ホット○○○○製作記
Date : 2003.6.5(Thu)
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巷で評判らしい、某電気系チューニンググッズ。市価1〜2万前後と結構なお値段がします。
外観もアルミを使っており、なかなか立派です。しかし、その効能と接続方法を考えてみると、

「中にはコンデンサーが入ってるだけちゃうのん?」

と以前から疑ってました。しかし、恐らくポイントであろう容量がわからないのでどうしようもありません。
ところがなんと某オークションでその内部構造画像が!予想通りコンデンサーのみ、かつ容量もばっちりです。
ということで、さっそくPFC近畿地区メンバーのまつさんが製作に。
工作好きの僕も(半ば冷やかしで^-^;)やってみることにしました。
以下、製作過程から記して行きます。
#期待している人には悪いんですが、僕はこの製品への過大な効果は期待していない事を先に書いておきます。


製作
さて、製作開始です。

今回入手した部品類は右の写真の通り。

コンデンサーは470μFと4700μFを入手。並列回路として製品の最高グレードに相当する物にしようと思ってます。

なお、いずれも105度耐熱のコンデンサーです。

ちなみに、105度耐熱というのはほぼ産業用の規格だそうです。普通にその辺で探すと大抵85度ですが、これは民生用の規格品とか。まあ、日本橋とか秋葉原に行けばありますけどね。僕はネット通販とたまたまみつけた“家から自転車で10分”の部品屋で入手しました。

ということで、第一段階。

お湯を注いで3分待ちます。

え?何しとんねんって?
いや、腹ごしらえは重要ですからね(謎)。

本題に戻りましょう。

まず、回路を内蔵するケースに基板を固定するための足を付けます。

最初は接着剤を使おうかと考えていましたが、結局穴を開けて皿ビスで固定しました。

基板に実装開始です。

某オークションに有った画像の通りヒューズも付けることにします。

間違えて逆接した場合に過大電流が流れる事への対策らしいので、接続を間違える恐れがなければ付ける必要も無いかとは思います。でもまあ、電装系にヒューズを仕込むのは、基本と言えば基本ですね。

ということで、とりあえず実装完了。

数年ぶりのハンダ付けは難しかった。というか基本的にハンダ付けは下手くそです。それに加えて基板なんて触るの今回が生まれて初めてですからね^-^;)。

裏はこんな感じ。

プリント基板みたいにしたかったんですが、結局銅線で繋いでいます。配線抵抗とか、配線の太さとかがちょっと気になるんですが、まあ、コンデンサーの足の線よりも太いから良いでしょう(良いのか?)。

ケースに収めてみました。

割と製品っぽくなってきました。

接続ケーブルの端子位置が決まったので、ケーブルを通す穴をピンバイスとリューターを駆使して開けます。

防水の事も考慮して、ギリギリのサイズにしました。

ケーブルを通した状態です。

もうほぼ完成ですね。ケーブル貫通部にはゴム系接着剤を盛って防水対策を施しました。

そしてケーブルの反対側には端子を。

端末も熱収縮チューブで処理してあります。

これだけじゃつまらんので、ケースにロゴシールを貼ることにしました。

ということで、パソコンでデザインして印刷。

ホット○○○○...。

はい。

思いっきりふざけてます^-^;)。
ふざけてますが作り込みは入念です^-^;;)。
お腹もいっぱいになりましたし(謎)。

インクジェット印刷なので、表面にはクリアのカッティングシートを貼って防水対策しました。

ケース中央をマジックテープバンドで固定(破裂対策)。

さらに基板固定用の皿ビス部を防水処理の意味も込めて、ケース固定用の両面テープで塞ぎます。

製作失敗対策に部品は2セット分購入していたのですが、結局失敗せず、こうして2組のホットヌードルが完成しました。

1つはPFC近畿地区メンバーのきじーさんに原価でお譲りする予定です。
#ちなみに製作費は、消費税・送料を含めて2つで4557円でした。

理論 さて、バッテリー+−間にコンデンサーを繋ぐことの意味は?

コンデンサーは直流電源に繋いだ場合、静電容量まで電荷をため込む性質があります。そして、車のバッテリーは色々な電装系へ電源を供給しているわけですが、特にエンジンはプラグのスパークを毎分何千回と繰り返しています。

スパークの際には恐らくバッテリー供給電源は若干低下すると思われ、特に高回転になるほどそれは顕著になると考えられます。この時、コンデンサーがあると、バッテリーの電圧が不安定化したときにため込んだ電荷を放出することで、供給電源が補償され電源が安定化する可能性が考えられます。オーディオでもよくコンデンサーを使っていますが、これによりノイズが低減されたりします。これと同じ原理でしょう。

なお、部品屋で部品購入時に、この回路の話をおっさんにしてみると、

「なるほど、可能性はありますね。ただし、耐圧はもっと高い方がいいかもしれません。その使い方はコンデンサーにとっては良くない(=過酷)ですから、寿命が短い可能性もありますよ。」

ということでした。

とまあ、原理的には悪いことはしていないので、ちょっと前に流行ったアーシングレベルの有っても悪くはないかな?的グッズでしょうか。

しかし、問題はあります。

まず、コンデンサーというものは、電子部品の中でも耐久性は最低に近いランクだそうです。構造を考えればわかりますが、内部は、二枚の電極板の間に、電解液をしみ込ませた担体(通常紙)を挟み込み、ロール状にしてケースに封入してあります。これが劣化してくると膨張し内部の電解液が漏れたり最悪破裂したりします。そんな物体をエンジンルームという熱的に過酷な条件下でバッテリー横に設置することには不安があります。漏れた電解液が周囲の金属類を少なからず腐蝕する事も考えられるでしょう。某製品のケースが不必要とも思える位に立派なのは実はこういった事への対策(昨今はPL法がうるさいですからね)かもしれません。

今回の製作に当たって、もともと効果はそれほど期待していないんですが、実のところこのコンデンサー破裂の方が心配だったりします^-^;)。

試走 2003.6.8に行ったPFC近畿地区ステッカー販売オフ現場にて装着してみました。同時にきじー号にも装着してます。

その結果...

