NewインテグラType-R試乗記
Date : 2001.7.20(Fri)
Weather : fine
HONDAユーザーならずとも、特にスポーツカー好きなら気になるあの車種、インテグラType-R。
もともとNSX Type-Rの開発者が遊びで作っていたような車とどこかで読んだ気もするんですが、
とにかく大メーカー量産車とは思えないその作りとFF車では世界一ともいえるその性能が多くのファンを産みました。
しかし、これが逆にType-Rしか売れないという事態も産み出し、今回のモデルチェンジに当たってHONDAとしては、
Type-Rを前提に開発を進めるということになっていますね。
#まあ、昨今の車の販売状況を考えれば開発されたということが既に評価に値しますが。
ともあれ、前置きでぐだぐだ言っても仕方がないので早速試乗記です。

外観
今回はマイカーのクーラーチェック(効きが弱い)の折りに、僕の嗜好を知っている担当さんのご厚意で予め試乗車両を用意して頂きました。
#VERNO大阪箕面店の担当様、ありがとうございます。

てっきりチャンピオンシップホワイトかと思っていたんですが、マイカーを預けしばらく待っていると車庫から出てきたのは今回のモデルの新色、アークティック・ブルーパール。
これに併せてレカロもブルーカラーが用意されると言う色です。実は、どんな色か雑誌で気になっていたので好都合でした。

印象は“思ってたよりも鮮やかな青”と言ったところでしょうか。

この色だと、個人的に気になっている目(ヘッドライト)の大きさが多少緩和されます。

また、雑誌写真で思っていた“ずんぐりむっくり”感は、実車では意外と感じませんでした。でも、車体はかなり大柄に感じましたけどね。

リアです。

フロント同様の意匠でバンパーにライトが食い込んでいますが、全体の印象は前モデル(というかそれ以前のモデルも全て含めてもいいかも)と共通のイメージを持たせており、上手くまとまっていると思います。

個人的にはリアビューはいけてます。

真っ赤にそまるブレンボキャリパーです。

ブレーキの剛性感はすさまじく、非常によく効きます。コントロールもしやすそうです。

しかし、ホイールのブレーキダスト凄いな...。これフロントですが、リアに比べてかなり明確に汚れが確認できます。というか、僕の走行でこんだけ汚れたわけではないですけど、もちろん^-^;)。

内装 コクピットです。

おなじみの3点セットに加えスポーツペダル等、盛り上げる要素は色々ちりばめられています。

さて、質感の印象ですが、前Type-R比較をすれば、かなり良くはなっていると思います。しかし(S2000でも感じたことですが)、かなりシンプルで素っ気ないかもしれません。また、全体にプラスチッキーな印象がありました。

レカロはサイド部がスウェード調の素材に変更されており、肌触りはよかったです。

シートポジションは若干高い印象を受けましたが、これは自分の車が低すぎるわけでして、操作系に関して言えば位置関係は気にはならないでしょう。

ベースモデルの違いでしょうが、Euro-Rの椅子に比べれば、下半身のホールドはこちらの方が良いです。

オーディオ部です。

高い位置に設置されているので操作性は良好ですが、極めてシンプルです。

シフトノブはオプションのチタンではなくアルミでした。

青内装の場合、シフトブーツの赤ステッチはないんでしょうか?
ちょっとそこまでオプション装備内容をチェックしてないのでわかりかねますが^-^;)。

ナイキの靴です。

...ではなく、ペダルです。アルミペダルでスポーツ感満点ですね。ヒール&トゥを後で考えたら何気なくやっていたんで、高さも絶妙と言うことでしょうか。

ブレーキがめっちゃ効くのは上述の通りです。

内装関係でもう一つ。

助手席からの景色です。

まず、正面が非常にのっぺらぼーです。物の置き場にも困りそうですが、まあ、これはうちの親のNISSAN ローレルでも似たような感じなので最近の傾向なんでしょう。エアバッグとかもろもろの兼ね合いでしょうか。

次に、運転席側をみると下の写真のようになります。

ここでこの写真を同乗者に撮ってもらったのはある予想があったからなんですが、当たってました。これまたS2000でも思っていたことなんですが(この時はカメラもなく、単独試乗だったので撮影せず)、助手席側からメーター類が見えにくいんです。

4th Preludeが見えすぎと言うこともあるんですが(前が全面メーター^-^;;;)上述の正面ののっぺらぼーと併せて、多分疎外感があるんじゃないかなぁ?と思っていたんです。同乗した連れにそれを聞くとやっぱりそういう印象でした。

まあ、スポーツカーですから、ドライバーオリエンティッドな操作系配置は理解できますが、もう少し演出があってもいいんじゃないかな?と感じる部分ではあります。

ちなみに、このハンドル、めちゃめちゃ出来が良いです。形状(握り具合)、質感の面ではかなり気に入りました。写真ではわかりにくいかもしれませんが、一枚革ですし、お金かかってます。

走行 さて、肝心の性能ですが。

ディーラーの担当の人からも、「上まで回してもオッケーですよ」とのお墨付き(?)を頂いてましたので、きっちりレッドゾーンまで回してきました。で、ですね。

とりあえず、速い!しかも、止まる!

