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早起きした 5/31/98

といっても十一時過ぎなのだが、それでも飲んだ翌日ということを考えると異例の早さである。誰かが来たらしくそれで目が覚めた。放っておいたら二回呼び鈴を鳴らして帰ったようで、もしかすると新聞代の集金のお姉ちゃんだったかもしれず悪いことをしたと思う。

今の仕事場に引っ越したのは昨年の九月だが、以前の仕事場に比べるとやたらと人が来てわずらわしい。ざっと思い出すだけでも生命保険の勧誘、車のセールスマン、家のセールスマン、布団のクリーニングの勧誘、宗教の勧誘、浄水器のセールスマン、牛乳の試飲、美容室の人(なにしに来たのかよくわからなかった)新聞の勧誘、近所の暇な主婦(よくわからなかったが家族構成を訊かれた)地図をどうこうするとかいう人(これもよくわからなかった)など、他にもいろいろ一日に一回くらいは誰か来ている。浄水器のセールスマンなど明らかに詐欺で、おちょくり半分ににこにこしながらなんでもはいはいと頷いていたら、しばらくどうしようかなあとぶつぶつ一人で悩んだあげく「今回はちょっとご遠慮いたします」と言ってなんにもしないで帰っていった。あれもよくわからなかった。

これだけたくさんの人が入れ替わり立ち替わりやってくるのに、妙齢の美人は一度として来ないのである。世の中には科学では解明できないことも多い。

今日も飲みにいった 5/30/98

高校時代の友人と飲みにいく。この友人は今小学校の校務員をしていて小学校の先生を死ぬほど嫌っている。ぼくも小学校の先生は大嫌いである。小学校一年二年と担任だった女の先生は今思うとぼくのことが嫌いだったようでことあるごとにいやがらせのような叱り方をしたし、四年のときの先生などこれはもうはっきりとぼくのことが嫌いだったらしく、これにねちねち毎日いじめられたおかげで円形脱毛症になったりした。ああいう人たちが先生になってしまうシステムに問題があるのではとないかと思う。どう考えてもひどい幼年期であった。恨みは生涯忘れないので、そのうちなんらかの報復はさせていただく。西海先生(旧姓佐野先生)増田先生お世話になりました。住所はわかっています。

しかしこの校務員さんの奥さんが小学校の先生だというのはどういうわけか。しかもこの奥さんはとてもいい人なのである。世の中には科学では解明できないことも多い。

Deep Impactの試写会 5/29/98

期待して観にいったのだがまるでおもしろくなかった。津波のシーンはたしかにすごかったけど、詰めの甘いストーリーで実にアホらしい。好き嫌いもあるだろうけどぼくは全然楽しめなかった。同じアホならもっと楽しめるアホらしさにしていただきたい。役者が豪華なだけに虚しい映画でした。

電車賃と使った時間を考えるとはっきり言って大損である。雨は降っているし、相変わらず客はおばはんばっかりだし、帰りの電車は混んでいるし、腹は減るしなにもいいことがなかった。

ただひとつ印象に残ったのは映画が終わりかけたときで、雨のせいか床が濡れていたらしくスタッフロールが始まるやいなや一刻も早く出なければ死んでしまうとばかりに立ち上がった人たちが次々にひっくり返ったのである。二人続けてこけたので、いったいどうしたのかと思っていたらそのあとまた三人こけて合計五人のずっこけを確認した。おっとっとというような生やさしいこけ方ではなく、ずるばたびったーんというフリスビーの犬か母を見つけた幼稚園児かというような情け容赦のないこけ方であり、人間生涯のうちああいうこけ方をすることは一度か二度あれば充分であると思えるほどの壊滅的こけ方が五人続いたのだから、ホールの設計上なにか問題があるのではあるまいか。

ところでなぜ最近彗星の衝突みたいなことが話題になっているかというと、ソ連があったころは宇宙開発にも大義名分があったのにそれがなくなってしまってなんで宇宙ステーションがいるんやとなったときに、彗星がぶつかったら困るやろ、核を地球から打ち上げるわけにもいかんやろ、宇宙ステーションいるがな金いるがな金もらえるがなということらしいのだが本当でしょうか。

ほとんどなんにもせず 5/28/98

昼過ぎまで寝てしまう。

昨日西明石駅から帰ってきたので、明石駅に置きっぱなしとなっていた自転車を取りにいく。「警告 至急移動してください」というおどろおどろしい紙がぶらさげされていた。自転車・原付放置禁止区域なのだそうだ。びっくりして警告どおり至急移動した。

ゲラに赤を入れてFAXで送る。今日した仕事はそれだけである。明日からちゃんと働こうと思う。

飲みに行った 5/27/98

作家の田中啓文氏と飲みにいく。飲みにいくのは久しぶりである。というよりも街へ出るのがずいぶん久しぶりで、人の多いのに圧倒される。飲みにいった店もいつもと同じ。ほとんど惰性である。落語や音楽などの話題にげらげら笑いつつビールやら水やらいろいろこぼす。

帰り、電車で寝過ごしてしまい明石駅で降りるべきところはっと気づくとちょうと明石を出るところであった。西明石に着くと上りの電車はすでになく実家へ帰るか(五分後の電車に乗って次の大久保駅から歩いて二十五分)そのまま仕事場まで歩いて帰るか悩んだが結局仕事場まで三十五分歩く。夜中に住宅街、それも田舎のわけのわからん道を歩くのはけっこうおもしろかった。

手塚治虫の『火の鳥』復刻版、9巻で終わりかと思っていたら別巻というのが出ていたのでそれを買う。まだ続くのだろうか。昔COM版で5巻まで持っていたが、あれ、今どこにあるのだろう。

仕事場へ帰ると雑誌連載の最終回のゲラがFAXでどっと送られてきていた。明日中に戻せとのこと。なんともせわしない話だが、これは書くのが遅かったぼくのせいである。予定よりもうんと枚数超過したためイラストのスペースが小さくなっており申し訳ない気がする。前回もそうでありました。ごめんなさい。

ホームページその他 5/26/98

昨年からずっと追いまくられていた連載の最終回を18日にやっと書き上げたので(締め切りは4月の25日であった)ホームページを作ってみた。我が家のマッキントッシュではちゃんと見えるのだが、他からはどうなのか気になるところである。著書の表紙が金髪のお姉ちゃんになっていたりしないだろうか。

ここには身辺雑記のようなものを書くつもりであるが、毎日誰と会うでもなく下手をすると一日中一度も声を出さなかったというような日もあって実は書くことはあんまりない。

最近の一番のできごとというと『追跡者(U.S.MARSHALS)』の試写会に当たったことで、先日観てきたがまあまあだった。しかしどういうわけか試写会というとおばはんが多いので困る。ほとんど全部おばはんである。ウェズリー・スナイプスがとんでもない逃げ方をするのだが、隣に座っていたおばはんの一人が「すっすごいすごい。わーすごい」と大変うるさく、しかも「すごいねえ。ねえ」とこっちに同意を求めるので往生した。映画やがな。味方が撃たれると「あーかわいそうに」突然の効果音には「いやあっ。ああびっくりしたあ。だはははは」照れ笑いまで大声である。そしておばはんたちはなぜか、一刻も早く映画館を出たいのかスタッフロールが始まるか始まらないかのあたりでいっせいに立ち上がってがやがやと出ていくのであった。まいったまいった。

などと言っていたら『ディープインパクト』という映画の試写会も当たった。これは今度の金曜日である。またおばはんだらけかなあ。



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