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『かまいたちの夜2』サイン会 8/31/02

 我孫子武丸、田中啓文、牧野修の三氏が大阪でサイン会をするというので遊びにいった。直前の情報では、お客さんはけっこう来そうだということだったので終わる少し前の時間に大阪ヨドバシカメラに到着すると、とっくに終わってしまっていた。なのでサイン会のようすはまったく知らない。藤原ヨウコウさんや藤木稟さんたちもいっしょで、そのままなにかよくわからない料理の店に行ってなにかわからない料理を食べ、続いてへんな店でビールを飲み、そのあとなぜかキタの新地でご馳走をいただく。
 久しぶりに終電で帰宅。

『ギャラクシー・クエスト』"Galaxy Quest" 8/29/02

 録画していたのを観たのだが、これは今年のベストワンまちがいなしだなあ。めちゃくちゃおもしろい。みんなも観るように。

御茶屋遊び 8/26/02

 ガイナックスの武田さんに誘ってもらって京都の御茶屋さんで遊ぶことになる。京都河原町の駅前から電話すると「南座の前で待っとってください」などと言われてうろたえた。どこやそれこんなごちゃごちゃした見知らぬ土地でそんなものがぼくに発見できるものだろうか。そんな冒険に出るくらいならこのまま帰ろうかと思う。ところが適当に歩いていったらいきなり南座は目の前にあり、あまりの見事さに感動したので友人に電話してこの快挙を自慢したらアホかと言われた。
 少しして武田さん菅さん夫妻、山賀さん、そして新婚旅行中だという庵野さん安野モヨコさん夫妻がやってきた。モヨコさんとは初対面。菅さんとモヨコさんは和服姿で実に艶やか。それにひきかえぼくは普段どおりのTシャツにジーンズで「まったくいっつものまんまですなあ」と武田さんに感心され菅さんには「舞妓さんにモテよういうような気ぃはありませんのんか」と呆れられる。でもこの格好以外となると今のぼくの場合いきなり礼服になっちゃうしなあ。
 モヨコさんの着ている着物は菅さんのもので、菅さんが似合いそうなのを選んで菅さんが着付けもしたのだそうだ。全部私がしましたの、と菅さんは無邪気にストレートにどんなもんじゃと自慢するのだった。そういうときの菅さんは、ものすごく女らしくてどきどきする。
 のんびり京の町を歩いて御茶屋さんに到着。法被を羽織ったおじいさんが江戸の頃からずーっとやっておりますというように丁寧に出迎えてくれて、いきなり異空間である。中に入っても異空間。出てくる料理までが異空間で、箸で摘んだとたん突如ワームホールから隣に芸子さんが出現したりした。
 芸子さんと舞妓さんと、あともうひとり死にかけのミイラみたいなのがやってくる、と言ったのは武田さんだったが、実際そのとおりだったので驚いた。若いうちが舞妓さんで、年季が入ると芸子さんへと出世するのだというのは初めて聞いた。また舞妓さんは自前の毛で髪を結うけど、芸子さんは鬘だということも教えてもらう。おばあさんの芸子さんは一番よく喋り、なるほどそうなのかと芸子のしきたりについて感心しているぼくに、芸子の髪は今日はなんとかかんとかの結い方であるが秋になるとなんとかかんとかになって髪飾りもあれはなんとかかんとかでそのうちなんとかかんとかでなんとかかんとかがなんとかかんとかになることもあってほれあの舞妓の方はあんた今なんとかかんとかでっしゃろ、とものすごく熱心にいろいろ説明してくれたのだがまったくなんのことかわからなかった。
 御茶屋を出てから、本当なら一泊数十万円とも言われる庵野さんご夫婦の泊まっているスイートルームに遊びにいって、そのあと菅さんの家に泊めてもらって朝まで遊ぶという予定だったのだが驚いたことにぼくにはやらねばならぬ仕事があり、もっと驚いたことにぼくは誘惑に負けず仕事を優先し泣く泣くそこでお別れした。
 あのまま遊んでもよかったかなあ楽しかったやろなあもったいないことしたなあとひとりで帰る電車の中でしくしく後悔したのだが、こうやって仕事のために途中で帰るぼくって偉いなあとものすごく感心したりもした。みんなも感心するように。

