Date: Wed, 26 Apr 2000 14:31:44 +0900
From: NAITOH,Seiichirou
Subject: Re: 日本人と「科学技術」の歴史は?



内藤です

S> アメリカのある科学者が喋ってましたが、科学の進歩→生活が豊かに
S> (この場合は寿命が延びる)→めでたしめでたし、
S> という構図をまるで疑っている様には見えませんでした。
S> 「科学」を世界認識の手法と見なす考えは、時代錯誤なのでしょうか。
S> そんなことはないと信じていますが。

アメリカの場合は、国を牽引してきた強力な産業なり技術なりが、
まだ破綻していなかったり停滞していないのでしょうか。
日本でも、ある時期に、そういった成長思考が終息してから
そういった無邪気な科学の「ご利益」以外のことを
ようやく省みるようになったと思うのですが。

S> 「科学」の教育が明治の日本で広まり得た土台の一つは
S> やはり蘭学の基礎があったからだとは思いますが、蘭学は医学・軍事など
S> 実用技術の面で受容されたのであり、世界認識としては考えられなかった筈です。
S> なぜなら、キリスト教概念の理解なくして西欧文明(の産物たる科学)の
S> 世界観は把握できませんから。

たしかに、科学というものが技術を学ぶための手段として輸入された日本では
世界観としての科学という発生的な側面はそもそも認識されていないのかもしれませんね。
その後の発達も、先のアメリカの科学者の発言と同じように、
生活を豊かにする「技術」の基礎として「科学」が推し進められてきたのですから。
「技術の種」ではない科学概念を考えた教育ということですが、
科学の土壌がある国にとっては原点回帰なのかもしれませんが、
日本のように科学以前には世界観へのアプローチがまったく別のものであった国では、
科学によって駆逐された日本的情緒や信仰といったものが精神的「原点」として
取り沙汰されていて、その意味から、科学の初心に帰るというよりは
科学をもう一度作り直す必要があるのかもしれません。

S> 昼休みにでも時間がありましたら会いましょう。
S> でも木曜日は三鷹に行かれるのでしたね。では金曜にでも。

明日は、メールを読めないと思いますので、金曜に直接会いましょうか。
12時に図書館の前とか、適当に設定しましょう。