Date: Tue, 11 Apr 2000 12:41:39 +0900 (JST)
From: NAITOH,Seiichirou
Subject: 江戸城



内藤です。

考えてみれば、この度Sさんが本郷へ進学されたので、
話をする機会も増やせるのですね。
なかなか、理学部(しかも浅野地区キャンパス)と文学部では
生活空間が一致しませんが、とはいえぜひまたお話を、と思います。

先日、何とはなしに江戸城を訪れてみました。
地文研の人間が千鳥が淵で花見をやっていたのですが、
人が多いのとコンパの席には近づきたくなかったので、
皇居東御苑に入っていました。
公園として、そして宮城として遺構が完全に保存、維持されているため、
私のような素人が勉強するのに非常によい教科書になりますね。
石垣が美しい。あの時代になると、技法的に完成しています。
切り込みハギ、打ち込みハギの使い分け、あるいは虎口の構えなど、
楽しみながら見てまわりました。
天守台は、幕府の威光を保つべく作られていますし、壮観なものでした。
見せるべき石垣と、本来的な防御機構としての石垣を見比べつつ、
いずれにせよ、日本の築城技術の発達の到達点として、いい城です。
現存する建造物はさほど多くはないですが、
櫓にしても、層塔式で均整の取れたものです。
今度城巡りに都合があったら、ぜひいろいろとご教授ください。

さて、Sさんは先日映画をごらんになったそうで、それは私は見ていないのですが、
いまさらながら、「遠い空の向こうに」(原題October Sky)をみてきました。
NASAのエンジニアの自伝を映画化したもので、1969年代アメリカの
炭鉱の町を舞台に、炭鉱(旧産業)を守ろうとする父親と
新しい時代の技術を夢見る青年との親子の葛藤を横糸に絡ませながら、
スプートニクショック当時のアメリカの動揺と時代的停滞などが
よく描かれていました。私のまわりでも非常に評判がよく(絶賛されていた)
ようやく重い腰をあげた、というところでしたが、見てよかった作品です。
次は、「The Princess MONONOKE」を・・・

科学教育ゼミでは、先日も、子供たちの認識段階をテストするとか
(ピアジェ的な感じもするが)理科に対する意識とかを議論しています。
資料がないのと考えをまとめていないので、今は述べませんが、
多くの子どもたちが、意欲や目的、あるいは何らかの支柱的価値観の喪失と、
自発的活動性の減退で理科に限らず学習、あるいは探求といったものを
倦厭している一方で、天文学会ではジュニアセッションが今年からもうけられ、
中高生が驚くほど高レベルの研究発表をしているのをみて、
教育水準、あるいは知的水準の格差は教育機会の均等化が普及した
この国において、厳然と存在していることを思い知りました。
これから、教育指導要領が改定されて学校間(公私間)で教育の差がより大きくなると、
これらの格差は一層拡大して行くように思います。

研究者として、学問領域の閉じこもっていたこれまでの態度を反省して、
日本でも教育的な試みがようやく生まれ始めたところですが、
日本国民の現状は、未来に暗澹たる予感を拭わせてはくれません。

まとまっていませんが、このくらいで。
今度またあってお話をできればと思います。