これに尽きます。
(試乗という建前上、曲がるは試し切れませんね、街中の一般道だし。)

加速感がまるで4th Preludeとは違います。

...実は、ベルノにPreludeを預けに行く道すがら、想定試乗コース(通行量は少ない)をまず自分の車で走っておいたんです(バカ)。ですが、そこをインテRで走ると目が加速に着いていきません。また、ある意味車の進化なんでしょうけど、速度感がわかんないんです。この辺りの感覚は、オーナーになれば慣れてくることかもしれませんけど、ともかく、マイカーと比較しても全部速いです。
#もしかしたら速度感はシートポジションとかが関係してるのかもしれません。
#後、コンソールが高い位置にあるので以前のHONDA車ほど開放感はありませんが、その分安心感はあります。

どの辺で差が付くかと言うと吹け上がりです。マイカーも軽量フライホイールにしているので、ノーマルよりは吹けは良いと思うんですけど、インテRに乗った後だと特に非VTEC領域がかなりかったるく感じます。僕とまったく同じ技量の人がインテRに乗って僕の車と競走したとしたら、よーいどん!でこの部分ですぐに引き離されることでしょう。

また、明確には把握してないんですが、6000rpm辺りでVTECに切り替わるようです。音がちょっとだけ変わるんですけど、でも、前インテRに比べたら、段付き感がなくもの凄くスムーズに吹け上がっていきます。S2000と同様の印象で、バイク的ですね。スムーズに伸びるんで、トルク感などが無いように感じますが、でもその時、“もの凄い速度”出てますからきっちりトルクは出てます。実際、1500rpmとかでも息付きすることも無く街中を流せますし、2速発進も不可能ではありませんでした(ディーラー兄ちゃん曰く、3速発進も不可能ではないとのこと)。

特徴的なのは、独特のエンジン音がします。キュイ〜ンというか、フュイ〜ンというか、こういった感じの金属音がします。後方排気の構造のせいか、サイレントカムチェーンとかの音かわかりかねますが、明らかに聞こえます。ただし、音質に関しては期待していたほどの官能的な音ではなく(期待しすぎかな?^-^;;;)、ちょっと音が車内にこもり気味です。この点では同情した連れも同意見でした。Preludeの方が乗っていてエンジンのビート感では勝ってるかもしれません。

静かさは前インテRに比べれば良くなったかな?という感じでしょうか。でも、遮音剤がないのでさすがにPreludeと比較するのはきつかもしれませんね。

ディーラーへの帰りに、今度はわざと路面の荒れた所を通ってみました。しなやかな足と聞いていたんですが、さすがスポーツカー。やっぱり普通の車に比べれば固いですね。ただ、不快感はありません。ボディ剛性が効いてるんでしょうけど、足まわりだけで凸凹を処理してくれる感じです。ボディが不快に振動したりしないので、あ、いい仕事してるな、とサスの動きが感じられます。というか、マイカーの剛性がへたれなのと、サスが抜け気味だから、よけい強調されて感じるんでしょうけど^-^;)。

結論
朝一番に行った事もあって20分程乗り回してました。
インプレに書いたように、とにかく“とりあえず速い”です。
ただ、今の自分の車の装備とかも含めて総合判断すると

”いますぐマイカーを売ってでも買う!”

というような印象は正直抱きませんでした。

乗ると楽しいし、間違いなく今よりサーキットタイム等も詰められるでしょうけど。
なんでかなぁ?と思ってましたが、やっぱりデザイン面でしょうか(もちろんお金も無いけど...)。
悪くはないんですけど、積極的には選ばないというか。まあ、だいぶ見慣れましたけどね^-^;)。
ステイタス性はあると思いますし、できは申し分無しです。良い車です。

もし仮に今新車を買うなら消去法的にインテRには辿り着きます。
でも、今の車に愛着もありますし、過不足は無いわけで、
やっぱり壊れるまで今の車乗り続けようかな?と再認識したNewインテR試乗でした。


願わくば、エアコン破損(ガス漏れ)が二度と発生しないように(-人-;)。
僕の4thは代替えフロンじゃないんで色々と今後問題がでそうですけど...。

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