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タイトル 戀之風景 -The Floating Landscape
名前 S.Naito (管理者)さん
日付 2005/04/03 19:37:55
・恋の風景
 こういうタイトルの映画を私が見に行ったというと家族さえぎょっとするのだが。
 さすがに観衆には女性が多かった中に私がいるのは妙であるけれど、創造であれあるいは感情であれ、
 “届かないもの、狂おしい、切なく透明なもの”というものに強く惹かれて彷徨っている私にとっても、
 この世界に満ちているそれぞれの純真さと赤心と深い思慕は美しく愛しくてたまらない。
 サムという人間は、その悲嘆、絶望と恐怖はもっと大きく描ける存在で、見舞われた運命からは相当淡白に登場するけれど、
 ここではあくまでも既に彼岸に行ってしまった影として、色褪せつつあるよすがの哀しさとして、朧に映じていて、
 そこにすがり縛られるマンが、物語の全てをかけてようやく解放と昇華を掴むのももどかしい。
 そして何より、シャオリエの不器用な純朴さ、真摯さ、今は亡き存在に嫉妬もまあするけれど、馬鹿がつくほど優しい。
 誰かが誰かを想うという形はいろいろあって、もちろん現実の関係性は幾重にも折り重なった複雑で厄介なもので、深刻さも醜さも内包するけれど、
 その中にはきっと純粋なものがあって、それを意識することは嫌味でも虚偽でも偽善でもなくて、
 人がそれによって生きることができる、その真情の大切さをこの映画は証してくれる。
 こういう情感の機微、人間や町が孕んでいる懐の深さ、あるいは作品によっては圧倒的なスケール。アジアに疎い自分を反省する。
 TV作品と映画は描きこみやふくらみも違うけれど、『韓流』ドラマを見るより『華流』の豊かさに括目するべし。

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