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鳥屋 宏香さん(mail:) Mon Oct 19 17:23:31 JST 1998
Subject: Re:茶木ひろみさんのこの頃の活動状況って?


>えと、こないだ古い本を整理してたら茶木ひろみさんの本ががさっと出てき
>まして。読み返してみたのですが、やっぱり話の筋がおもしろいなぁと・・

 うーん。懐かしい。本当に最近の活動状況はどうなのでしょうか。私も
知りませんが確かに「話の筋」は面白いですね。最近思うのですが、実は
今話題の津田雅美の「彼氏彼女の事情」の基本構造は茶木ひろみのストー
リーの発展系として茶木作品に良く似ていると思います。
 
 学園ラブコメとロマンホラーとどこが同じなのかと言いますと、実は両者
とも「素敵な彼氏」のダークな部分を「彼女」が救済していくという点で
全く同じ構造を持っています。茶木作品の「俺は薔薇」や「悪徳の栄え」、
代表作の「銀の鬼」など80年代中期以降の茶木作品は殆どすべてこの構造
を有しています。ある意味ワン・パターンに陥っていた感もありますが、
現在の津田作品はこの茶木の陥ったロマンホラーの隘路に学園ラブコメと
いう観点から新しい風を吹き入れたといってもよいと思います。
 唯、茶木作品はロマンホラーならではの強みもあり、ラストでの「彼氏」
側の「消滅」(死亡)という手段を比較的容易にとりえたのに比して、津田
作品ではそういった手段が作品の舞台上とりにくいという面があります。
予定調和的に「彼氏」の救済がなされるのか、それとも茶木作品の様な
大逆転が見られるのかが私の目下の注意点です。
 
 少し専門的になってしまいましたが、確かに茶器作品は面白いですね。
週マという制約上から来る絵の乱雑さや、週間連載にまま見られる「話の
不自然な切れ目」がコミックスではあまり感じられません。話の展開が時々
強引とも思える事がありますが、それでも「次はどうなるのだろう」という
展開の巧妙さとその「引っ張り」の結果の妥当性(即ち、「なーんだ、
あれだけ引っ張っておいてこういう結果か」という情けない結果ではない
ということ)は希有なものがあったと思われます。「週間」マーガレット
最後のストーリーテラーといっても良いと思います。
 

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