  • 驚くほどのトルクupが!
  • 吹け上がりが恐ろしく軽く
  • 燃費が平均1km/Lも劇的に向上
  • 宝くじが3億円当たった
  • 急にモテモテになった!
  • 自信がついて仕事が順調に進むようになった!

等のめざましい効果がありました。信じられません!自分でもびっくりです。







………

‥‥

・・・(^-^;。

とでも書ければよかったんですが、結果から言いますと、まったく何も体感できませんでした。きじー号でも何度もテスト(回路内のヒューズの抜き差し)をしましたが、明確な差はなかった模様です。始動性、発進加速、トルク、すべての面でこれといって何も変わってません(まあ、もともと状態が悪いわけでもないんですけどね)。

僕的にはある意味予想通りというか、良い意味での期待の裏切りは無かったというか。まあ、妥当というところでしょうか。

総評 やっぱり、アーシングレベルの有ってもいいかな?グッズの様です。

付けていてもいいかもしれないけど、上述したようなコンデンサー破裂の事を考慮すると、自作ケースだと微妙に不安が残ります。その他、電力消費も完全にゼロなわけではない(漏れ電流がある)んで、たまにしか車に乗らないような使い方ではどうなんだろ?とも思います。しばらく付けてみますが、長期的には外す方向で現在は考えています。

結局の所、ある程度は思いこみ(思い入れと表現してもいいかもしれません)の産み出す効果の様な気がします。特に一人で作業した場合、装着作業のためにいちいち車を降りてしまいますから、直前のフィーリングの残像が鈍ってしまいがちです。今回はそういった心理効果をなるべく排除したいため、ドライバー乗車状態のまま、別の人間がヒューズを抜き差しするという手順を取ってみました(きじー号)。その過程において明確に差が出ない以上は、体感できるレベルの効果はないと言っても過言じゃないと思います。

もちろん理論の所で書いてるように原理的にはそれほど変なことはしていません。“完全な同一コンディション下”で厳密なテスターを使えば微妙な差は出るかもしれません。そういう意味では僕的には否定はしません。

しかし、この体感という物は結構曲者です。例えばアーシングで良く聞く効果に、

  • 普段通る道でライトが明るくなった(様な気がする)
  • オーディオの音が大きくなった(様な気がする)

といった物があります。本当なんでしょうか?

ライトに関しては僕は夜に駐車場でエンジンをかけライトをつけた状態で、アーシングケーブルのマイナスターミナル端子だけを付けたり外したりしてみました。それによって照らされる壁ですが、まったく変化がありませんでした。この辺もいかに普段通る道とは言え、周囲の明るさとかの条件が違いますから、やはり思いこみなんだと思います。

オーディオに関してもそうです。人間の耳の感度は一定じゃありません。例えば映画やコンサートを見た後など、町に出ると若干耳が聞こえにくくなってると思います。体調の関係もありますし、この様な特殊条件下に限らず一日生活するだけでも感度は変わるでしょう。朝と、一日を町の雑踏の中で過ごした後の晩では、後者の方が感度が鈍っていると思われます。

試しに、朝まだ暗いうちに早起きし、駐車場に行ってオーディオを聞いてみて下さい。寝起き=耳の感度が良いのと、早朝で周囲が静か、まだ周囲が暗いという視覚効果が相まって、全然別物の音に聞こえると思います。D.I.Y.作業を一人で夜にごそごそやっていたりすると、結局こういった効果がかかっちゃうんじゃないかと考えています。

また、最近サウンドシャキット装着にあたり、配線図を含めて改めてカーオーディオの(純正)配線というものを見ましたが、へなちょこのほっそいケーブルで信号伝達してます^-^;)。しかもあちこちでギボシや平型端子で接続したりしています。こんな電送系でアース線を追加したところで、そもそも大きな効果もあるとは考えにくいなぁというのも実感でした。HiFi系での電送ケーブルの差も実際は微妙なニュアンスレベルの差という話もあります(差がないわけではない)から、純正に毛が生えた程度ではやはり差は出ないと考えています。
【参考】
ここ

まあ、突き詰めてしまえば結局の所自己満足の世界になっちゃうんでしょうかね^-^;;)。

個人的にはこういった物にお金を使うなら、そのお金を貯めて、Exマニ、軽量フライホイール、LSD、サスペンションと言ったパーツを導入する方が良いと思います。んで、それらをした上でなお、

微調整(メンテナンス)の意味で二次的に導入するべき

なんじゃないかなぁ?とまとめたいと思います。

なお、何度も書きますが否定はしません。順序の問題かなと。
皆さまの参考になれば幸いです。

 

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