Date: Thu, 24 Aug 2000 12:06:06 +0900
From: NAITOH,Seiichirou
Subject: Re: ぷろじぇくと・ぺけ



内藤です

S> YS11の回は見ました。登場人物が土井武夫(飛燕作った人)だの
S> 堀越二郎(説明不要)だのという点では面白かったです。

うう、それは見たかった。

S> で、ビデオテープの中に残っていた海外ドキュメンタリーの、
S> 「世界初の宇宙飛行士は誰?」という番組を見ました。
S> これも内藤さんは御覧になったかと思いますが、

いえ、存在さえ知りませんでした。最近新聞のテレビ欄は
ほとんど見ていないので。テレビも、家族が何か見ているのを
チラッと見かけるだけで。大体、ほかの家族が見るようなバラエティーや
ドラマや音楽番組には一切関心がないので、
(そのくせなぜかアニメーションに比較的通じている自分が嫌い)、
結果的にいろいろと見損ねてしまうのです。
そういった興味深いドキュメンタリーやクラシック演奏会など。

S> ガガーリンの前にテストパイロット出身のイリューシュン
S> (かの『シュトゥルモビク』設計者の息子)が宇宙飛行していたが、
S> 事故で中国に不時着したためそれを揉み消し、急遽ガガーリンを
S> 代役に立て英雄に仕立てたのでは、という話でした。

それは、初めて耳にしました。確実に成功するまで、旧ソ連なら
宣伝しての打ち上げはしなさそうです。そういう意味で、ありえて怖い。
しかもかのイリューシュンの息子・・・
# いえ、私は一般人ですからいったい誰のことやら、はっはっは。
## 最近逃げに回っているかも・・・(^^;

S> 宇宙開発に纏わる国家の威信、パイロット(宇宙飛行士)たちの思い、
S> 隠された技術者の功績など、これは中々に見物でした。

立花隆の「宇宙からの帰還」などは以前に読みましたが、
やはり黎明期の宇宙開発の熾烈な冷戦構造や飛行士(いずれも軍人)の
思いというものは今とは比べ物にならない重さがありますね。

S> 小生はアメリカという国家全体にはさほど好印象を持っていませんが、
S> しかし時として内藤さんのそのような思いに類似した感情を
S> 自国の様子と比べて抱くことがないわけではありません。

もちろん、私も米帝国主義は嫌いです。打倒!とか叫びはしないけど。
ただ、やはり物理学の世界などでは、「世界レベルで研究者を目指すなら、
日本の大学にいてはだめだ、アメリカにいけ」とはいわれることです。
天文学においては、東大は多分世界でも充実しているほうではあると
信じていますが、そうは言っても、やはりアメリカが牽引しているのは
事実です。それこそ「なんの役に立つ?」というレベルでしか
学問や研究を評価できないこの国が、アメリカをリードするというのは難しい。

それでも、よくやっている面もあるとは思います。
X線天文学などでは、(ASTRO-Eは残念ながら2月に打ち上げ失敗しましたが)
もちろんアメリカの衛星「ウフル」が世界の先陣ですが、その後は
日本の歴代観測衛星が世界をリードする成果をあげてきました。
ロケットだって非力で衛星自体が小さいのに、アイディアと努力で
多くの業績をあげています。神岡の宇宙線研のニュートリノ研究だって、
本当に偉大な成果です。学問レベル、研究者レベルでは、日本でも
優れた人はいる。しかし、何より行政の世界での理解が乏しいし、
研究者の世界だって、日本的な体質というのは蔓延している。
アンシャン・レジームが崩壊しつつあるとはいえ、このままで
科学の世界が隆興するとは思えない。実利的なものが価値となればますます、
学問というものは閉塞していく。「産学協同」「外部評価」といってもねえ。
本当に評価できる人なのか、という疑問は残ります。

S> 「『クルスク』の惨事を心配するロシア市民」などという写真に
S> 「クルスクで惨事だったのはドイツ軍の方じゃ」と突っ込んでいました。

笑うに笑えない(けど笑ってしまった)。めちゃめちゃ失礼ですけどね。

S> 先程の宇宙飛行士の話と比べ、当時からの目を覆う技術の低下と
S> ソ連から変わらぬ情報隠しのやり方というのは、いろいろ

宇宙開発にしても、あれだけ早くミールを打ち上げていまだに動かしている
当時の技術力というものはすごいのに、国際宇宙ステーションに見る
いまの体たらくは悲しいですね。
日本の戦後航空産業も(あれは外因だけど)すこし思ってしまった。