態なのではあるまいか。いやいや。なにもショートショートの仕事がいやだと言ってるわけではない。全然ない。ああ楽しい。あっ。いやいや。そういう難しい形態であるショートショートでデビューしたということは実は田中哲弥というのはある種の天才なのではないかなどと言いたいわけでも決してない。そんなこと全然思っていない。いやいやいや。ショートショートは難しい、だから三十枚の依頼でも百枚書いてしまうような作家は馬鹿で無能だなどと言うつもりもない。全然ない。バイメタルって知ってる? ああいやいや。しかし困ったな。

なんで今年から 1/5/00

 これも今頃気づいたが、なぜかみんな今年を新しいミレニアム最初の年などと言っている。ではこれまでは一個のミレニアムと999年しかなかったことになるけどそれでいいのか。だいたい平成だとか昭和生まれだとか言ってる国でミレニアムもなかろう西暦使いはじめて何年も経っとらんだろうが忙しい年暮れの夜中になにがミレニアムウェディングじゃアホめなにが歴史的な瞬間に結ばれたいじゃなにがミレニアムベイビーじゃそいつがあと千年なにかしてくれるとでも言うのか暦の数字が揃うのがそんなに大事なことか。けっ。はて、わたしはいったいなにに怒っているのでしょうな。

ミレナリオ 1/4/00

 今頃知ったのだが、東京でもルミナリエをやったらしい。その名も「ミレナリオ」かんべんしてくれ聞いた瞬間爆笑してしまったではないか。いっそそのまま「ルミナリエ」としておいた方がなんぼかまし。いかにもパッチモン臭くて首都のやることとも思えぬ。この手の恥ずかしいものはたいてい外国の真似に決まっていると思っていたが、東京が神戸の真似してどうするのだ小京都連合じゃあるまいし。こういうことが恥ずかしいという感覚はないのだろうか。日本の戦後は外国のモノマネで栄えてきたのだとかそういう背景もあるのかもしれないが、安易なモノマネで金を稼ごうとするのはそろそろやめてもらいたい。人ごとながら恥ずかしすぎる。車や電化製品なんか恥ずかしいもののオンパレード、二流のどうでもいい安物ならともかく、それが日本の主流なのだどうかしている。イベントにしても日本アカデミー賞とかツール・ド・北海道とか、やることが同じだとしてもオリジナルの名前をつければそれなりに様になったかもしれないのになんでこういう名前をつけてしまうのかその感覚が情けない。NASDAもかなり恥ずかしい名前である。私たちニセモノなのよーん、と胸張って言っているようなものだ。もうちょっとひねった名前にできんものか。なにでは「ヒネル」ではどうかだとアホかひねってないがなそのまんまやないか脳味噌あるのか。

『ねらわれた学園』 1/3/00

 ずいぶん前にWOWOWでやったのを録画していたのでなんとなく見たのだがなんじゃこれは。

初夢 1/2/00

 広末涼子を可愛いと思うのさえいけないというのに実家のぼくの部屋には広末涼子が住んでいて、ぼくに大変なついているのでとても嬉しいのだが世間にばれたらえらいことになる。いまさらどうしようもなく困ったことになったともう数年以上も悩んでいるのだ。この広末涼子は肩から上だけしかなくて腕や鎖骨なんかはあるもののおっぱいのあたりはなく遊星からの物体Xみたいに器用に両手だけで歩き回るのだが、その姿もなかなか愛らしくてどうやらぼくはこの肩から上だけの広末涼子のことをものすごく愛おしく感じている。当然これは実家に住む両親には内緒で住まわせているのである。両親にばれると事情を説明しにくいし、さぞかしショックを受けるだろうと思いどうしたものかと思案しつつ布団にくるんで隠しているというのに、どういうわけか年が明けたとたん突然この広末涼子のおっぱいから下もぬるぬるとできあがってしまい、頭の片隅ではちゃんと下半身もできたから結婚できるし両親に紹介もできるなと思うのだがいやいや可愛いとは思っても結婚とはまた別問題やはり芸能人と結婚するのはいやだしなあでもとりあえずこれで抱けるわなあなどとちょっと喜んでいると綺麗な脚まですらりと見せて裸の広末涼子が抱きついてくる。わあ可愛いとベッドに引っ張り込もうとしたとたん突如部屋に出現した医学博士にあかんあかんと邪魔をされキスもできずなんであかんのやと訊ねると真剣な顔をした医学博士が「まだ猿も書けてないんやろ。ショートショートと血の短編どないするんや」と非常にリアルないやなことを言ったため血の気が引いて目が醒めた。
 まあしかし広末涼子の鼻はなすびに似ているので、縁起はいいかもしれない。

2000年の最初にしたこと 1/1/00

 久しぶりに実家で寝たので勝手がわからず、なんとなくぶらっと外に出たところアホ犬よだれがいそいそと跳びだしてきたので何気なく近寄り、あいかわらず間抜けな顔をしておるなあ目ヤニまでつけて、とつくづく呆れながら目ヤニを取ってやる。取ってやりながらこれが今年最初にしたことかとはっと気づいて腹が立ち、裏返すのも踏むのも面倒だったので犬用ビスケットというのを柵の外に置いてやってオアズケ、ハイヨシッというのをくりかえして遊ぶ。ハイヨシッと言われたところでビスケットは柵の外なので鼻が柵にぶつかるだけなのであるが、アホな犬の頭の中では許可はもらったのにおかしいなあと混乱するため首を傾げたり前足を伸ばしたり、こっちに助けを求めて吠えたり地団駄踏んだりする。今年もアホな一年になりそうな気がする。


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