ブラスバンドについて

本では、ブラスバンドといえば、学校のクラブ活動がおなじみだと思います。主に、金管楽器と打楽器で合奏するバンド、中学・高校・大学などでは、それに木管楽器(クラリネット・フルートなど)が加わるバンド(吹奏楽)が多いと思います。しかし、外国では、「ブラスバンド」とは、前者の方をさし、後者の方は、「ウィンドバンド」と呼ばれています。

宮ユースバンドは、ブリティッシュスタイルのブラスバンドですが、このスタイルのバンドは、1800年代中期に、イギリスの炭坑労働者の間で生まれました。あまり大掛かりな設備や人数を必要としないこのバンドは、苛酷な労働生活の合間のささやかな楽しみとして、各地に広まっていきました。時代の流れにより、ほとんどの炭坑が閉鎖されてしまった現在でも、各種スポンサー企業や、地域の応援により、多くのバンドが活躍しており、コンテストやコンサートで、非常に素晴らしい演奏がなされています。ちなみに、数年前に公開された「ブラス!」という映画は、実在する「グライムソープ・コリアリー・バンド」というバンドがモデルになっており、ビデオ店などで、今も扱っていると思いますので、是非ご覧ください!

ラスバンドの編成は、金管楽器と打楽器のみという、シンプルなものです。しかし金管楽器と言っても、管弦楽や吹奏楽でおなじみの、トランペットやフレンチホルンを使用しません。日本ではあまり馴染みのない楽器も含まれますが、「Ebソプラノコルネット」 「Bbコルネット」 「フリュ―ゲルホーン」 「テナーホーン」 「バリトンホーン」 「ユーフォニアム」 「トロンボーン」 「Ebバス」 「Bbバス」 「パーカッション」という、楽器で構成されています。丸く柔らかい音色の楽器を多用しているので、多くの賛美歌や、イギリスやアイルランドの民謡など、暖かく深みのある音楽を演奏するのには、まさにピッタリな編成なのです。現在では、世界中の名曲が、ブラスバンド用に数多く編曲されており、もちろんオリジナルの曲や、コンテスト用の現代的な音楽も作られているので、演奏者も多種多様な音色や表現を求められています。また、旋律や独奏部分を、金管楽器だけで演奏する都合上、場合によっては、超絶技巧ともいえるようなテクニックを要することもあるので、それに対応できる奏法を身につけることも必要で、奥の深い世界だと思います。 

本でも、以前からこのスタイルのバンドが活動してきましたが、最近はその数も増加しており、これからますます発展して、皆さんの町でも気軽にその演奏を聞いていただけるように、私達も頑張って行こうと思います!