◆「神戸新聞」平成11年10月21日(木曜日)◆
詩人・中原中也の書簡公開
独文学者の安部氏あて直筆2通
亡くした長男の思い吐露
叙情豊かな作品で知られる詩人、中原中也(1907−37)が知人のドイツ文学者、故安部六郎氏にあてた直筆の書簡2通が安部家から出身地・山口市の中原中也記念館に寄贈され、20日、報道陣に公開された。
中也の全集で同書簡は発表されているが、実物が公開されるのは初めて。書簡は中也が亡くなる数ヵ月前の37年に、当時、成城高校教諭だった安部氏にあてて書かれた2通。「子どもを亡くしたのがつらい、どんな詩情もわかない」などと前年に病気で失った長男に対する気持を打ち明けている。中也と安部氏は28年に知り合い、翌年同人誌を一緒に出版している。
同記念館の福田百合子館長は「元来は達筆の中也だが筆跡に勢いがない。子どもを亡くして悲しむ彼の心の状態がわかる」と話している。27日から一般公開される。
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