電車内の会話 8/24/02

 学生風の若者ふたりが喋っていて、ひとりはF1の、おそらくはウィリアムズのパンパブロ・モントーヤのファンであるらしく、しきりにそのすばらしさを語っているのだった。
「でな、パンパブロ・モントーヤはそのままの勢いで、キミ・ライコネンをすぐ次のコーナーでパスしてな」
「なにしたて?」
「パスや。つまり、追い抜いたんや」
「追い抜いたん。ボールはほらへんのか」
「ほるかい。でな、ほたらキミ・ライコネンがな」
「それ人の名前?」
「そうや。キミ・ライコネン、いうやつがおるんやマクラーレンに……」
「キミ・ライコネン?」
「ああ」
「ぼく、ドラえもん」

セミ 8/22/02

 夕方交差点で信号待ちをしていると、アブラゼミのじゅうびゆびやびゆびゅやというけたたましい鳴き声とともにサラリーマンらしきスーツ姿のぱりっとした中年男性が歩いてきて、そのまま目の前を通り過ぎていった。背中にあれほどの大音声で鳴くセミをくっつけながら普通気がつかないわけはないので、あれはわざとなのだろうなあ。気づいてなかったのかなあ。

美少女からのメール 8/21/02

 高校時代の後輩の女性から、ホームページを見つけたと言って突然メールが来る。仲間内で飲みながら今でもときどき話題に出るほど美しい女の子だったのでディスプレイの前でどきどきと緊張してしまった。二十年近く会っていないにも関わらず、あの子本当に美しかったなあと事あるごとに思い出していたせいで、まるであの頃の可憐な女子高生からメールが来たように感じられてしまうのである。
 もちろんここは「女子高生」にときめいたのではなく「美しいこと」の方に意味があるのでお間違えなきよう。平凡な女子高生より美しい三十八歳の方が百万倍好ましいに決まっているので、現実を理解したうえでも充分どきどきするメールではあったのだが、それでも「あの時間のあの美少女」からのメールだという感じにはくらくらするほどときめいた。実に不思議な感覚であった。またメールくるといいなあ。
 
『エースをねらえ!』 8/18/02

 このところWOWOWで『エースをねらえ!』のアニメをやっている。初期のアニメは小学生のとき見ていて女の子のマンガなのにずいぶんおもしろいなあと思ったものだが今見ても相当おもしろい。今日はその最終回で、続いて『エースをねらえ! 2』が始まった。さらに『エースをねらえ! FINAL STAGE』というのに続くらしい。最初のアニメとは雰囲気がかなり違っていて、どうもどこかで見た感じだなあと思って気が付いたのだがこれは『あしたのジョー 2』だ。きっと作った人がおんなじなのだと思う。
 なるほど『エースをねらえ!』というのは女の子の『あしたのジョー』なのかと妙に納得した。「打つべし! 打つべし!」の代わりに「わかるものか! わかるものか!」なのかな。岡ひろみの声が『2』からは前のあの舌足らずな声と違ってしまっているのは非常に残念。あの声は実によかった。アニメ史上一番可愛い声ではないかと思う。マキの声は前と同じ菅谷政子で、この人の声もぼくは『宇宙少年ソラン』のときからずっと好きなのでこれはよかった。ぼくが声優さんの声を最初に意識したのはこの人だと思う。しかしそれはともかくお蝶夫人とか緑川蘭子とか、あんな偉そうで居丈高な高校生と同級生でなくて本当によかった。
 
ビデオデッキもらう 8/16/02

 ビデオデッキの修理には少なくとも一万円くらいかかるというので新しいやつを買おうと思い、最近のビデオデッキの相場はどのくらいなのかとオーディオに詳しくしかも金に細かいことでは人後に落ちぬ損得勘定の帝王、輝鷹あち氏に尋ねたところちょうど古いやつが一台余っていて邪魔なのであげようと言う。くれくれともらったが実にラッキーであった。
 しかし十年前の古いビデオデッキは他にも数台なんともなく動いているというのに、その少しあとで買った分ばかりことごとく数年で壊れたのはこれは偶然ではあるまい。いろいろ商売の事情があるのだろうけど、テープがパーになるような壊れ方だけはしないようにできないものか。すべてのユーザーの立場になって考えろとは言わぬが、オレに迷惑をかけるな。

