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波瀾万丈 12/31/01

 筆舌に尽くしがたいほど波瀾万丈の年末であった。ほんとにすごくておもしろかったのだが筆舌に尽くしがたいため書けないのである。来年もよろしく。

雅楽 12/28/01

 雅楽が流行っているとかいうことで、

 と、けっこう書いてから仕事で使えることに気づいたので、書かないでおく。

M-1グランプリ 12/25/01

 優勝はがちがち本命の「中川家」で、ぼくもそれでよかったと思うのだが、他の出演者に対する評価はちょっと待てよというのがけっこう多かった。まあ人それぞれだからとはいうものの、大阪の一般審査員というのは選んで選んで馬鹿ばっかり集めたようで哀れであった。ダウンタウン松本の評を先に聞かせていたら「麒麟」の点数は何倍にも跳ね上がっていたに違いない。あの人たちは自分でなにがおもしろいのか判断できないのである。吉本興行で仕事をしていた頃、やはりああいう客ばかりやってくる小さな小屋で働きながら「ここに来る奴来る奴順番に地下深く突き落として埋めていけば、大阪の街も多少はましになるのではないか」と会議で発言して白い目で見られたことがある。ほんとはもっとものすごいことも言ったのだが、その場の人々がことごとく引いたうえにぼくのことを化け物扱いしたのでここには書かない。しごくまっとうなことしか言っておらず、なにがいけなかったのかは今もわからないのだけど。

『アウト・オブ・タウナーズ』"The Out Of Towners" 12/23/01

 ニール・サイモン脚本の『おかしな夫婦』のリメイクである。スティーブ・マーティン、ゴールディ・ホーン、ジョン・クリーズというキャストはぼくにはめちゃくちゃ豪華。ジャック・レモンの出ていた映画とは、いろいろと細部が変わっていて、それはそれで大変おもしろかった。しかしなによりラスト付近でスティーブ・マーティンがシャワーを浴びながら歌う「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」が抱腹絶倒で文字通り腹を抱えてのたうちまわる。今こうして書きながら思い出すだけで笑ってしまう。『スペース・カウボーイ』ではあんなにかっこよく使われていたのに、今後この歌を聴くたび笑ってしまうことになるだろうと思うと複雑な気分である。なんでスティーブ・マーティン、日本では人気が出ないのかなあ。

郵便局で謎の会話 12/18/02

 とある女性に年賀状を作ってくれと頼まれていたのだが、渡された年賀ハガキを見ると「再生紙はがき」となっている。「インクジェット紙」いうやつの方がええんやけどなあと言ったとたん居丈高に、ではぐずぐずせずに郵便局に行って交換してもらえばよかろうなどと命令するので逆らえず郵便局へ交換してもらいに行った。対応してくれたのは初老のオババで、なにかに困っている人だった。
「まちがえて再生紙の年賀ハガキを買ってしまったのですが、これインクジェットのものと交換してもらうことはできますか」
「インクジェットのハガキはもうないんです」
「ああそうなんですか。では、インクジェットのハガキがある郵便局でなら、交換は可能なのですね」
「インクジェットのハガキはもうないんです」
「でも、在庫のある場合は、交換はしてもらえるんですね」
「ですから、インクジェットのハガキはないんです」
「いやあの、他の郵便局に行けば、こういう交換はしてもらえるのかなあとその……」
「もうないんです。インクジェットのハガキ」
 小林泰三をぶつけたい、と思ったことである。

