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鳥屋 宏香さん(mail:) Wed May 19 19:06:16 JST 1999
Subject: Re:マンガ文化・・・
>>メロディは、この夏から新機軸を打ち出すのでしょう。
>>おまけに川原泉は載ってるし、どうなってるんだメロディ。通好みすぎ。
>でも、「メロディ」、こういう購買層も狙ってるのでしょうか。
・・・・お久しぶりです。鳥屋です。そうですね。全くそう・・・
危なくなったら方針転換はどの雑誌でも行うと思いますが,
しかしこれ程回帰的なのも珍しいと思います。読者がいつまでもついて
くる雑誌は他社から見れば垂涎の限りでしょうね。もっとも講談社の
「フレンド」系もいつまでも70年代末〜80年代前半デビューのベテ
ランで売っていますが・・・・
(昔,「ひとみ」増刊の「デジール」が何故かミセス雑誌に変貌した
例や,「WIngs」がSF雑誌からファンタジー主軸に脱皮した例,
また学研のSF雑誌が「ノーラ」になり,そこから殆どアニパロの
「CAIN」が出た例があります)
ところで「PUTAO」の事ですが,白泉社は今回のリニューアルに
より「ぱふ」などの既占市場を一手に抱えようという思いがあるのでは
と思われます。(市場開拓の意識とどちらが主軸かは,新装版を見て
みないとまだわかりませんが)
思えば「MOE」「PUTAO」など,白泉社の雑誌は今まで当初の主題
から外れて明らかに通好みのマンガ特集化する事が度々でした。これは
おそらく読者層の偏重にも原因が求められると思うのですが,既に空中
分解気味だった「PUTAO」休刊(リニューアル後は「ぱふ」的情報
誌かつ過去のマンガ情報カタログ誌化?)で,私はなんだか余りにあり
そうな話で苦笑してしまいました。
まあ,マンガファンが一人でも増えれば嬉しいです。
・・・しかしこの最近の白泉社によるマンガ文化のリードには,実は
正のアスペクトと同時に相当の負のアスペクトもあります。それは少女
マンガ文化の「科学的考察」と「文化継承」の両面でかなり問題がある
という事です。
数多い白泉社の「マンガ関連本」を少し見ればわかる事ですが,白泉社
は一ツ橋グループ以外の漫画を殆ど紹介しません。中でも筆頭株主の
集英社と自社作品で8割は占めていると思われます。
あまつさえそれを「少女マンガの全体像」としてかなり恣意的かつ作為
的に宣伝するきらいがあるので,今後もその様な方針が続けられるとし
たらと思うと一抹の不安を感じるのです。情報は統御可能なものです。
今や少女マンガが業績をふりかえる事の出来るまでになったと思うだけ
に,科学的(即ち批判可能な普遍化可能性の創造。一作品のファンで
ありつつ,その視点を自己批判可能な思考体制)な論考が要請されて
いると思います。
(その意味で「宝島」や「アスペクト」的な情報提示,即ち科学とは言え
ないまでも,そして例えそれがファンの引き倒し論評であっても,それ
は客観を語りつつ作為的に統御された情報よりは,将来の少女マンガ
文化に意味あるものと思うのです)
すみませんね。なんだか熱くなってしまいました。とにかく
「PUTAO」の成功を祈ります。
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