『スター・ウォーズ』の食玩 8/14/02

 近所のセブンイレブンに行くと、スター・ウォーズの食玩があった。全五種類と書いてあるが四つしか残っていない。しかたないなあと四つ買うと、ダース・ベイダー以外の四つで、ひとつもだぶらなかったのでめちゃくちゃ嬉しい。AT-ATとかいうのの代わりがダース・ベイダーだったら文句なしだったのだがまあこれはまあラッキーな方と言ってよいであろう。サンダーバード以来食玩ではまったく損をひいたことがなく、世に食玩選びのプロがいるとすればぼくは明日からでも大活躍できるのではないかと思う。『アキラ』だって、まああれは食玩ではなくガチャポンのカプセルがコンビニで売られていたわけだけど、金田のバイクが欲しいと思って二個買ったらまさに金田のバイクと、レアものクリアバージョン金田のバイクだったのである。これを才能と言わずしてなにが才能か。クリアバージョンは手抜きだという人がアニメの会社にいたが、あんなのは負け惜しみである。ほしいくせに。

ビデオデッキが壊れる 8/13/02

 前からおかしかったのを騙しだまし使っていたところ、ついに壊れた。ただテープを入れるだけで、取り出しのときぐっちゃぐちゃに絡まってしまうのである。BSチューナー付きデッキはこれしかなく、おかげで『バンド・オブ・ブラザース』が録れない。せっかく『学校の怪談』テレビ版傑作選を録ったのにテープがパーである。録りながら見たけど、これはかなり怖かった。これは保存版だ大事に置いておこうと思ったなぜこういうときにわざわざ壊れるのか。なにかの呪いか。誰や。誰のせいや。知り合いの顔すべて思い出して全員を疑う。ゆるさん。
 
『インビジブル』"The Hollow Man" 8/12/02

『インビジブル』という日本のタイトルはぼくでもどうかと思う。我孫子さんは怒り狂っていることだろう。
 おもしろいのだがどうしてもケビン・ベーコンの視点で見てしまうようになっているので、敵役というか正義を貫こうとする側の男女がうっとうしくてカタルシスが感じられないのだった。ケビン・ベーコンがもっともっと好きなことやりまくって暴れまくりの殺しまくりだとずっと楽しかったのにと思う。
 だいたいエリザベス・シューというヒロインがいかん。どこか底意地悪そうで、この女どっかで見たなあ同じバーホーベンのスターシップ・トゥルーパーズのあれは嫌味な感じが似てる気もするがデニースなんとかやったからちょっと違うし、などと考えていたところ友人があっさり教えてくれた。あれはなんと『ベスト・キッド』のヒロインだったのだ。そういえば、と思いつつちょっとショック。こんないやな女になっていたなんて。
 
箱だけくれ 8/9/02

『アベノ橋』のDVDの二巻が届いたのだが、配達してきた初老の男性が「その箱だけくれんか」と言うのである。箱? 箱てなに。箱やがな、その箱。ああこの箱? この外側のこれ? そうそうその箱。というような変な会話ののち、別にええけどと中身を出し広辞苑ほどの大きさの段ボールの箱だけ渡す。中に入っていた緩衝材などは要らないそうだ。
 あとになっていったいなぜあのおっさんはあんなものを欲しがったのだろうと気になりはじめた。もしかしてあの箱はものすごい値打ちのものだったのではないかと思いぎくりとする。あのおっさんは段ボールマニアのとんでもない目利きで、あの箱がマニアの間では数十万円の値で取引されている最初期再生紙利用王子製紙製特別版上製段ボール箱七十二年モノであることなんかをとっさに見抜いたのではないか。いやもしかするとあのおっさんは実はスパイで、あの箱単なる紙などではなくNASAと米海軍とが共同で極秘裏に開発した最新の特殊素材で八千度の高温に耐え超軽量しかも二センチ角にちぎって尻に貼るだけで深海でも息ができたりするのではあるまいか。いいや待てまて実はあの箱の底は二重になっており、そこには数トンの金塊がっ。
 めちゃめちゃ損をした気分である。

