舞踏舎 天鷄
鳥居えびす&田中陸奥子
Butoh-sha Tenkei
/ Works /

『ユモレスク Ⅰ〜Ⅶ』

ユモレスクに寄せ

舞踏舎 天鷄丸く屈み込む田中陸奥子は、私の瞳孔に永遠に焼きついている童子だ。巨体を肌けて、正体なく倒れる烏居夷の、まるで液化するような居ずまい。ダビデとゴリアテ。コボルトとヴァイキング。かつて、相まみえた五條大橋での童子と怪僧は、場を舞台に換えて、ふたたび出会ってしまったのだ。さて、とびきりのやらせの戦いやいかに、という呼び込みにっられて入った芝居小屋は、袋小路のデッド・ロック。腹をくくって見なければ。

市川雅(舞踊評論家)

夷と陸奥子の妙な道行きを、付かず離れずに見る欲は、なかなか消すことができません。
夷と陸奥子ショーは、期待できます。
老婆心ながら、一日に二時間かそれ以上は、良い日本茶に砂糖でも少々入れて、お互いをちゃんといたわりながら、ゆっくり啜りながら話し合えば、きっと良い想いが流産しないで舞台に産み出されると思います。
〈天鷄〉の不思議な鳴き声にびっくりして目覚めたいと願っているのは、私一人ではありません。

麿赤児(大路駝艦主宰)

舞踏舎 天鷄幕間にて
絹のよだれたらす
たそがれのおうなが去ると
あらわれた
なかなか振りむいてくれないので
もどかしく思ううちに 首から上
のない人たちだと気づいた
頭のあるべきあたりを 腕が
空しくゆきかう
カラブリ カラブリ
やがて むきなおって
くんずほぐれつ
時を忘れてたわむれる
バグパイブにのせられては………
舞踏はつづく
押しくらまんじゅう 泥まんじゅう
時を知るダルマ
あの日輪にあやつられては………
石化する肉体
ダルマの棒に反発しない
どこまでも青い空に
輝く雲のひとみが 美しい

飯島明子(文芸家)
舞踏舎 天鷄
ユモレスクI
「スマトラの忘れな草の花」
中野テルプシコ−ル
1986年7月31日
出演:田中陸奥子・笠見典子
ユモレスクII
「曳かれ者とマリアッチ」
中野テルプシコ−ル
1986年9月26日
出演:鳥居夷
舞踏舎 天鷄
ユモレスクIII
「自家製 ── 管道と感動」
中野テルプシコ−ル
1986年11月27日・28日
出演:鳥居夷・田中陸奥子・笠見典子
舞踏舎 天鷄
ユモレスクIV
「幕間」
中野テルプシコ−ル
1987年5月2日・3日
出演:鳥居夷・田中陸奥子・笠見典子
舞踏舎 天鷄
ユモレスクV
「青空にドン」
大阪・心斎橋島之内協会
名古屋・大須七ッ寺共同スタジオ
1987年9月15日〜20日
出演:鳥居夷・田中陸奥子・紺野尚子
→詳細ページあり
舞踏舎 天鷄
ユモレスクVI
「赤彦とクスクス」
中野テルプシコ−ル
1988年6月4日・5日
出演:鳥居夷・田中陸奥子
舞踏舎 天鷄
モレスクVII
「SASA」
仏・アヴィニオン
1988年7月17日・22日
出演:鳥居夷・田中陸奥子

CopyRight © Butoh-sha Tenkei All Right Reserved.