『チューブ・テイルズ』"Tube Tales" 12/17/02

 短編九つのオムニバス映画。見るともなしに見ていたのだがめちゃくちゃ気に入った。特に"Bone"はよかった。

お好み焼き屋で忘年会 12/15/01

 毎年恒例になった忘年会に今年も参加する。短編のゲラが、めちゃくちゃタイトなスケジュールで出てきたため昨日はほとんど寝ておらず、眠らず食わずの状態で飲み会に参加するなんて仕事してますいう感じやなあと思って威張りたくなる。セーブして飲んだつもりだったがでろでろになって仕事場に戻り、風呂に何度も入って酔いをさましながらゲラの残りを直す。こんなにしんどいのに仕事しているなんて、めちゃくちゃ立派なんとちゃうやろかと自分で感心しながらどんどん直す。どっと書き加えたところが全然見当違いな場所に挟まったりしてしまうと困るなあと不安になりながら結局ゲラは冗談抜きに真っ赤っかっかになった。
 宅急便で送るため明け方ローソンに行くとけっこうたくさん客がいて、みんな夜更かしなんやなあと感心したのだがあれはみんな早起きなのだと後で気づく。仕事場に戻ってからなんとなくもう一度ざっと短編を見直すと、あっここ、あっここも、ああっここもっ、と次から次に変えたいところを発見するがもうどうしようもないのだった。いつものように、すべて忘れることにする。
 ビール飲んで寝る。

三ノ宮でライブ 12/8/01

 田中啓文氏がライブに出るというので聴きにいく。以前西明石で聴いた「LUCKY OKAとよせばいいのに」というユニット。SF大会のとき我々が演奏する曲目をテープで送ってもらうつもりが、田中啓文はなにを思ったかこの「よせばいいのに」のテープを送ってきてしまい、しかしこれはめちゃくちゃよかったので今年の夏はこのテープばっかり聴いていたのである。今でもよく聴く。仕事場に遊びに来た友人たちも例外なく気に入っていたので、曲の水準は相当なものだと思う。今回のライブでは、田中啓文のサックスははっきり浮いていたけど。
 ライブの後半は「ざ・ちんおぴいず」という(へんななまえ)男女のデュオで、こちらは初めて聴いたのだけど女性の歌声があまりに見事でびっくりする。なんでみんなCD出さないの、と不思議に思いつつ、街に流れるハマサキアユミの苦しげで微妙な音程を耳にして、しゃがんで泣いて寝込んでしまいたくなった。みなさん、日本はどうなってしまうのでしょう。

セブンイレブンの策略に嵌る 12/4/01

 真夜中セブンイレブンへ行くと、発泡酒「麒麟淡麗」の450ミリリットルボトル缶が通常より十円安かったので、これを四本買ったのだった。すでに酔っていたため金を払うときなんとなく高いのではないかとは思ったもののあまり気にせずそのまま帰ってきて驚いた。なんと四本のうち二本が「麒麟一番搾り」ではないか。これはちゃんとしたビールなので発泡酒とは比較にならないほど高額なのである。味はというとこれが淡麗も一番搾りもおんなじなのである。他の人はしらないがぼくにとってはおんなじなのである。めちゃくちゃ損だ。あまりのことに視界が黒く失われしばらく息が止まって全身紫色になって死にかける。しかし見れば見るほどデザインもよく似ていて、一番下の棚に置いてあるとまったく見分けがつかない。あれは一番搾りを売るため淡麗十円引きの表示で客を引き寄せそのうえでわざとまちがえるように混ぜていたのに違いないいいやまちがいないいいや絶対そうに違いない。どうしてくれよう。
 
魚屋の二階で宴会 12/1/01

 全然知らなかったのだが明石「魚の棚」の有名な店「魚兵」(うおへい、ではなくて、うおひょう、であるらしい)の二階が飲み屋になっているのだった。そこで珍しくも高級な日本酒を飲み比べ、新鮮な魚や鍋を食す会が催されたわけだが、毎度のことながらぼくはどれだけいい酒を並べられても珍しい魚を出されても特に違いはわからずただひたすら目の前にあるものを口に入れていくだけである。しかし集まったのはものの見事におっさんばっかりで、実にもっちゃりどんよりした会であった。どういうわけか出身高校を順番に発表することとなり、おお君も俺とおんなじ高校かあ! などと異様に盛り上がっておったが落ち着いて考えれば、まだ明石市にいくつも高校などなかったころに青春時代を過ごした明石土着の人々がほとんどなのだから出身高校が同じである確率はめちゃくちゃ高いのである。当然ぼくとおんなじ高校出身の人もたくさんいて、たまたま隣に座った人もそうだったのでふと訊ねてみたら、やはり例の全国大会出場には寄付したのだそうだ。とてつもない額が集まったとも聞いて仰天しつつ、そこで完全無欠な詐欺を思い付いた。あまりに完璧で恐ろしいくらいであるが、もちろんそのうち実際やって大儲けしようと思うのでここには書かないのである。


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