『千と千尋の神隠し』 8/7/02

 ローソンでは四千七百円で売っているDVDがどういうわけかネット上では三千円ちょっとくらいで売られており、公開時に見逃していたので買ってみた。いやあおもしろいなあ。誰かがあれはゲロのアニメだと言ってたけど、ちょっとだけなるほどと思う。テーマはあたりまえだが全然別じゃ。
 おにぎり食べながら千尋が泣くシーンが印象的で「ハクのおにぎりフィギュア」なんて、なんやそれそんなもん誰が欲しいんやと思っていたのに、フィギュア付きの方を買えばよかったかなとちょっと後悔する。フィギュア付きは二百円高かったのである。なにを隠そうぼくは、自分に責任がない場合に限るが女の子が泣いているのを見るのがものすごく好きなのである。アベノ橋の打ち上げパーティーでスピーチしながら泣き出した松岡さんをちゃんとしっかり見るために、わざわざすぐそばまで寄ってじろじろ見たほどだ。あれほどの突発的号泣を見る機会などめったにあるものではない。貴重な体験だった。
 DVDとはまことに便利なもので、フランス語の吹き替えも選べるようになっている。おもしろがってメルシーボクー以外まったくわからないのにフランス語で見たりもしたのだが、よく似せているもののやっぱりオリジナルの方が雰囲気はいい。あたりまえのことだけど。千尋が初めて湯婆のところに行くシーンで、廊下を浮遊していきながら突然九十度曲がるところの「うえっ」という声がぼくはめちゃくちゃ気に入ったのだが、フランス語の方はそのあたりが全然だめなのである。おにぎりのシーンも、フランス語の泣き声はもひとつだった。そんなこと気にするやつはあんまりおらんか。けどアニメファンは濃いからなあ。

あるみちゃんに誘われる 8/3/02

 声優の松岡由貴さんから、いっしょに芝居を見に行きませんかとお誘いを受けたので一も二もなく行きます行きますと犬みたいに喜んで大阪まで行く。アベノ橋の打ち上げパーティーのとき、大阪で飲むときは声をかけますよみたいなことを言われていたので、たくさんで集まるところへ呼んでもらったのだとばかり思っていたのだが、会ってみると松岡さんだけなのだった。はははは。男女が場所と時間を決めて待ち合わせしたのであるからこれはデートである。アニメの仕事をしてよかった。
 芝居はなんともわけのわからんナンセンスなもので、予想外におもしろくて刺激的だった。サツマアゲがよかった。芝居が終わってもまだ時間が早かったので、松岡さんとふたりで街をぶらぶら歩いたり、こじゃれた店を覗いたりと、こんなことをしているところ松岡さんのファンに見つかったらいきなり刺されそうだと思ったので背後に気をつけることだけは忘れないようにしたが、それでも四五回刺される。
 奇妙な雰囲気の中華料理屋で食事をしながら声優の過酷な暮らしやサエキの奇行などを教えてもらったりした。やっぱりというかなんというかサエキは女の子に絶大な人気があるらしい。東京へ戻るという松岡さんと別れてにこにこスキップしながら帰り、仕事場に戻ると三階の灯りが点いていたので自慢しようとそのまま友人の部屋へ押し掛けだらだら飲んでいたら横浜で役者をやっている友人が偶然やってきたのでそのままさらにだらだらと朝まで飲んだ。有意義な一日であった。

『かまいたちの夜2』完全制覇 8/1/02

 どうにも終わらないので掲示板で誰か教えてと頼んだら、たちどころに答えのメールをどっといただいてあっさり終わる。最初からこうしておけばもっと早く終わったのに。ああおもしろかった。
 かまいたちが終わってしまったので、せっかく買ったプレステ2は単なるDVDプレイヤーと成り下がった。なんか損した気分である。この先、ゲーム機として活躍することは二度とないのではないかという気がする。かまいたちがなければプレステ2など買わなくてもよかったわけで、単なるDVDプレイヤーなら一万五千円くらいで買えたのだ。なんか損した気分である。デザインがかっこいいのでまあいいかなとも思うけど、なんか損した気分である。かまいたち2でゴーストハンタートリオは皆大儲けするのであろう。なんか損した気分である。あの人たちになにかおごってもらわないとこの損した気分はなかなか晴れないのではないかと思う。赤坂ですき焼きくらいおごってもらっても罰は当たらないのではないかと思う。ということでよろしく。


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